尾瀬屋の花の研究見本園を歩いて最も心に残った花がミズチドリです。花の時期がちょうどよくそこそこの個体数がありましたから大いに感激しました。高原の湿地に見られるツレサギソウ属で最大の種でかつ花が純白のとても美しいランです。
ヤチヤナギです。ヤナギという名前が付き、また雰囲気がヤナギの仲間に目ますが、この種はヤマモモ科に分類される低木です。私もかなり長い間ヤナギとばかり考えていました。尾瀬には多い種です。見本園にもキンコウカが大きな群落を作っているのですが、その縁の少し盛り上がったところにヤチヤナギが見られました。
ヤチヤナギはヤナギ類と同じく雌雄異株の種です。雄花は風媒花でヤナギ科に近い性質があるようです。普通雄花は早くに落ちますからこれは雌花が種子を散布した跡でしょう。雌花の苞が開いています。新潟県内にはヤマモモ科の種がありません。どういう造りなのか観る機会がありませんからイメージするのが難しい種でした。
アケボノソウは日陰の湿った環境で見ることが多いのですが、研究見本園は湿地環境とは言えさえぎるものがない日当たりの良い場所です。この個体は地面にうずくまっているような姿で高径の草本の陰に隠れているようにも見えます。そもそも尾瀬は曇天の日が多く開けた場所でも日照は多くないということなのでしょうか。とにかく、いろいろな種が今までにない顔を見せてくれます。