続・蛙独言

ひとりごと

「週刊朝日」のこと 3

2012-10-26 16:58:03 | 日記
同盟中央から組坂委員長名で「抗議文」が出されている。
テキストファイルで手に入れられなかったので「手入力」で以下に書きあげておこうと思う。

同盟中央はHPを持っているのだから、相手方と組織内に情報は限定されるべきでは無く、即時的に「外」に向かって、こういう情報を発信していかなければならないのではなかろうか。

蛙のブログに「抗議文」を挙げるのは「無断転載」ということになるだろうから、非難もあるだろうが、問題の性質上、敢えてしなければならないと考える。

「抗議文」は、あまり「いい文章」とは思えないし、学校の先生が生徒の作文の添削をしているような印象で蛙の趣味にはあわないが、とりあえず、内容は悪くはないだろう。

問題は、この後、どういう対応をとるかということだ。

蛙は、きちんとした「糾弾闘争」とすべきだと思う。
「糾弾」には大きな誤解があるのだから、「これが我々の『糾弾闘争』なのだ」という模範的な闘いにしていくべきだろう。

なによりも、我々は怒りをこらえることができない程なのだということを、強く、訴えていかなければならないはずだ。

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以下、抗議文。


2,012年10月22日
株式会社 朝日出版
 代表取締役社長 神徳 英雄 様
週刊朝日
 編集長・発行人 河畠 大四 様
解放同盟中央本部
執行委員長 組坂繁之

『週刊朝日』(2012年10月26日号)掲載記事「ハシシタ奴の正体」に関する抗議文

 私たち解放同盟は、問題の根本的解決、人権が確立された社会の建設を目指して活動している団体です。私たちは橋下徹大阪市長の同和行政・人権行政を後退させる手法について断じて許されないものであると考えています。一方、私たちは、憲法に保障された表現の自由を尊重し、公人である政治家にはプライバシー権に関し、一定の制限があることも理解しています。さらにこうした問題が発生したことによって、橋下氏に対する正当な批判が抑制されたり、メディアの権力監視活動が委縮することがあってはならないと考えています。
 しかしながら、『週刊朝日』(2012年10月26日号)に掲載された「ハシシタ奴の本性」(佐野眞一+本誌取材班=今西憲之、村岡正浩)と題した記事の内容は明確に差別であり、新聞広告や電車内の広告で「救世主か衆愚の王か ハシシタ 橋下徹本人も知らない本性をあぶりだすため、血脈をたどった」とセンセーショナルに報じられた一連の記事、見出し、広告に対しては断固抗議するとともに、以下、その理由を期します。

1. まず記事の中に「日本維新の会の旗揚げパーティ会場」に参加していた人物の言葉
引用して「橋下さんの父親はあがり(被差別出身)で、それに比べて母親の方は純粋な人やと思う」と記述されています。この表現では、「母親の方は純粋な人」で「あがり(被差別出身)」は「純粋でない」と間接的に言っていることになります。橋下徹氏の実父は年齢的に見ても運動には参加しておらず事実とも異なり、運動への誹謗中傷につながります。運動に参加していた人々の多くは、「純粋」な人々であり、これらの人々への偏見を助長することにもなり。引いては今日の解放運動に参加している人々への偏見にもつながるといえます。
また、被差別出身は「純粋」ではないと言っていることになり、被差別出身者全体に対する偏見を助長することにもなります。

2. 本文記事中で「この連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない」「私が解明したいと思っているのは、橋下徹という人間そのものである」「一番問題にしなければならないのは、敵対者を絶対に認めないこの男の非寛容な人格であり、その厄介な性格の根にある橋下の本性である」とした上で、「そのためには、橋下徹の両親や、橋本家のルーツについて、できるだけ詳しく調べ上げなくてはならない」とし、「橋下家家系図」なるものまで掲載されています。
 これは橋下徹氏の政策や政治手法を批判する記事ではなく、被差別出身を暴く調査をおこなうことを宣言して書かれた明確な差別記事であり、2011年に橋下徹氏が大阪市長選挙に立候補した際に掲載された一連の週刊誌報道とも一線を画する確信犯的な差別行為であると考えます。

3. 『週刊朝日』表紙見出しの「橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶりだす」や本文
記事中の「本性をあぶりだすために、彼の血脈をたどる取材を始めた」など扇情的な文章のもとで、見出しや広告を含めて、「血脈」や「DNA」など、ことさらに「血統」を連想させる言葉が多用されています。そして著者である佐野眞一+取材班の橋下徹氏に対するあからさまな嫌悪感が執拗に展開された上で、記事中の「本性」のルーツ、すなわち橋下徹氏の「血」のルーツとして、父親が被差別出身であり、ヤクザ組織に入っていたことが示されています。
 記事中にある橋下徹氏の「非寛容でやっかいな性格」の根を、父親の「血」=「被差別」に強く関連づけた一連の表現は明らかに血統主義にもづく人格攻撃であり、差別です。また、これは橋下徹氏個人に対する差別行為であるだけではなく、「被差別」=「ヤクザ」=「非寛容で厄介な性格」との偏見を助長し、被差別出身者全体に対する差別を助長するものであり、決して許されるものではありません。
4. 記事中では「八尾市安中地区には被差別がある」と明記されています。差別図書『地名総鑑』を例に出すまでもなく、被差別の地名は差別につながるセンシティブ情報として極めて慎重に取り扱うべき情報です。近年、「土地差別調査事件」が大きな社会問題となるなかで、あえて地名を明記した事実は当該住民に対する重大な差別行為と言わざるを得ません。

5. 10月18日、河畠大四編集長名で「地区を特定するような表現など、不適切な記述が複数ありました。橋下徹・大阪市長をはじめ、多くのみなさまにご不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。私どもは差別を是認したり、助長したりする意図は毛頭ありませんが、不適切な記述をしたことについて、深刻に受け止めています。弊社の次号で『おわび』を掲載いたします」とのコメントが出されました。また、10月19日には、記事の連載中止を発表し、「第1回の連載記事中で地区などに関する不適切な記述が複数あり、このまま連載の継続はできないとの最終判断に至りました。橋下徹・大阪市長をはじめとした関係者の皆様に、改めて深くおわび申し上げます。不適切な記述を掲載した全責任は当編集部にあり、再発防止に努めます。本連載の中止で、読者の皆様にもご迷惑をおかけすることをおわびします」という、極めて不十分なコメントが発表されています。このような重大な記事を十分な準備にもとづき掲載された以上、相当の「覚悟」を持って臨まれたものと考えます。連載打ち切りに至る経緯や記事の意図や内容のどこに差別性・問題点があったのか、また背景・原因や社会的にどのような影響をあたえ、与える可能性があるのか、再発防止のための課題等を明確にすべきであります。

以上、今回の差別記事の被害者は橋下氏だけではなく全ての被差別出身者であることを強調し強く抗議するとともに、貴社の明確な見解を求めるものです。

         以上