5月に第一報をお伝えしたように、秋田駅西口と南東部の雄和・河辺地区(旧雄和町・河辺町)を結ぶ路線バスが、7月1日から運行されている。(厳密に言えば、以前あったバス路線が、路線網の“再再編”によって復活した形)
乗ったわけではないが、ちょっと見てきた様子を遅ればせながらアップします。
※記事中のダイヤや運賃は現地の掲示や公式サイトによるものですが、ご利用の際は各自ご確認願います。
まずは、「横山経由わだ線」。
大川反車庫(秋田営業所)-秋田駅西口-有楽町-牛島橋-牛島東五丁目-二ツ屋下丁-仁井田中丁-仁井田横町-横山-イオンモール秋田-和田駅(河辺にあるJR奥羽本線の駅)
というルート。
二ツ屋下丁までは旧羽州街道(牛島商店街)を通り、国道13号線に出て大野口、仁井田方面と、他の多くの牛島経由の路線と同じルート。
イオンモール止まりだった「横山経由御所野線」を和田駅まで延長したもので、平日4往復、土日祝日2往復。
秋田営業所の中型バスで運行されている模様(他の牛島経由と同じ)。
正面の行き先表示
和田駅を「わだ駅」とひらがな書きするのは、「秋田」と「和田」を間違えないようにだろうか。(だとすれば、このバス会社にしては気が利いている。)
「横山」という経由地は正面には出さないのね。
秋田市中心部側においては、利用者の皆さんは特に新しい路線だと特別視せず、牛島経由の路線の1つとして利用しているようだ。中心部寄りの有楽町や牛島や仁井田で降りる人が多いだろうから。
したがって、特に混雑しているとか、特にガラガラだとかいうような状況ではないと思われる。
※この後、2018年10月でわだ線は廃止された。
一方、「愛宕下橋経由雄和線」は、昨年開通した、南通宮田付近から楢山愛宕下へ抜ける市道を経由するという、今までにない路線。
新しく開通した道路をバスが通るようになる例は、最近はあまりなかった。しかし、これにより定時運行の確保や時間短縮、さらには運賃も安くなるのではないかと期待していた。
経路は、
秋田駅西口-築地下丁-楢山愛宕下-牛島東五丁目-二ツ屋下丁-切上-仁井田横町-四ツ小屋駅前-雄和市民サービスセンター
で、平日下り4本、上り5本、土日祝日は上下3本ずつ運行。
ちなみに、わだ線も雄和線も「仁井田横町」バス停を通るらしいが、両路線で前後のバス停は異なる。国道13号線に出入りする地点が異なるのが理由のようだ(この辺の地理・路線網もよく理解できていません)。【10日追記】旧道側と国道側に別々に「仁井田横町」が存在するようだ。(山王十字路、自衛隊入口、臨海十字路、天徳寺前、すわ町などのように)
秋田駅西口9番乗り場
有楽町・牛島方面のバスは、5番乗り場と9番乗り場(横断すればすぐの位置関係)から発車する。
雄和線、わだ線とも9番から発車。
雄和線も秋田営業所の中型バス
この男鹿水族館の広告バスが雄和線に入っているのを何度か見かけた。ホッキョクグマ「豪太」のデザインは暑い日に見ると、涼しげでいいかも。
後部の行き先表示は「雄和市民センター」。スペース(LEDのドット数)の都合があるとはいえ、これではどこ経由か分からない。9番線の他路線はすべて有楽町・牛島経由なので、これもそうかと誤解されそう。
正面の表示は「愛宕下橋/雄和市民センター」
まあ、分からなくはないが、スペースに余裕があるから、経由地がもう1つ2つ入りそう。「築地」「二ツ屋下丁」とかを入れると、分かりやすく親切に思うのだが。
側面の表示。これには「築地北丁」がある
ここからは、愛宕下橋近辺の新ルートに絞って紹介します。
略図。赤い線が雄和線で、全バス停を表示しています
秋田駅前から既存の有楽町・牛島経由の路線(図中緑の線・途中バス停は省略)と合流するバス停「牛島東五丁目」までで比較してみる。
時間がかなり短縮されており、積雪時なども渋滞に巻き込まれにくいだろう。
運賃が同じなのは意外。
バス運賃ってどうやって決めるのか不透明なところがあるが、経由地が違っても同じバス停どうしなら同料金になる場合が多い(新国道経由と寺内経由、新屋線と新屋西線など)。
でも、この路線の場合、かなり距離が短縮(1キロ近く)されるから、一区間分くらいは安くなるかもと期待していたのだが、そうはならなかった。混乱を生じさせないためや定期券利用者が両路線を利用できるようにとの配慮かもしれないが、バスで250円区間にある、羽越線羽後牛島駅までのJR運賃はわずか140円(初乗り運賃)。
JRに対抗する意味で、安くするのも1つの戦略だと思うけど。
秋田駅前を出たバスは、線路と並行(直接見えないけど)に南へ進む。
明田地下道西交差点を直進し、秋田南中学校の北と南にあるバス停「築地北丁」「築地下丁」を通る。
駅から築地下丁までは、楢山回りの大回り線(平日朝に1本だけ)、小型バスが走る横森・桜経由の桜ガ丘・梨平またはノースアジア大学行きと同じルート。
下り築地北丁のバス停。4方面分の時刻表が入った
この周辺は古くからの住宅地であり、ほかにバス路線がないため、わずかな区間とはいえ秋田駅との間でバスを利用する高齢者などが比較的いる。
雄和線運行開始により、若干ながら乗車機会が増えることになる。
上り(秋田駅行き)築地北丁の時刻表
おおむね1時間に1本運行されるようになったが、時刻が不規則で覚えにくい。土日の梨平始発9時44分と雄和発9時45分が続行しているのがもったいない。
下り築地下丁のバス停
旧秋田市交通局が設置した、内側から蛍光灯が点く“電照式”バス停。
秋田市内ではおそらくここにしかない、薄っぺらで小さなタイプでかわいらしい。
薄い面にも律儀にバス停名を表示してある
秋田では今となっては珍しい、次のバス停名が表示されている。
でも、「次は楢山本町/楢山大元町です」だけ。
築地下丁を過ぎると、横森方面は左折して楢山大元町、大回り線は少し直進して右折して楢山本町というわけだが、ずっと直進する雄和線の分がまだ記載されていない。
昔懐かしい手書き風の表示が消えてしまうのも惜しいし、このバス会社は次のバス停名表示をやりたがらない傾向のようなので、どうなるのか。
ここから先が、完全な新規ルート。
昨年開通した区間に入ると、新しくできたバス停がある。築地下丁から300メートル強の場所。
ピカピカのバス停「築山小学校前」
市立築山小学校にちなむ命名。
というか、築山小学校の正面は、バス路線と直角に交わる細い道に面しており、バス通りには学校の側面が面しているので、「築山小学校“前”」というのはあまりふさわしい命名ではないように思う。
バス停付近。奥が南中・駅方向、左の大きい建物が小学校
上の写真では、右側にはお寺の墓地、左側(小学校の手前)には保育所の「城南園」が少し写っている。
バス停名は「築山小学校入口」とか「城南園前」、所在地から「楢山古川新町」でも良さそう。
運賃は、ここまでが初乗りの160円。
有楽町経由では楢山南中町まで190円、大回り線でも楢山本町まで190円であるのと比べても、安い気がする。本数が多ければ、気軽に使えて便利そうなのに…
そうしていると、愛宕下橋を渡ってY字路交差点を超えて、秋田駅行きのバスがやって来た。
後ろの緑が太平川の桜並木
撮影したのは運行開始間もない頃でもあり、通りかかった他の皆さんも珍しそうにバスを見ていた。(この道路はけっこう歩行者・自転車が多く、役立っているようだ)
バスの車内には、たぶん乗客はなし。駅で見た雄和行きもほとんど乗っていなかったようだ。
駅前から牛島東五丁目・仁井田方面への利用者はかなりいるはずだから、需要はあるのだろうが、路線の存在がまだ知られていないこと、本数が少ないからあえて選んで乗ろうとする人もいないのだろう。今後はどうなるか。
正面の行き先表示は、「愛宕下橋 秋田駅」のようだった。
雄和行きでは経由地を上段に示していたが、こちらは左側に表示していて、統一感がない。それに、駅行きの方が、乗り間違う可能性が高いようにも思えるので、もっと大きくそれこそ「築地」を入れるなどして分かりやすくした方がいいと思う。
駅からのバスは、さらに直進し、愛宕下橋を渡る。
そして以前から開通していた道路と接続するが、ここまでにバス停はない。新規開通区間には築山小前しかバス停がないのだ。住宅が多い一帯だし、もう1つくらいバス停を設けても(例えば「愛宕下橋」とか)よかったのではないだろうか。
次のバス停は、築山小前から500メートルも離れている。
「楢山愛宕下」
上の写真の通り、ポールが錆びているし築山小前とは書体が異なる。これは以前から設置されていたもの。
「愛宕下橋経由」のバスは今までなかったが、「楢山愛宕下」というバス停は、実は前からあったのだ。
上の略図をご覧いただくと、「牛島東一丁目」で分岐する路線があるのがお分かりかと思う。「楢山愛宕下」と次の「牛島東三丁目」は、元はこの路線のためのバス停だったのだ。
これは駅から有楽町・牛島経由で東一丁目まで来て、秋田銀行牛島支店の交差点を左折、さらに右折して金照閣踏切を渡り、城南中学校前を通ってJR車両基地脇の奥羽本線を越えて日赤病院へ向かう「牛島経由日赤病院線(城南中学校経由)」。
つまり、また略図をたどりながらご覧いただきたいが、秋田駅から来た場合、
日赤病院行きでは牛島東三丁目→楢山愛宕下の順、雄和行きでは楢山愛宕下→牛島東三丁目の順で通過することになり、この2つのバス停では路線によって上り下りが逆転することになる。
楢山愛宕下の時刻表
上の写真は、何と言ったらいいか、通りの東側に立つバス停のもので、上段の日赤病院線(「城南経由」とある)は秋田駅行きの上り、下段の雄和線は雄和行きの下りの時刻表がそれぞれ掲出されている。
城南中学校経由は、平日4本、土日祝日2本運行されているので、雄和線とほぼ同じ。
結局、こうするしかないわけだが、分かりにくい。
平日の7時台と16時台には、秋田駅行きの両路線が5分前後の間隔で通過しており、秋田駅に行こうとする人は、とっさにどっち側に立って待てばいいのか戸惑いそうだ。慌てて道路を横断して事故になったりしなねないし。
秋田駅行きは両側のバス停に両方分の時刻を掲出(「こちらは向かい側でお待ちください」とか書いて)すれば親切かもしれないが、かえってややこしくなるかもしれない。難しい。
両側のバス停に(経由が違うけど)同じ行き先のバスが通る例としては、環状線は別として秋田市内ではこの近くの「秋田南高校前」がある。(旧道経由の「大住・みなみ野団地線」と国道経由の「柳原経由御野場団地線」)
秋田ではほかにはあまり思い浮かばないが、昨年行った鹿児島県庁前のバス停もそうで、行ったり来たりして悩んでしまったものだった。
楢山愛宕下から300メートルほど進むと、「牛島東三丁目」。
先方に秋田銀行牛島支店が見える。さらに先で国道を潜って羽後牛島駅前へ至る
雄和行きのバスは、銀行前の交差点で羽州街道へ左折して牛島経由各路線と合流、羽州街道踏切を渡って「牛島東五丁目」バス停へ。
運賃は、築山小前まで初乗りの160円だったのに、次の楢山愛宕下では250円と、一挙に90円も値上がりする。(以後、牛島東五丁目まで250円)
街中の路線でこんなに急激に値が上がるのも珍しい。
上記の通り、いちおう並走する形にして運賃をそろえているのであろう、有楽町・牛島経由では、160円と250円の間に190円の区間(楢山広小路・楢山南中町)があるが、こちらはその分をはしょった強引な運賃設定のような気もしなくもない(上記の通り、混乱防止や定期利用者の便宜もあるだろうけど)
ところで、城南中経由日赤病院線と運賃を比較しようと、公式サイトで検索すると、現在のデータでは、(牛島橋から)牛島東三丁目、楢山愛宕下、(踏切を渡って)金照寺山公園東入口まで250円。
つまり、楢山愛宕下と牛島東三丁目では、どちらに乗っても駅までは同額。
だが、運行開始直後の7月6日頃に僕が検索した際は、牛島東三丁目までは250円で、楢山愛宕下からは290円と、金額が異なっていた。(愛宕下からは雄和線の方が40円安いことになる)
僕の見間違えか、サイトのデータのミスなのか…
駅から所要時間は楢山愛宕下まで雄和線で6分、日赤病院線で15分、牛島東三丁目まではそれぞれ7分と14分で、倍くらいの差があって、愛宕下橋経由雄和線が優位。(見るからに近道だから当然)
この点をもっと前面に押し出して利用者を増やせないだろうか。
考えてみれば、なぜ雄和線だけを愛宕下橋経由にしたのか分からない。遠方まで行く路線を少しでも時間短縮するためかもしれないが、だったらわだ線や御所野方面の他路線でもいい。いや、近場の大住や大野、御野場方面の路線だって、早く着くに越したことはないから、それらの一部だけでも愛宕下橋経由にするとか、いろいろ考えられると思う。
利用者の意向も聞いて、改善していくべきだと思う。
※この後、雄和線が徐々に減便され、2019年3月で廃止された。代替として二ツ屋福島線が1往復だけ通るようになったが、それも2022年9月で廃止。愛宕下橋を渡るバスは11年でなくなってしまった。
最後に、バス関連の話題として、
以前、秋田市が「秋田らしさ」をイメージさせるデザインを市民から募集し、バスの車体広告として走らせる事業を今年度に行うことを少し紹介した。
募集・審査が行われ、77作品の中から6作品が優秀作品として選定されたとのこと。明日、表彰式が行われ、10月から運行される。
秋田市交通政策課のサイトに、優秀作品の粗い画像が出ているが、なかなかきれいなデザインに見える。
バスの車体に描いた(実際には貼るわけですが)時、どう見えるかは別問題だろう(バス会社の人も審査員に入っており、その点も考慮して選考したとは思うが)し、車体の片面だけっていうのもどうなのか(後部は?)。10月を楽しみに待ちたい。
乗ったわけではないが、ちょっと見てきた様子を遅ればせながらアップします。
※記事中のダイヤや運賃は現地の掲示や公式サイトによるものですが、ご利用の際は各自ご確認願います。
まずは、「横山経由わだ線」。
大川反車庫(秋田営業所)-秋田駅西口-有楽町-牛島橋-牛島東五丁目-二ツ屋下丁-仁井田中丁-仁井田横町-横山-イオンモール秋田-和田駅(河辺にあるJR奥羽本線の駅)
というルート。
二ツ屋下丁までは旧羽州街道(牛島商店街)を通り、国道13号線に出て大野口、仁井田方面と、他の多くの牛島経由の路線と同じルート。
イオンモール止まりだった「横山経由御所野線」を和田駅まで延長したもので、平日4往復、土日祝日2往復。
秋田営業所の中型バスで運行されている模様(他の牛島経由と同じ)。

和田駅を「わだ駅」とひらがな書きするのは、「秋田」と「和田」を間違えないようにだろうか。(だとすれば、このバス会社にしては気が利いている。)
「横山」という経由地は正面には出さないのね。
秋田市中心部側においては、利用者の皆さんは特に新しい路線だと特別視せず、牛島経由の路線の1つとして利用しているようだ。中心部寄りの有楽町や牛島や仁井田で降りる人が多いだろうから。
したがって、特に混雑しているとか、特にガラガラだとかいうような状況ではないと思われる。
※この後、2018年10月でわだ線は廃止された。
一方、「愛宕下橋経由雄和線」は、昨年開通した、南通宮田付近から楢山愛宕下へ抜ける市道を経由するという、今までにない路線。
新しく開通した道路をバスが通るようになる例は、最近はあまりなかった。しかし、これにより定時運行の確保や時間短縮、さらには運賃も安くなるのではないかと期待していた。
経路は、
秋田駅西口-築地下丁-楢山愛宕下-牛島東五丁目-二ツ屋下丁-切上-仁井田横町-四ツ小屋駅前-雄和市民サービスセンター
で、平日下り4本、上り5本、土日祝日は上下3本ずつ運行。
ちなみに、わだ線も雄和線も「仁井田横町」バス停を通るらしいが、両路線で前後のバス停は異なる。

有楽町・牛島方面のバスは、5番乗り場と9番乗り場(横断すればすぐの位置関係)から発車する。
雄和線、わだ線とも9番から発車。

この男鹿水族館の広告バスが雄和線に入っているのを何度か見かけた。ホッキョクグマ「豪太」のデザインは暑い日に見ると、涼しげでいいかも。
後部の行き先表示は「雄和市民センター」。スペース(LEDのドット数)の都合があるとはいえ、これではどこ経由か分からない。9番線の他路線はすべて有楽町・牛島経由なので、これもそうかと誤解されそう。

まあ、分からなくはないが、スペースに余裕があるから、経由地がもう1つ2つ入りそう。「築地」「二ツ屋下丁」とかを入れると、分かりやすく親切に思うのだが。

ここからは、愛宕下橋近辺の新ルートに絞って紹介します。

秋田駅前から既存の有楽町・牛島経由の路線(図中緑の線・途中バス停は省略)と合流するバス停「牛島東五丁目」までで比較してみる。
途中バス停の数 有楽町経由:10、愛宕下橋経由:6
所要時間 有楽町経由:14分、愛宕下橋経由:9分
運賃 どちらも250円
といったところ。所要時間 有楽町経由:14分、愛宕下橋経由:9分
運賃 どちらも250円
時間がかなり短縮されており、積雪時なども渋滞に巻き込まれにくいだろう。
運賃が同じなのは意外。
バス運賃ってどうやって決めるのか不透明なところがあるが、経由地が違っても同じバス停どうしなら同料金になる場合が多い(新国道経由と寺内経由、新屋線と新屋西線など)。
でも、この路線の場合、かなり距離が短縮(1キロ近く)されるから、一区間分くらいは安くなるかもと期待していたのだが、そうはならなかった。混乱を生じさせないためや定期券利用者が両路線を利用できるようにとの配慮かもしれないが、バスで250円区間にある、羽越線羽後牛島駅までのJR運賃はわずか140円(初乗り運賃)。
JRに対抗する意味で、安くするのも1つの戦略だと思うけど。
秋田駅前を出たバスは、線路と並行(直接見えないけど)に南へ進む。
明田地下道西交差点を直進し、秋田南中学校の北と南にあるバス停「築地北丁」「築地下丁」を通る。
駅から築地下丁までは、楢山回りの大回り線(平日朝に1本だけ)、小型バスが走る横森・桜経由の桜ガ丘・梨平またはノースアジア大学行きと同じルート。

この周辺は古くからの住宅地であり、ほかにバス路線がないため、わずかな区間とはいえ秋田駅との間でバスを利用する高齢者などが比較的いる。
雄和線運行開始により、若干ながら乗車機会が増えることになる。

おおむね1時間に1本運行されるようになったが、時刻が不規則で覚えにくい。土日の梨平始発9時44分と雄和発9時45分が続行しているのがもったいない。

旧秋田市交通局が設置した、内側から蛍光灯が点く“電照式”バス停。
秋田市内ではおそらくここにしかない、薄っぺらで小さなタイプでかわいらしい。

秋田では今となっては珍しい、次のバス停名が表示されている。
でも、「次は楢山本町/楢山大元町です」だけ。
築地下丁を過ぎると、横森方面は左折して楢山大元町、大回り線は少し直進して右折して楢山本町というわけだが、ずっと直進する雄和線の分がまだ記載されていない。
昔懐かしい手書き風の表示が消えてしまうのも惜しいし、このバス会社は次のバス停名表示をやりたがらない傾向のようなので、どうなるのか。
ここから先が、完全な新規ルート。
昨年開通した区間に入ると、新しくできたバス停がある。築地下丁から300メートル強の場所。


市立築山小学校にちなむ命名。
「築地」と「楢山」にあった学校が合併してできた学校なので、1文字ずつ取った校名らしいが、なぜか「ちくざん」と読む。知らない人は「つきやま」と読んでしまうだろう。
昔は、NHKの学校放送で、学期末に「おたより特集」があり、全国の子どもたちからのメッセージなどを紹介していた。たしかチョーさんの「たんけんぼくのまち」だったと思うが、それに築山小学校がお便りを送って紹介された(校名だけ程度か)ことがあった。
残念ながらチョーさん(だったはず)は「秋田市立つきやま小学校のみんな、ありがとう!」などと話していて、テレビの前の築山小児童のがっかりした顔が浮かんで同情したものだ。という余談。
昔は、NHKの学校放送で、学期末に「おたより特集」があり、全国の子どもたちからのメッセージなどを紹介していた。たしかチョーさんの「たんけんぼくのまち」だったと思うが、それに築山小学校がお便りを送って紹介された(校名だけ程度か)ことがあった。
残念ながらチョーさん(だったはず)は「秋田市立つきやま小学校のみんな、ありがとう!」などと話していて、テレビの前の築山小児童のがっかりした顔が浮かんで同情したものだ。という余談。
というか、築山小学校の正面は、バス路線と直角に交わる細い道に面しており、バス通りには学校の側面が面しているので、「築山小学校“前”」というのはあまりふさわしい命名ではないように思う。

上の写真では、右側にはお寺の墓地、左側(小学校の手前)には保育所の「城南園」が少し写っている。
バス停名は「築山小学校入口」とか「城南園前」、所在地から「楢山古川新町」でも良さそう。
運賃は、ここまでが初乗りの160円。
有楽町経由では楢山南中町まで190円、大回り線でも楢山本町まで190円であるのと比べても、安い気がする。本数が多ければ、気軽に使えて便利そうなのに…
そうしていると、愛宕下橋を渡ってY字路交差点を超えて、秋田駅行きのバスがやって来た。

撮影したのは運行開始間もない頃でもあり、通りかかった他の皆さんも珍しそうにバスを見ていた。(この道路はけっこう歩行者・自転車が多く、役立っているようだ)
バスの車内には、たぶん乗客はなし。駅で見た雄和行きもほとんど乗っていなかったようだ。
駅前から牛島東五丁目・仁井田方面への利用者はかなりいるはずだから、需要はあるのだろうが、路線の存在がまだ知られていないこと、本数が少ないからあえて選んで乗ろうとする人もいないのだろう。今後はどうなるか。
正面の行き先表示は、「愛宕下橋 秋田駅」のようだった。
雄和行きでは経由地を上段に示していたが、こちらは左側に表示していて、統一感がない。それに、駅行きの方が、乗り間違う可能性が高いようにも思えるので、もっと大きくそれこそ「築地」を入れるなどして分かりやすくした方がいいと思う。
駅からのバスは、さらに直進し、愛宕下橋を渡る。
そして以前から開通していた道路と接続するが、ここまでにバス停はない。新規開通区間には築山小前しかバス停がないのだ。住宅が多い一帯だし、もう1つくらいバス停を設けても(例えば「愛宕下橋」とか)よかったのではないだろうか。
次のバス停は、築山小前から500メートルも離れている。

上の写真の通り、ポールが錆びているし築山小前とは書体が異なる。これは以前から設置されていたもの。
「愛宕下橋経由」のバスは今までなかったが、「楢山愛宕下」というバス停は、実は前からあったのだ。
上の略図をご覧いただくと、「牛島東一丁目」で分岐する路線があるのがお分かりかと思う。「楢山愛宕下」と次の「牛島東三丁目」は、元はこの路線のためのバス停だったのだ。
これは駅から有楽町・牛島経由で東一丁目まで来て、秋田銀行牛島支店の交差点を左折、さらに右折して金照閣踏切を渡り、城南中学校前を通ってJR車両基地脇の奥羽本線を越えて日赤病院へ向かう「牛島経由日赤病院線(城南中学校経由)」。
他に牛島小学校経由(牛島東五丁目を過ぎて左折する)もあり、元は市営バスの路線で、かつては「上北手線」の「荒巻経由古野(この)行き」だった。1998年に秋田赤十字病院が経路近くに移転したため、病院を経由するようになり、さらに郊外部の路線再編で病院止まりに短縮された経緯がある。
市営バス時代のうち1990年代頃までは、城南中学校経由はさらに手前の「新屋敷小路」通過後に左折してとても狭い道を通って金照閣踏切に出ていた。(先日の三皇熊野神社のお祭りの時の迂回路)というのも余談でした。
市営バス時代のうち1990年代頃までは、城南中学校経由はさらに手前の「新屋敷小路」通過後に左折してとても狭い道を通って金照閣踏切に出ていた。(先日の三皇熊野神社のお祭りの時の迂回路)というのも余談でした。
つまり、また略図をたどりながらご覧いただきたいが、秋田駅から来た場合、
日赤病院行きでは牛島東三丁目→楢山愛宕下の順、雄和行きでは楢山愛宕下→牛島東三丁目の順で通過することになり、この2つのバス停では路線によって上り下りが逆転することになる。

上の写真は、何と言ったらいいか、通りの東側に立つバス停のもので、上段の日赤病院線(「城南経由」とある)は秋田駅行きの上り、下段の雄和線は雄和行きの下りの時刻表がそれぞれ掲出されている。
城南中学校経由は、平日4本、土日祝日2本運行されているので、雄和線とほぼ同じ。
結局、こうするしかないわけだが、分かりにくい。
平日の7時台と16時台には、秋田駅行きの両路線が5分前後の間隔で通過しており、秋田駅に行こうとする人は、とっさにどっち側に立って待てばいいのか戸惑いそうだ。慌てて道路を横断して事故になったりしなねないし。
秋田駅行きは両側のバス停に両方分の時刻を掲出(「こちらは向かい側でお待ちください」とか書いて)すれば親切かもしれないが、かえってややこしくなるかもしれない。難しい。
両側のバス停に(経由が違うけど)同じ行き先のバスが通る例としては、環状線は別として秋田市内ではこの近くの「秋田南高校前」がある。(旧道経由の「大住・みなみ野団地線」と国道経由の「柳原経由御野場団地線」)
秋田ではほかにはあまり思い浮かばないが、昨年行った鹿児島県庁前のバス停もそうで、行ったり来たりして悩んでしまったものだった。
楢山愛宕下から300メートルほど進むと、「牛島東三丁目」。

雄和行きのバスは、銀行前の交差点で羽州街道へ左折して牛島経由各路線と合流、羽州街道踏切を渡って「牛島東五丁目」バス停へ。
運賃は、築山小前まで初乗りの160円だったのに、次の楢山愛宕下では250円と、一挙に90円も値上がりする。(以後、牛島東五丁目まで250円)
街中の路線でこんなに急激に値が上がるのも珍しい。
上記の通り、いちおう並走する形にして運賃をそろえているのであろう、有楽町・牛島経由では、160円と250円の間に190円の区間(楢山広小路・楢山南中町)があるが、こちらはその分をはしょった強引な運賃設定のような気もしなくもない(上記の通り、混乱防止や定期利用者の便宜もあるだろうけど)
ところで、城南中経由日赤病院線と運賃を比較しようと、公式サイトで検索すると、現在のデータでは、(牛島橋から)牛島東三丁目、楢山愛宕下、(踏切を渡って)金照寺山公園東入口まで250円。
つまり、楢山愛宕下と牛島東三丁目では、どちらに乗っても駅までは同額。
だが、運行開始直後の7月6日頃に僕が検索した際は、牛島東三丁目までは250円で、楢山愛宕下からは290円と、金額が異なっていた。(愛宕下からは雄和線の方が40円安いことになる)
僕の見間違えか、サイトのデータのミスなのか…
駅から所要時間は楢山愛宕下まで雄和線で6分、日赤病院線で15分、牛島東三丁目まではそれぞれ7分と14分で、倍くらいの差があって、愛宕下橋経由雄和線が優位。(見るからに近道だから当然)
この点をもっと前面に押し出して利用者を増やせないだろうか。
考えてみれば、なぜ雄和線だけを愛宕下橋経由にしたのか分からない。遠方まで行く路線を少しでも時間短縮するためかもしれないが、だったらわだ線や御所野方面の他路線でもいい。いや、近場の大住や大野、御野場方面の路線だって、早く着くに越したことはないから、それらの一部だけでも愛宕下橋経由にするとか、いろいろ考えられると思う。
利用者の意向も聞いて、改善していくべきだと思う。
※この後、雄和線が徐々に減便され、2019年3月で廃止された。代替として二ツ屋福島線が1往復だけ通るようになったが、それも2022年9月で廃止。愛宕下橋を渡るバスは11年でなくなってしまった。
最後に、バス関連の話題として、
以前、秋田市が「秋田らしさ」をイメージさせるデザインを市民から募集し、バスの車体広告として走らせる事業を今年度に行うことを少し紹介した。
募集・審査が行われ、77作品の中から6作品が優秀作品として選定されたとのこと。明日、表彰式が行われ、10月から運行される。
秋田市交通政策課のサイトに、優秀作品の粗い画像が出ているが、なかなかきれいなデザインに見える。
バスの車体に描いた(実際には貼るわけですが)時、どう見えるかは別問題だろう(バス会社の人も審査員に入っており、その点も考慮して選考したとは思うが)し、車体の片面だけっていうのもどうなのか(後部は?)。10月を楽しみに待ちたい。