映像報道に疑問

　体操選手コーチの暴力、ワイドショーがあれこれ言ってます。ある司会者が「あれはひどい！指導なんてものじゃない」と言うのを聞きました。私も見ましたが、昔々の体育授業のようで「歯を食いしばれ！」でバシバシ！！。私達は、往復ビンタと言ってました。見たのを後悔するほど、嫌な映像でした。
　
　昔々、女子大非常勤の頃の話。セクハラが大きく取り上げられ、常勤のお爺ちゃん先生が「若い先生は特に気をつけてください！！」と、会議のたびに言ってました。神経質になりすぎた先生、生徒と話さないこともありました。
　
　私のコンピュータ授業、やっちゃいけない行為をする子が必ずいます。その都度、授業後に整備をしなきゃならぬのが私。思わず、叱りたくなりますが、セクハラ・パワハラのダブルで疑われる恐れが。といっても、授業ですので『こんどやったら、頭をコッツんするぞ！』と、可愛らしく宣言。
　
　ある時「先生！やっちゃいました」と言いながら、頭を出す子がいました。たいした間違いじゃなかったので『それほどじゃない。良いよ』と言うと「でもコッツんしてください」と甘える子もいました。
　
　昨年、力士の暴力事件がありました。怪我をした力士が「恩師が見ているところで、一方的に殴られ、とても恥ずかしい思いでした」と語っていた事を思い出しました。力士は殴られる理由が解らずとも、恩師の前で叱責されたのが恥ずかしかったのでしょう。
　
　今度の映像で、女子選手は叩かれる理由が解っていたのだと思います。そんな姿を、一方的に世間に晒すのは、あまりにも彼女を無視した行為です。撮影した人、公開を決めた人、見て彼女の気持ちを汲み取れなかった人は、ハラスメントと個人情報に極めて鈍感な人達だと思います。
　
　感情に任せて、手を上げるのは絶対にいけません。叩いて教えるのは時代遅れと言いながら、日頃は「人権」とか「映像権」とか「子供の気持ちを汲み取れ」などと言いながら、子供の心をひどく傷つける映像を、平気で垂れ流す放送局の姿勢に呆れたオイラなのです。