続・蛙独言

ひとりごと

「仮設」へ

2011-08-24 12:11:18 | 日記
震災から5カ月が経ったわけだけど、なお、避難所の生活は続いているようだ。
ボランティアによる「ダニ退治」清掃から最近では「カビ対策」が問題になっているとかニュースで伝えられたりしている。
前にも書いたかと思うが、避難所などというところでは、とても長期にわたる生活は維持できるものではないのだ。あまりにストレスが大き過ぎる。
現在、どの程度、避難所から仮設住宅への移転が進んでいるのか、こちらからはうかがい知ることができないが、被災地協働センターや「もやい」からの情報では、ボランティアの活動先は「仮設」へ重点が移されてきているように見受けられる。
仮設住宅の建設や入居を巡っての諸問題で、神戸での経験は皆目生かされていない。
避難所では比較的近隣の人々が集合することになるが、仮設入居は「くじ引き」になるので、これは「コミュニティの解体」ということに結果する。
高齢者など、「災害弱者」の「優先入居」は、「良い話」のように見えて、実はそうではなかった。
「仮設住宅」の運営にはそれなりのリーダーシップが求められるからだ。
また、仮設建設の用地の確保も難しいことが多いわけで、これまでの「生活圏」からは途方も無く離れた場所に居住を強いられるケースも多かった。
「買い物」や、とりわけ、「かかりつけの病院」への通院には、随分、苦労をさせられていた。
びっくりしたのは、今頃になって、冬季に備えて「断熱材」の仮設への設置がやられているという情報だ。
そんなこと、初めから分かっていたはずだから、最初ッからやっておけば経費的にも安くついたはずではないか。
殆どの場所で、住宅建設には向かないような場所に「仮設」が建てられるケースが多いから、たいてい「砂利」舗装の上に建設がされるけれど、これは車いすには向かない。
また、玄関の小さな段差も高齢者や障害者にとっては大きな障害になる。
神戸でも「その段差の解消」はボランティアによって取り組まざるを得なかった。
どうすれば過去の経験が生かされたのだろうか。
蛙が思うに、ひとつには、仮設を準備する行政の側に、普段から「大災害に備えるシュミレーション」がなければならないということだろう。またひとつには、被災住民の側に「強固なコミュニティ」が建設されていることも必要なのだろうと思われる。
例えば、長田の被差別の場合、高層市営住宅も全壊したのだけれど、これは「災害救助法」に言う「仮設住宅建設」ではなく、「公営住宅法」を活用して、「被災地」に「2階建て」の仮設を建てさせることに成功している。黙っていて出来たわけではない。同盟の「がんばり」がなければ実現は出来なかった話なのだ。
残念ながら、「住宅入居者」以外の「地区住民」用の仮設住宅建設にまでは結ぶことはできなかったけれども。
「救助法」によれば「2階建て仮設住宅」の建設はできないようだが、そんな「法律」はなんとしても変えなければならない。
そして、「入居者側」の「コミュニティの団結力」の強さで、まとまった形での入居計画が進行するように働きかけなければならない。
それだから、「災害時」ではなく「普段のコミュニティ力」の強化に断固として取り組む必要があるのだ。
地域に組織される「自治会」は往々にして「行政の下請け機関」である場合が多いけれど、「地区」に限らず、一般に「地域住民主体の行動組織」として普段から鍛え上げて行かなければならないのだと蛙は思う。
そうは言っても、現況がこのようであるからには、分厚い「仮設支援」の活動はとても重要なことになっていくだろう。
「仮設」に入居した途端に、「孤独」に苛まれることになるからだ。
生活も「行政からの支援」が途絶えることになるから、たいへんなことになる。
「孤独死」や「アル中」など、あまりに悲惨な経験を繰り返すことになってはならない。