新青森駅の中を見た後、新幹線に乗った。
※この記事の内容は津軽地方のことではありませんが、便宜上「津軽のいろいろ」カテゴリーにします。
※駅構内は節電のため、屋外は天候のため、写真が暗く写っています。
今回の目的地(というほど目的もなく、行ったことのない街で安い宿があったから)は青森県東部の十和田市。
「東北ローカル線パス」というきっぷを使っていたので、それが使用できる第3セクター鉄道「青い森鉄道」と私鉄「十和田観光電鉄」を三沢駅で乗り継いで行くつもりだったが、新幹線開業や震災による乗客減に伴い十和田観光電鉄のダイヤが減便されているのを知らずに計画を立てていたことに、直前になって気づいた。(後日別記事にしますが、この点では、新幹線開業に伴う悪い影響と言える)
それだとあまりにも待ち時間が長くなってしまうので、別払いになるが新青森から東北新幹線で1駅の七戸十和田まで乗って、そこからバスで十和田市へ入ることにした。(実は新幹線に乗りたいとも思っていたので、腹案としては計画していたのですが)
七戸十和田駅に停車する新幹線は「はやて」のうち約半分で、おおむね2時間に1本。
乗車券と特急券で1660円
「こまち」と同じく「はやて」も全席指定なので、自由席の代替として、自由席特急料金に相当する額で指定席の空席に座ることのできる「特定特急券」制度がある。
しかも、ミニ新幹線と違い、フル規格の新幹線では、隣り合う駅どうしだけを乗車する場合は、自由席(または特定)料金が低額(この区間では840円)に設定されているので、思ったほど高くない。
30分ほど前に速達列車の「はやぶさ」が出た次の「はやて」に乗ったが、末端区間の始発駅にしては思ったよりもお客がいた。
「大人の休日倶楽部パス」利用と思われるご年配の夫婦が多く、ほとんどの皆さんがお土産と駅弁を持っている。同パスではやぶさに乗るには追加料金が必要なので、はやてを利用したのだろう。
2人掛けはほとんど埋まり、3人掛けも窓側は8割方埋まっていたが、なんとか窓際に座れた。
(特定特急券利用者は自分の席に後から指定券を持った人が来ないかと、発車するまで落ち着かないんだよね…)
車両は何度か乗っているE2系電車10両編成なので、特に目新しくもない。
僕自身があまり青森市に縁がないからか、最北端の新幹線駅である新青森駅から発車しても、さほど感動はなかった。
フジテレビの堺さん(元アナウンサー)による自動放送も他の列車と変わらず。
盛岡で「こまち」と連結する旨がアナウンスされたが、そのこまちははやての青森発車より30分前に秋田を発車していて、既に大曲付近を走行中のはず。そう思うと、ミニ新幹線の遅さというかフル規格の速さを見せ付けられる。
そうこうしているうちに、左側の視界が開けた。
家並みの向こうに見える山並みは津軽半島だろうか?
そして、青森駅近くにある、
アスパムと青森ベイブリッジが見える!
わずかな時間だったが、遠くに青森市街が見えたのだった。従来は考えられなかったであろうアングルで新鮮に感じ、これには感動した。
あとは、ずーっとトンネル。たぶん最高速度の260km/hが出ているのだろうが、よく分からない。
トンネルを抜けたかと思うと、「まもなく七戸十和田です」。
トンネル出口から駅まで、わずかに車窓が見えたが、深い山の中でも田んぼでもなく、どことなく北海道っぽいような感じ。右側の窓を眺めていたご夫婦の旦那さんの方が「あれはニンニク畑だ」と奥様に力説していた。
わずか15分間のあっけない旅というか移動だった
七戸十和田駅を出て行く新幹線
十数人ほどは降りたようで、乗った人も同じくらいか。
ホームは上り下り1本ずつで追い越し設備(通過線)はなし。最近の新幹線の途中駅はみんなこんな感じか。
小豆色のホームドアが閉まると、監視の駅員さんもエスカレーターで上へ戻り、ホームには誰もいなくなった。
この駅は、新幹線にしては珍しく、線路が高架ではなく地上を通っている(古くは豊橋駅くらいだったが、最近は長野新幹線などこういう例がたまにある)。
そのため、形式としては「橋上駅舎」になるのだが、珍しいのはホーム部分と駅舎部分を同じ大きな屋根ですっぽりと覆った構造。
改札階からホームを見下ろす
だから新幹線の線路とホームを駅の中から見下ろせるという、ちょっとおもしろい体験もできる。
間にガラスはありますが「危険」
たしか八戸駅の新幹線部分もこんな感じだと思ったが、開放的な感じで好き。
改札口周辺はコンパクトにまとまっている
改札の中にはなかったが、外には売店がある。
自由通路から改札口方向
ただし、キオスクなどではなく、「青森・下北ふるさとの会」という地元の組織による店のようだ。びゅうプラザや指定席券売機もある。
降りて改札を出て行ったお客は皆、車でどこかへ行ったのか、さーっと姿を消してしまった。
七戸十和田駅は、上北郡七戸町にある。当初の計画では「七戸駅」という仮称だったらしい(廃止されたレールバス・南部縦貫鉄道にも「七戸駅」があったが、それとは別の場所)。
新幹線単独の駅で在来線は通っておらず、新青森延伸時に開業した駅。
ちなみに、「Google Maps」は、他の地図サイトに比べて新しい道路の掲載が遅い傾向があるそうだが、東北新幹線もそうだった。
たぶん7月初め頃までは、何もない所に「七戸十和田駅」の表示だけがあったはずだが、最近やっと線路も表示されるようになった。
地図で駅周辺を見ると、七戸町中心部からは2キロ前後離れており、「農場」が点在し、「荒熊内」「荒熊内開拓」「地獄沢」」という地名や川があり、駅周辺に多い地図記号は「畑・牧草地」。
いったいどんな場所なのかと、興味があった。
まず、列車を降りた瞬間に感じたのが、ひんやりとして涼しいこと。
この日、秋田市や弘前市、青森市は、じっとりと暑い天候だったのがうそのよう。
駅を出ると、カッコウの鳴き声まで聞こえてきて、高原に来たのかと錯覚した。
バス時刻までの間に、少し駅前を見てみた。
駅北口
北口には、駐車場やレンタカー屋があった。
駐車場は南口側と合わせて600台分があり、無料。
駅南口
南口の方にバス乗り場や棟続きで「七戸町観光交流センター」があり、こちらが正面のようだ。
駅舎は、八甲田連峰などをモチーフにしている。
駅のすぐそばには、観光関連施設がいくつかある。
鷹山宇一は七戸出身の画家
新幹線利用客をあてこんで最近できた施設というわけではなく、元々は駅の東側を走る国道4号線・七戸バイパス沿いに造ったもの。
「道の駅しちのへ・七戸文化村」は、道の駅制度ができた1993年に初めて登録された道の駅の1つ。
8月にはジェラート店や無料の足湯がオープンするとのこと。
道の駅など。国道に向かって道がカーブしている
歩いてでもすぐの場所だったが、時間がなくて行かれなかった。
紹介する順序が逆になってしまったけれど、駅南口の真っ正面から見えるのはこんな風景。
何もありません
たしかこっち側にもレンタカー屋があったくらいか。
気づかなかったけれど、この方向のすぐ近くに「東八甲田温泉(旧・やまびこ温泉)」という、温泉(1軒だけで宿泊・日帰りとも)があるそうだ。
ぽつぽつと家を新築しているような所もあったが、
ほとんどが空き地
今後どうなっていくか分からないが、将来的には発展する可能性がありそう。それは、
これができるから
今年秋に、駅の隣に「イオン七戸ショッピングセンター(仮称)」が開業するから。
当初は6月オープン予定だったが、震災の影響で秋まで遅れた。
位置的には、駅と道の駅の間。
ここから直線で2キロ強離れた町中心部近くにある、「イオン七戸店(旧ジャスコ七戸店)」が移転してくる形になるようだ。
今の七戸店もそうらしいが、建設中のイオンも平屋建てと思われ、あまり大きくなく、マックスバリュくらいの大きさに見えたが、なんやかんや言っても集客力があるから、賑わうだろう。
右端がイオン工事現場
ただし、駅側には搬入口らしきものができるようで、駅側からすぐ店内に入れる構造ではないようだ。新幹線でイオンに買い物に来る人なんてほとんどいないでしょうからね。
次はバスに乗って十和田市へ向かいます。
※この記事の内容は津軽地方のことではありませんが、便宜上「津軽のいろいろ」カテゴリーにします。
※駅構内は節電のため、屋外は天候のため、写真が暗く写っています。
今回の目的地(というほど目的もなく、行ったことのない街で安い宿があったから)は青森県東部の十和田市。
「東北ローカル線パス」というきっぷを使っていたので、それが使用できる第3セクター鉄道「青い森鉄道」と私鉄「十和田観光電鉄」を三沢駅で乗り継いで行くつもりだったが、新幹線開業や震災による乗客減に伴い十和田観光電鉄のダイヤが減便されているのを知らずに計画を立てていたことに、直前になって気づいた。(後日別記事にしますが、この点では、新幹線開業に伴う悪い影響と言える)
それだとあまりにも待ち時間が長くなってしまうので、別払いになるが新青森から東北新幹線で1駅の七戸十和田まで乗って、そこからバスで十和田市へ入ることにした。(実は新幹線に乗りたいとも思っていたので、腹案としては計画していたのですが)
七戸十和田駅に停車する新幹線は「はやて」のうち約半分で、おおむね2時間に1本。
乗車券と特急券で1660円
「こまち」と同じく「はやて」も全席指定なので、自由席の代替として、自由席特急料金に相当する額で指定席の空席に座ることのできる「特定特急券」制度がある。
しかも、ミニ新幹線と違い、フル規格の新幹線では、隣り合う駅どうしだけを乗車する場合は、自由席(または特定)料金が低額(この区間では840円)に設定されているので、思ったほど高くない。
30分ほど前に速達列車の「はやぶさ」が出た次の「はやて」に乗ったが、末端区間の始発駅にしては思ったよりもお客がいた。
「大人の休日倶楽部パス」利用と思われるご年配の夫婦が多く、ほとんどの皆さんがお土産と駅弁を持っている。同パスではやぶさに乗るには追加料金が必要なので、はやてを利用したのだろう。
2人掛けはほとんど埋まり、3人掛けも窓側は8割方埋まっていたが、なんとか窓際に座れた。
(特定特急券利用者は自分の席に後から指定券を持った人が来ないかと、発車するまで落ち着かないんだよね…)
車両は何度か乗っているE2系電車10両編成なので、特に目新しくもない。
僕自身があまり青森市に縁がないからか、最北端の新幹線駅である新青森駅から発車しても、さほど感動はなかった。
フジテレビの堺さん(元アナウンサー)による自動放送も他の列車と変わらず。
盛岡で「こまち」と連結する旨がアナウンスされたが、そのこまちははやての青森発車より30分前に秋田を発車していて、既に大曲付近を走行中のはず。そう思うと、ミニ新幹線の遅さというかフル規格の速さを見せ付けられる。
そうこうしているうちに、左側の視界が開けた。
家並みの向こうに見える山並みは津軽半島だろうか?
そして、青森駅近くにある、
アスパムと青森ベイブリッジが見える!
わずかな時間だったが、遠くに青森市街が見えたのだった。従来は考えられなかったであろうアングルで新鮮に感じ、これには感動した。
あとは、ずーっとトンネル。たぶん最高速度の260km/hが出ているのだろうが、よく分からない。
トンネルを抜けたかと思うと、「まもなく七戸十和田です」。
トンネル出口から駅まで、わずかに車窓が見えたが、深い山の中でも田んぼでもなく、どことなく北海道っぽいような感じ。右側の窓を眺めていたご夫婦の旦那さんの方が「あれはニンニク畑だ」と奥様に力説していた。
わずか15分間のあっけない旅というか移動だった
七戸十和田駅を出て行く新幹線
十数人ほどは降りたようで、乗った人も同じくらいか。
ホームは上り下り1本ずつで追い越し設備(通過線)はなし。最近の新幹線の途中駅はみんなこんな感じか。
小豆色のホームドアが閉まると、監視の駅員さんもエスカレーターで上へ戻り、ホームには誰もいなくなった。
この駅は、新幹線にしては珍しく、線路が高架ではなく地上を通っている(古くは豊橋駅くらいだったが、最近は長野新幹線などこういう例がたまにある)。
そのため、形式としては「橋上駅舎」になるのだが、珍しいのはホーム部分と駅舎部分を同じ大きな屋根ですっぽりと覆った構造。
改札階からホームを見下ろす
だから新幹線の線路とホームを駅の中から見下ろせるという、ちょっとおもしろい体験もできる。
間にガラスはありますが「危険」
たしか八戸駅の新幹線部分もこんな感じだと思ったが、開放的な感じで好き。
改札口周辺はコンパクトにまとまっている
改札の中にはなかったが、外には売店がある。
自由通路から改札口方向
ただし、キオスクなどではなく、「青森・下北ふるさとの会」という地元の組織による店のようだ。びゅうプラザや指定席券売機もある。
降りて改札を出て行ったお客は皆、車でどこかへ行ったのか、さーっと姿を消してしまった。
七戸十和田駅は、上北郡七戸町にある。当初の計画では「七戸駅」という仮称だったらしい(廃止されたレールバス・南部縦貫鉄道にも「七戸駅」があったが、それとは別の場所)。
新幹線単独の駅で在来線は通っておらず、新青森延伸時に開業した駅。
ちなみに、「Google Maps」は、他の地図サイトに比べて新しい道路の掲載が遅い傾向があるそうだが、東北新幹線もそうだった。
たぶん7月初め頃までは、何もない所に「七戸十和田駅」の表示だけがあったはずだが、最近やっと線路も表示されるようになった。
地図で駅周辺を見ると、七戸町中心部からは2キロ前後離れており、「農場」が点在し、「荒熊内」「荒熊内開拓」「地獄沢」」という地名や川があり、駅周辺に多い地図記号は「畑・牧草地」。
いったいどんな場所なのかと、興味があった。
まず、列車を降りた瞬間に感じたのが、ひんやりとして涼しいこと。
この日、秋田市や弘前市、青森市は、じっとりと暑い天候だったのがうそのよう。
駅を出ると、カッコウの鳴き声まで聞こえてきて、高原に来たのかと錯覚した。
バス時刻までの間に、少し駅前を見てみた。
駅北口
北口には、駐車場やレンタカー屋があった。
駐車場は南口側と合わせて600台分があり、無料。
駅南口
南口の方にバス乗り場や棟続きで「七戸町観光交流センター」があり、こちらが正面のようだ。
駅舎は、八甲田連峰などをモチーフにしている。
駅のすぐそばには、観光関連施設がいくつかある。
鷹山宇一は七戸出身の画家
新幹線利用客をあてこんで最近できた施設というわけではなく、元々は駅の東側を走る国道4号線・七戸バイパス沿いに造ったもの。
「道の駅しちのへ・七戸文化村」は、道の駅制度ができた1993年に初めて登録された道の駅の1つ。
8月にはジェラート店や無料の足湯がオープンするとのこと。
道の駅など。国道に向かって道がカーブしている
歩いてでもすぐの場所だったが、時間がなくて行かれなかった。
紹介する順序が逆になってしまったけれど、駅南口の真っ正面から見えるのはこんな風景。
何もありません
たしかこっち側にもレンタカー屋があったくらいか。
気づかなかったけれど、この方向のすぐ近くに「東八甲田温泉(旧・やまびこ温泉)」という、温泉(1軒だけで宿泊・日帰りとも)があるそうだ。
ぽつぽつと家を新築しているような所もあったが、
ほとんどが空き地
今後どうなっていくか分からないが、将来的には発展する可能性がありそう。それは、
これができるから
今年秋に、駅の隣に「イオン七戸ショッピングセンター(仮称)」が開業するから。
当初は6月オープン予定だったが、震災の影響で秋まで遅れた。
位置的には、駅と道の駅の間。
ここから直線で2キロ強離れた町中心部近くにある、「イオン七戸店(旧ジャスコ七戸店)」が移転してくる形になるようだ。
今の七戸店もそうらしいが、建設中のイオンも平屋建てと思われ、あまり大きくなく、マックスバリュくらいの大きさに見えたが、なんやかんや言っても集客力があるから、賑わうだろう。
右端がイオン工事現場
ただし、駅側には搬入口らしきものができるようで、駅側からすぐ店内に入れる構造ではないようだ。新幹線でイオンに買い物に来る人なんてほとんどいないでしょうからね。
次はバスに乗って十和田市へ向かいます。