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NHK秋田の天気図

2022-08-08 23:31:48 | 秋田のいろいろ
NHK秋田放送局の平日18時台の県域番組「ニュースこまち」。その気象情報について。
2016年度からはずっと、気象予報士が出演している。2019年春と、今春に交代しており、通算3代目の予報士。※それ以前(「ニュースパークあきた」など前身番組?)にも数年だけ気象予報士がいたことはあった。

18時50分頃のNHKは、昭和の昔から気象情報の時間。東京から全国版を伝えた後、県域局に戻ってローカル天気、そして番組エンディングというのが、定番フォーマットであった。
ところが近年は、県域局で気象予報士がいる場合は、全国版を放送せず、県域局の気象予報士が全国版に相当する内容も伝えることが増えているようだ。秋田局も2017年度以降はそうしている(2016年度だけは従来通り)。


2022年春から、気象予報士が代わったせいか、あるいは気象会社との契約とか秋田局の方針なのかは知らないが、「ニュースこまち」の気象コーナー(いつの頃からか「アキテン」と命名)が、けっこう変わった。気になっているのは以下の点。

・全国版の簡略化
2021年度までは、(多少の省略はあったとも思うが)東京からの気象情報とだいたい同じことを伝えていた。
「まずは全国の気象情報です」みたいな前置きで、天気概況(衛星写真、天気図)、全国の明日の天気・気温、全国の週間予報を伝える。西日本など遠方の天気にも言及があった。

2022年度は、「まずは全国の明日の天気です」と、概況なしにいきなり天気→気温→週間予報。それだけ。全国版は時間にして1分あるかないか。天気図などは県内版相当で解説(後述)。
まあ、それでもいいとは思うが、何十年もNHKの夕方の天気予報に慣れ親しんだ者としては、けっこうな違和感。
予想気温画面
↑東京発では、2020年から新しいデザインの地図画面(地名と同時に枠の中に表示)に替わっているが、秋田版は昔(1995年から使われているらしい)のまま。しかも、数字のフォントがかつて東京発で使っていたのと異なり、細い。ニュース速報などでも使う、ラムダシステムズ「マール体」。


・メッシュ予報
これは18時30分頃の気象コーナー。
地図を格子状に区切って、3時間ごとの気象を示す、メッシュ予報/天気分布予報がある。「おはよう秋田」ではだいぶ前からやっていたが、夕方で毎日放送するのは初めてでは。
左がスカスカになってしまうのはしょうがない
ピンポイントの天気傾向が分かり、全体的な天気の流れ(どの方角から雨雲が来る等々)も分かるので有意義だと思う。
でも、改善したほうがいいのが2点。まず、地図内に主要地名を入れるべき。内陸部だと、どこの町がどこか、分からないだろうから。
もう1点は、表示範囲の狭さ。
この画面では、「秋田県」がギリギリ全部入るかどうか(右下がわずかにはみ出ている)の範囲。
通学通勤や旅行で、弘前や酒田へ行く秋田県民だっている。県境を越えたら、雨と雪が違う場合もある。秋田県のちょっと外側の天気を知りたい需要はあろう。
天気の流れを知る意味でも、もう少し広範囲のほうがいい。朝のは北東北3県くらい映っていたはずだ。

【10月4日追記】10月からは、地図上に大館、秋田、横手の文字と、位置の印が示されるようになった。
【11月14日追記】さらにおそらく11月から、画面左上・時間帯の下に、「昼まえ」「夜のはじめ」など時間帯を示す語(1日の時間細分)も表示。
【2023年1月10日追記】↑上記、地名が入るようになった頃から、地図の表示範囲が若干拡大された。特に南北方向。県境を越えた付近も分かるようになった。地名は、その県外部分に表示される。


・狭い天気図
18時50分では、全国予報の後の県内版の中で、気象衛星画像や天気図が解説されるようにはなった。



この天気図、どう思われますか?
「狭い」天気図ではないでしょうか?
本土四島がきゅうくつに収まっている状態。北方領土の一部、南西諸島がはみ出してしまっている。日によって範囲が微妙に異なるのか、下の画像では宗谷岬もはみ出している。
しかも、上の画像では、左下の高気圧の気圧の数字が上半分しか見えておらず、判読不可能。
下の画像では、等圧線と寒冷前線2本と温暖前線1本は見えているが、その元の低気圧とか、下の長い寒冷前線がどこまで続くのか分からない。気圧の数字は何ひとつ表示されないので、秋田県にかかる線が何ヘクトパスカルか分からない。
狭い天気図はもどかしい天気図だ。

同じ日の東京発の全国版で使われた天気図は、
左下の高気圧は1020hPa

秋田付近は1000hPa

東京発では東経100~170度、北緯20~50度なのに対し、秋田版では東経120~155度、北緯30~45度といったところ。
色合いは若干異なるようだが、数字の位置や書体が同じだから、東京発と制作元が同じ画像を使って、それをトリミングしているのだろうか。
そういえば、2021年度の秋田版では、「高」「低」でなく「H」「L」で表示され、全体的に色が薄く線が細いような天気図を使っていたことがあった。範囲は狭くはなかったはず。


今はピンポイント予報もあり、一般人は天気図など見なくても天気予報が充分よく分かる。
でも、天気図を見せてくれて説明してくれるのなら、広範囲で見せてもらわないと、その意味が低いのではないか。西から東へ変わる天気の変化、前線や台風の動きなど、狭い天気図では読み取りづらい。
「秋田県の天気」と言っても、それは日本の天気、東アジアの天気とつながっていて、広い視野で見ないと分からないのではないか。こんな狭い天気図では、木を見て森を見ずではないか。
なお、秋田局の気象衛星写真は、天気図よりは広範囲だが、全国版の写真よりは狭く、樺太島がギリギリ入り、台湾は入らない。

秋田局では、この狭い天気図でも充分という判断をしているわけだが、そうした理由は?
ひょっとしたら、メッシュ予報や天気図を使うには、1マス当たり、緯線経線1本当たり、いくらという使用料がかかり、それをケチっているのでは?! と勘ぐったりして。
広い天気図を見たければ、NHKのサイトか後の「ニュース7」、でなければ民放各局を見ろということか。

これから、台風や冬型の気圧配置など、天気図を広く見たい季節がやって来る。その時、どう見せてくれるだろうか。
【31日・沖縄県付近に台風がある状態での扱い】天気図の縮尺・画面サイズは変わらず。表示範囲を南側へ下げて、台風が画面に入るようにした。その分、北海道の大部分がはみ出た。
【9月14日追記・日本列島の西・南・東に計3つ台風がある時(秋田県への影響はほぼなし)の扱い】全国版と同じ範囲の天気図が表示された! でも、その後ではいつもの狭い画面の天気図も使って解説。狭い天気図が、よほどお好きなようだ。

【2023年4月18日追記・「ニュースこまち」2023年4月の変更点
全国の天気(明日の予報、気温、週間予報)が、県内の天気を伝えた後、最後に移動した。18時58分頃から1分ちょっと程度。
別段、困るわけではないが、ものごころついた時からの全国版→県内版の流れが崩れた。
コメント (9)
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