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森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コブシ実

2011年11月11日 | 自然観察日記
綺麗な赤い実を見せているのはコブシ。細かい種名を言うとキタコブシ。コブシに比べて葉も花も多きのだそうです。両方を直接比べてみたことがないので明確な違いがあるのか定かではありません。この絵では黒くなってしまった種子を包む部分も暫らく前は赤い色で、実がたくさんつくと結構存在感があります。モクレン科の種子は赤いのが目に付きます。ヒヨドリなどの鳥に運ばれるのでしょうか。

オトコエシ実

2011年11月10日 | 自然観察日記
もっと拡大したいのですがピンボケで絵になりませんからこの程度で見てください。オトコエシの実です。実につく翼のを作る組織の柔らかい部分が抜けて網目状になっています。これはこれで美しい造詣です。しかし、こんな状態になってもまだ花軸から離れようともしない種子、未練がましいですね。というよりはこの状態のほうが離脱するのに便利なのかもしれません。さてそこにはどんな仕掛けがあるのでしょうか。興味深いですね。

クマシデの実

2011年11月10日 | 自然観察日記
初夏に眺めたクマシデの花穂、落葉が終っても枝先に沢山ついています。ここで沢山の種子を作り高いところから散布したのですからもう役目は終わりです。しかし、葉とは違って離層が発達しないため花穂が落ちることは簡単ではありません。風雨に晒されながらポツリポツリともぎ取られるといった風情で減っていくのです。これも面白い習性です。葉は急いで落とさなければならないのに、花穂はそうする必要がない・・・?なぜでしょうね。

オオニガナ 再び

2011年11月09日 | 自然観察日記
9月に斑尾で見たオオニガナがここにもありました。まだまだしっかりとした花を咲かせています。秋枯れの景色にとてもよく目立ちますから、こんなに遅くても昆虫は直ぐに気づいて花粉の運び役勤めてくれるでしょう。案外この季節のほうが確実に種子を残せるのかもしれません。移植されたのか自生種なのか判然としませんが、流通しているようなものではありませんから近くに生息していたのがいつしか住み着いたと考えています。こういう種こそ大切にして欲しいものですね。

オオニガナ 花

2011年11月09日 | 自然観察日記
アップで見ればキク科と容易に分かります。別属であってもニガナ系の雰囲気をもっていることから名付けられたのでしょう。これから急いで種子を熟し風に乗せて旅立たせないと間に合いません。まだ若いつぼみが沢山ありますから、結構無駄になるものがありそうです。もう少し早めに開花させられればもっと子どもを沢山作る気がします。

ミズオトギリ実

2011年11月08日 | 自然観察日記
オトギリソウの仲間は黄色の花が多いのですがこのミズオトギリは赤系の色彩です。花も小さくて咲いている頃は周りの草も邪魔をしてほとんど目立ちません。しかしよく見ると可愛くてすばらしい花です。そんな花が秋には結構目立つ実を結びます。水面に1cmほどの先の尖った濃赤の実が沢山ついている様が映し出されるといっそう味わいが出てきます。あいにくの曇天で色具合は今一ですがそれでもすばらしいではないですか!

カキツバタ実

2011年11月08日 | 自然観察日記
花の時期はもてはされるカキツバタ(「あやめ」とか「花しょうぶ」といって一括りにされていますが・・)の晩秋の姿です。全てはこの中にある種子のために演じてきた日々、最後のクライマックスになる姿です。すでに種子は完熟していて十分に乾燥すれば実は割れて風の力で一粒一粒旅立っていくことでしょう。何かの原因で花軸が折れてそこまで行かなくとも地に伏した実は表面を腐らせて種子を大地に預けます。全てが新しく芽を出し生き延びることはありませんが、命をつなぐ営みです。そういう想いを持って自然の造詣を見るのも楽しいことですね。

ナガボノシロワレモコウの残る湿原

2011年11月07日 | 自然観察日記
湿原の真ん中にナガボノシロワレモコウの花が頑張って咲いています。紅葉が進んでいる中での花にはどこか侘しさが感じられますね。あいにく曇天で人のいない湿原は静寂そのものです。かすかに川を流れる水音しかしません。こういう孤独もいいですよ。

ナガボノシロワレモコウ

2011年11月07日 | 自然観察日記
名前から察しられるますがワレモコウ(バラ科)と同属で穂の長い白花です。この種は穂の先端から咲き始め根元に移動します。根元の花が開花すると花は終わりということになりますから、限りがあるということで「有限花序」という区分にされます。従ってクガイソウ(ゴマノハグサ科)見たいな根元から咲いていく種は「無限花序」になります。花弁のない花でがくとしべが白い色をしているため全体が白色です。これもたきがしら移植されて種で自生ということではありません。

たきがしら ノコンギク①

2011年11月06日 | 自然観察日記
今年も晩秋のたきがしら湿原に出かけました。昨年小熊の陰を見つけてひとしきり騒いだところです。3~400mは離れている所からなのに連れの興奮の様がとても面白くて忘れられない場所です。それはそうと、まだ残り花が各所にあってそういうのを訪ねるのも一興です。ノコンギクです。色が濃い種で少し違和感がありました。ここは人工的な湿地で植え込まれたものが沢山ありますから、地元のものでないものが沢山あります。ノコンギクはあってもいいのですがこの色彩をしたものはあるのかなぁ?植え込むのはいいとしても地元種に拘って欲しいところです。

ムキタケ

2011年11月05日 | きのこ・菌類
キノコの中で「何が美味しい?」と聞くと「ムキタケ」と応える人が少なからずいます。マツタケなど庶民には縁遠い代物ですから論外で、ここ越後では定番は「あまんだれ」とよぶナラタケなのですがこれを凌ぐのがムキタケという評価なのです。私もそれには賛成で晩秋の山野を散策する目的の一つになっています。ところが、姿や発生場所が有毒種ツキヨタケと極似するために中毒事件がなくならない理由の一つになっています。

エセオリミキ

2011年11月05日 | 自然観察日記
特徴のあまりないキノコはなかなか頭に入ってきません。このエセオリミキも長い間闇の中にあったもので最近やっとなじめるようになりました。気がつけばしばしば出会っていては「何だろう?」と後々になってしまって、ろくに調べることもしない存在でしたね。図鑑に載っている一つのステージは見極めが付けられるとしてもそれ以外のものはなかなか確信がもてない・・。しかし、何度も現物を観察し続けると見えてくるものです。「これがあの時の成長したものか!」などと一人感激しています。「エセ」は「にせ(偽)」、「オリミキ」は「折幹」からきているとか。不勉強で「折幹」が何かは分かりません。

ヒシ群落

2011年11月04日 | 自然観察日記
丘陵公園の里山フィールドミュージアム内に農業用の溜池があってそこにはヒシが群落を作っています。まずまずの群落ももう11月、葉には勢いがありません。水面に浮かんで最後の仕事を行っています。


ヒシの実

2011年11月04日 | 自然観察日記
最後の仕事はこの実を完全に熟させること。熟すと黒くなりますからまだこの時点では半ばというところでしょう。先には鋭い棘がありここはかなり固くしっかりしています。この水面に水鳥が休憩しに来るところでもありますから、そういう水鳥の餌にならないように鋭い棘が有効なんでしょうね。