広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

仮の止まれ

2019-02-21 00:03:12 | 秋田の季節・風景

秋田市内の住宅街などでたまに見られる、ある意味、雪国の冬の風物詩。

雪が多かった頃の撮影

あるいは、

これは雪融け後の別の場所

上2つの住宅地の交差点の写真。ちょっと違和感がありませんか? 左手前の「止まれ」の道路標識に注目。 最初の写真はそもそも背がかなり低い。 2枚目も若干低い(斜め向かいの反対方向に立つ、本来の止まれと比較できます)が、そんなことよりも標識の板が小さい。 そして、どちらも支柱が無塗装の鉄パイプで、地際には緑色の物体がある。
お察しかと思いますが、これは仮設の標識。

 

緑色のものは重石のタンク。水を入れているはず。【3月1日補足・10キロのタンクを2個設置】 全国的には、工事などで本来の標識が隠れるような場合の代用、新設の信号機が稼働する直前に撤去を前提とした規制のためなどに使われる方法のようだ。三脚タイプも存在する。 秋田のこの2か所に仮設止まれが置かれたのは、別の理由。 標識の支柱に、車などがぶつかり、撤去するしかないほど破損してしまった。→立て直さないといけないが、雪が積もっていては工事ができない。→だから仮設した。という流れのはず。

 

止まれ以外の標識(警察管轄だけでなく道路管理者管轄も含めて)がこのように仮設されているのは、見た覚えがない。 標識の内容によっては、なくても大して困らないもの(住宅地の「駐車禁止」とか)もあり、そういうのは本設置までないままにしておくのだろう。止まれはあるべき場所になかったら事故のもとだから、仮設しないわけにはいかない。
すぐに工事できないのは、積雪のほか発注や予算といった、警察の手続き上の成約【22日訂正】制約があるかも。 標識が壊されたのも、雪でスリップしたとか目測を誤ったとか、今年は出動していないけど除雪車の手元が狂ってうっかりといいった、雪に関係するアクシデントが起因することも少なくないだろう。(そんな理由から、ここでは雪国の風物詩とします。)

仮設については上記の通り。では、とても低かったり、標識が小さかったりするのはなぜ?
たぶん、たまたま。 倉庫にストックされていた、仮設用の部品や標識を持ってきたためだと思われる。
この2か所は、低くしたり小さくしたりしなければならない立地ではない。逆に言えば、低かったり小さかったりしても、支障はない。つまり、あり合わせで手近にあったのを使ったのでは。 秋田県警では、標識の裏面に設置した業者と年を示すシールを貼ることになっていて、この仮設標識にもあった。標識の支柱などではなく、標識の板そのものについて示すようだ。低いほうは2009年、小さい2000年とあった。 信号機の仮設では、(老朽化でなく)電線地中化に合わせて区間内の信号機を一斉更新した際など、取り外した信号機でさほど古くないものは、予備用としてストックされる。 同様にこれらの「止まれ」も、きっとどこかである程度設置された経歴を持つはず。 低いほうの止まれは、標識部分はごく一般的なもの。小さい止まれは、あまり見覚えがない。
道路標識のサイズ(寸法)は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」で規定されている。「止まれ」の「一時停止」は、一辺80センチ。 ただし「備考」において「道路の設計速度、道路の形状又は交通の状況により特別の必要がある場合にあっては、図示の寸法の2倍まで拡大し、又は図示の寸法の2分の1まで縮小することができる。」とされていて、大きくも小さくもできる。これはおそらく認められた最小の一辺40センチか。 止まれ以外の標識では、秋田市中心部の仲小路や、新しい道路の自転車歩道通行可を示す標識に採用例がある。止まれの小さいのは、市内の住宅地になぜか1枚(?)だけ設置されているところがある。仲小路にも以前はあったかもしれない。それが地下トンネルかエリアなかいちの工事時に撤去されたものかも(根拠なし)。【21日追記】その住宅地に1枚だけある小さい止まれも、これと同じ年・同じ業者のシールが貼られていた。 住宅地への仮設が「特別の必要がある場合」に該当するかどうかは疑問だけど、まあいいでしょう。

最後に、

こんな「止まれ」も

角度を変えて

支柱が傾いた状態。もっと傾きが少ない状態のものは、秋田ではけっこう見かけるが、これは傾きが大きい。
警察としては、この状態を把握している。なぜなら、警察署の名前入りのコーン(※)が2個置かれているから。 ※一般には「コーン」と呼ぶ三角錐【21日訂正】円錐のものを、警察や警備業界では「パイロン」と呼ぶそうなので、これはパイロン。 ここの場合、運転者の視点では「止まれ」であることをそれなりに認識できるし、通行量は多くない。道路が交わる角度や、建物がないために、見通しもいい。倒れたとしても向きからして通行を支障することはなさそう。
そうした状況から仮設しなくてもいいと判断して、傾いたままで、歩行者や車がこれ以上ぶつからないようパイロンを置いてお茶を濁しているのだろう。 大きな問題はないと思うけれど、万一雪がたくさん積もれば、パイロンが埋もれるなどしてやっかいかも。 【21日追記】この止まれ標識本体は、右上が裏側に向かって折れている。支柱の傾きとは逆方向だから、今回とは別件でひっかけられたと考えられる。通常の秋田県警の対応では、この程度は存置されるが、ここは支柱更新と同時に「STOP」併記の新しいのにされるかもしれない。
春になれば、なのか予算が付けば、もしくは新年度になれば、これらの止まれは本来の姿になることであろう。 秋田県以外の雪国でも、こんな感じなんでしょうか。 ※雪とは関係ないと思われるが、道路管理者(秋田県)管轄のひょっこりと傾いた標識も、傾いたまま。

※その後、3月7日には、仮設の止まれ2つは復旧されていた。標識本体は、どちらもSTOPが入っていない旧タイプ。低い仮設だったほうは、以前は色が薄れていたのでそれとは別のものが設置されたと思われる。本設置も、新品ではなくストックを使ったようだ。この記事にて。 大きく傾いたほうは、【追記・2020年1月27日時点でも】まだそのまま。※2020年2月中頃になって(17日に確認)、やっと修理された

※別の仮設止まれについて、この記事後半。 ※低い止まれ、傾いた止まれのその後などの続きはこちら
※さらに別の仮止まれ、秋田市内の仮設標識総括

コメント (6)
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