※竿燈まつりの話題は明日以降にアップしますのでお待ちください。
今週、秋田市内のとある公立学校の前を通ると、敷地の隅の一角に「立入禁止」の黄色いテープが張られていた。
テープと既存の柵・生垣で囲われているので、立ち入りできない空間ができている形。
夏休み中に工事をしていてその資材でも置いてあるのかと思ったがそうではなく、立入禁止の場所には、ベゴニアが植わったプランターがびっしりと並べられている。写真で数えたら70~80台以上はあるようだ。

学校の子どもたちが行事で植えたプランターだと思われる。
秋田のローカルニュースをご覧になっている方はピンと来たかもしれない。
(確認したわけでないが)これはおそらく、秋田県内で販売された県外産腐葉土から、震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性セシウムが検出された一件が関係しているに違いない。
状況を整理すると、(以下、個人でまとめたもので、誤認があるかもしれません)
冒頭で紹介した写真の学校は、許容量を超過した3校ではないばかりか、秋田県が公表している資料中の検査が行われた学校の一覧にも載っていない。
どういうことなんだろう?
花が咲き誇っているプランターを集めて立ち入り禁止にするということは通常では考えられず、これ以外に理由は思いつかない。
県は、全学校に対して購入したかどうかの回答を求め、該当した全学校で測定を行ってその結果を公表しているのだと思っているのだが、違うのだろうか。
というわけで若干の疑問は残るが、仮に問題の土を使っていたとしても、プランターから黄色いテープまでは2メートル以上は離れているので、空間放射線量は問題ないレベルに達しているはずだし、1日中そばにずっといる人などいないから、これで問題ないと考えられる。
個人的には、雨ざらしなので雨水とともにプランターの外に放射性物質が流出し、周囲の土壌を汚染してしまうのではないかと心配になったが、聞きかじった限りでは、セシウムは土に残留するかわずかに植物体内に取り込まれる性質なので流出しにくく、その点はあまり問題ではないようだ。ただし、ごくごくわずかにプランターの外に流出する可能性もあると思われ、子どもたちが触れる可能性のある学校の敷地内なので、プランター撤去後にこの場所の放射線量を測定する必要がもしかしたらあるようにも思う。(個人的見解です)
以上のように、問題ないと考えられるレベルであると言っても、子ども(の保護者)や近隣住民にとっては、不安を感じてしまうのかもしれない(実際にはどうか分かりません)。
僕も、この現場を見たとき、理屈でなく感情として「うわっ…」と重苦しい衝撃を受けてしまった。
秋田では幸いにして、風向きや地形のおかげか、原発から直接飛来した放射性物質は少なかった。(個人的見解です)
しかし、こうして二次的というか知らぬ間に放射性物質で汚染されたものが運び込まれてしまうことがある。ほかには、
・汚染された稲わらが肉牛のえさとして流通
・汚染されたゴミ焼却灰が大館市や小坂町の最終処分場へ搬入されて埋め立てられそうになった
という事例があった。
いずれにしても、国が情報を小出しにしているのが最大の原因。(ゴミ焼却灰は、排出した千葉県の自治体と引き受けた秋田の処理会社の間での意思疎通が不徹底だったことも原因のようだが)
腐葉土の問題だって、発生から4か月も経ってから、しかも秋田県民の通報により秋田県が調査したことによって明らかになった。(←秋田県のお手柄です)
もし、秋田県(でなくてもどこかの自治体)が気づかなかったら、国はずっと隠しておくつもりだったのだろうか。
ところで、政治的なことや特定の個人を悪く言いたくはないのだが、秋田市を含む衆議院秋田1区選出の某ミンシュ党議員。前秋田県知事の息子(その知事も今は参議院議員)で、事業仕分けでがんばって、カンさんのお気に入りらしい。
この人は秋田市中心部に事務所を構えており、我が家にも活動報告書みたいなのが先々週あたりに投函された。ざっと見たら、「カン総理の震災対応の遅れが批判されているが、水素爆発直後に作業員を撤退させずに注水を続けたからこの程度の被害で済んだ。その首相の判断(リーダーシップとか書いていたか?)があったからこそ最悪の事態にならなかった」みたいなくだりがあった。(正確な言い回しではありません。それ以外の項目では反省もしているみたいだが)
元の文章の内容からして僕にはよく理解できなかったので誤解しているのかもしれないが、この人は、カンさんが批判されているのは、原発事故発生直後の対応の遅さだと思っているのだろうか。
多くの国民はそうではないと思う。
上記の通り、汚染された稲わらや土が流通していることが何か月も経ってから公になり、それから重い腰を上げるように基準値を定めたり対処に追われているような状況を指して、遅いと言っているのが大部分ではないだろうか。出荷停止になった農家や観光関連への補償も遅れているというし。国民は必要以上に不安感・不信感を与えられ、無駄な労力を費やさせられていることに怒っているはず。
この調子では、国民の思いや暮らしぶりを政治家に理解してもらうことは永遠にないのだろう。
お花が立入禁止になるとは切ない
最後に、原発事故や汚染とは話がそれるが、秋田には稲わらも腐葉土の原料の落ち葉も豊富にあるのに、それらをわざわざ県外から運んでいるという事実には驚いた。
稲わらについては県内産で乾燥したものは入手しにくいのが理由だそうだし、腐葉土についても秋田には杉が多いから純粋な広葉樹の落ち葉は手に入れにくいのかもしれない(栃木では別荘地の庭で収集するのだとか)し、そもそも腐葉土製造業者が秋田にはないのかもしれない(栃木は「鹿沼土」など古くから園芸用土の産地として有名)。
一方で、ゴミを燃やした灰が、関東から秋田まで運ばれて最終処分されているのも知らなかった。
地産地消と言うけれど、その地域内で完全に完結させるのは無理なのだろうし、鎖国(鎖県?)じゃあるまいし地域どうしで持ちつ持たれつの関係も必要だと思うが、日ごろから、どことどんなつながりがあるのかということを認識しておいた方がいいのかもしれない。
いろいろなことについて、我々は無関心すぎたみたいだ。
今週、秋田市内のとある公立学校の前を通ると、敷地の隅の一角に「立入禁止」の黄色いテープが張られていた。
テープと既存の柵・生垣で囲われているので、立ち入りできない空間ができている形。
夏休み中に工事をしていてその資材でも置いてあるのかと思ったがそうではなく、立入禁止の場所には、ベゴニアが植わったプランターがびっしりと並べられている。写真で数えたら70~80台以上はあるようだ。

学校の子どもたちが行事で植えたプランターだと思われる。
秋田のローカルニュースをご覧になっている方はピンと来たかもしれない。
(確認したわけでないが)これはおそらく、秋田県内で販売された県外産腐葉土から、震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性セシウムが検出された一件が関係しているに違いない。
状況を整理すると、(以下、個人でまとめたもので、誤認があるかもしれません)
発端は7月25日の秋田県の発表。県内のホームセンターで売られていた栃木県産の腐葉土から高濃度の放射性セシウムが検出され、県が販売自粛を申し入れたことが発表された。(腐葉土を購入した県民が自分で測定して高濃度だったので、県に通報したのがきっかけらしい)
その後、7道県に同じ製品が流通していたことが分かり、製造元がリコールを行っているようだ。
秋田県内では、栃木県産の腐葉土など(最初に分かったホームセンター以外からも含めて)を花壇などに使用するために購入していた学校・幼稚園・保育所が61施設あることが判明し、今週、それぞれの放射性セシウムの濃度(単位:ベクレル/kg)や空間放射線量(単位:マイクロシーベルト/時)の測定が行われた。また、国は肥料などの放射性物質濃度の基準(暫定許容値・400ベクレル/kg)を定めた。
その結果、秋田市内の小学校と中学校1校ずつで、腐葉土や培養土(=「(混ぜずに)そのまま使える花の土」的な商品だと思われる)から許容量の2.4倍と5倍の放射性セシウムを検出した。
その2校と秋田市の別の小学校1校の計3校では、土のすぐそばでは、他の場所よりわずかに高い空間放射線量(0.08~0.17マイクロシーベルト/時)を検出したものの、1メートル離れると一般的な値(0.06マイクロシーベルト/時前後)となった。
現状では、各施設で人が近づかないように保管し、処理方法について県から国へ照会して回答を待っている段階。
といった状況。その後、7道県に同じ製品が流通していたことが分かり、製造元がリコールを行っているようだ。
秋田県内では、栃木県産の腐葉土など(最初に分かったホームセンター以外からも含めて)を花壇などに使用するために購入していた学校・幼稚園・保育所が61施設あることが判明し、今週、それぞれの放射性セシウムの濃度(単位:ベクレル/kg)や空間放射線量(単位:マイクロシーベルト/時)の測定が行われた。また、国は肥料などの放射性物質濃度の基準(暫定許容値・400ベクレル/kg)を定めた。
その結果、秋田市内の小学校と中学校1校ずつで、腐葉土や培養土(=「(混ぜずに)そのまま使える花の土」的な商品だと思われる)から許容量の2.4倍と5倍の放射性セシウムを検出した。
その2校と秋田市の別の小学校1校の計3校では、土のすぐそばでは、他の場所よりわずかに高い空間放射線量(0.08~0.17マイクロシーベルト/時)を検出したものの、1メートル離れると一般的な値(0.06マイクロシーベルト/時前後)となった。
現状では、各施設で人が近づかないように保管し、処理方法について県から国へ照会して回答を待っている段階。
冒頭で紹介した写真の学校は、許容量を超過した3校ではないばかりか、秋田県が公表している資料中の検査が行われた学校の一覧にも載っていない。
どういうことなんだろう?
花が咲き誇っているプランターを集めて立ち入り禁止にするということは通常では考えられず、これ以外に理由は思いつかない。
県は、全学校に対して購入したかどうかの回答を求め、該当した全学校で測定を行ってその結果を公表しているのだと思っているのだが、違うのだろうか。
というわけで若干の疑問は残るが、仮に問題の土を使っていたとしても、プランターから黄色いテープまでは2メートル以上は離れているので、空間放射線量は問題ないレベルに達しているはずだし、1日中そばにずっといる人などいないから、これで問題ないと考えられる。
個人的には、雨ざらしなので雨水とともにプランターの外に放射性物質が流出し、周囲の土壌を汚染してしまうのではないかと心配になったが、聞きかじった限りでは、セシウムは土に残留するかわずかに植物体内に取り込まれる性質なので流出しにくく、その点はあまり問題ではないようだ。ただし、ごくごくわずかにプランターの外に流出する可能性もあると思われ、子どもたちが触れる可能性のある学校の敷地内なので、プランター撤去後にこの場所の放射線量を測定する必要がもしかしたらあるようにも思う。(個人的見解です)
以上のように、問題ないと考えられるレベルであると言っても、子ども(の保護者)や近隣住民にとっては、不安を感じてしまうのかもしれない(実際にはどうか分かりません)。
僕も、この現場を見たとき、理屈でなく感情として「うわっ…」と重苦しい衝撃を受けてしまった。
秋田では幸いにして、風向きや地形のおかげか、原発から直接飛来した放射性物質は少なかった。(個人的見解です)
しかし、こうして二次的というか知らぬ間に放射性物質で汚染されたものが運び込まれてしまうことがある。ほかには、
・汚染された稲わらが肉牛のえさとして流通
・汚染されたゴミ焼却灰が大館市や小坂町の最終処分場へ搬入されて埋め立てられそうになった
という事例があった。
いずれにしても、国が情報を小出しにしているのが最大の原因。(ゴミ焼却灰は、排出した千葉県の自治体と引き受けた秋田の処理会社の間での意思疎通が不徹底だったことも原因のようだが)
腐葉土の問題だって、発生から4か月も経ってから、しかも秋田県民の通報により秋田県が調査したことによって明らかになった。(←秋田県のお手柄です)
もし、秋田県(でなくてもどこかの自治体)が気づかなかったら、国はずっと隠しておくつもりだったのだろうか。
ところで、政治的なことや特定の個人を悪く言いたくはないのだが、秋田市を含む衆議院秋田1区選出の某ミンシュ党議員。前秋田県知事の息子(その知事も今は参議院議員)で、事業仕分けでがんばって、カンさんのお気に入りらしい。
この人は秋田市中心部に事務所を構えており、我が家にも活動報告書みたいなのが先々週あたりに投函された。ざっと見たら、「カン総理の震災対応の遅れが批判されているが、水素爆発直後に作業員を撤退させずに注水を続けたからこの程度の被害で済んだ。その首相の判断(リーダーシップとか書いていたか?)があったからこそ最悪の事態にならなかった」みたいなくだりがあった。(正確な言い回しではありません。それ以外の項目では反省もしているみたいだが)
元の文章の内容からして僕にはよく理解できなかったので誤解しているのかもしれないが、この人は、カンさんが批判されているのは、原発事故発生直後の対応の遅さだと思っているのだろうか。
多くの国民はそうではないと思う。
上記の通り、汚染された稲わらや土が流通していることが何か月も経ってから公になり、それから重い腰を上げるように基準値を定めたり対処に追われているような状況を指して、遅いと言っているのが大部分ではないだろうか。出荷停止になった農家や観光関連への補償も遅れているというし。国民は必要以上に不安感・不信感を与えられ、無駄な労力を費やさせられていることに怒っているはず。
この調子では、国民の思いや暮らしぶりを政治家に理解してもらうことは永遠にないのだろう。

最後に、原発事故や汚染とは話がそれるが、秋田には稲わらも腐葉土の原料の落ち葉も豊富にあるのに、それらをわざわざ県外から運んでいるという事実には驚いた。
稲わらについては県内産で乾燥したものは入手しにくいのが理由だそうだし、腐葉土についても秋田には杉が多いから純粋な広葉樹の落ち葉は手に入れにくいのかもしれない(栃木では別荘地の庭で収集するのだとか)し、そもそも腐葉土製造業者が秋田にはないのかもしれない(栃木は「鹿沼土」など古くから園芸用土の産地として有名)。
一方で、ゴミを燃やした灰が、関東から秋田まで運ばれて最終処分されているのも知らなかった。
地産地消と言うけれど、その地域内で完全に完結させるのは無理なのだろうし、鎖国(鎖県?)じゃあるまいし地域どうしで持ちつ持たれつの関係も必要だと思うが、日ごろから、どことどんなつながりがあるのかということを認識しておいた方がいいのかもしれない。
いろいろなことについて、我々は無関心すぎたみたいだ。