道路わきの石積みや河川の護岸のコンクリートなどの条件の悪い場所に大きな群落を作るマンネングサ。これはその仲間のツルマンネングサのロゼット葉。日差しや乾燥にはとても強い種ですが、寒さの対策はつるからこんな形になります。この時期よく見られる地面に伏した放射状に配置した葉、ロゼットです。さらに、おそらく細胞の液(細胞質)の濃度は夏のときより高濃度になっていて凍結しにくい状態になっているのではないでしょうか。
山古志に向かう道路の沢を挟んで反対側、サワグルミの高木がありました。それと分かる印がこの垂れ下がった実。もう種子以外は枯れて後は物理的な力で落下を待つだけの状態です。一応種子には翼がついていますから、一つ一つ離れれば多少でも親の元から遠くに運ばれそうですが、案外房のままドサッと落ちることが多い気がします。というより一つ一つが舞い落ちる姿を見たことがないのですが・・・。
盛りはとうに過ぎたシュウメイギク、名残の花が風に揺れています。普段何気なく目にしているもの、当たり前に前にあるものでもアップでみるとまた違った顔が見えてきます。シュウメイギクの丸い物体は雌しべの集合体。雌しべが球状に配置しているというのも面白い造詣です。これも勲章遊びにつかえますね。
大きな寒波が過ぎた後は、陽気が大きく逆戻り。そろそろ冬眠しなければならない爬虫類たちもそのタイミングを計りかねているようです。目の前に現れたのはカナヘビ。トカゲはすっかり見なくなったけれど、カナヘビは健在のようですね。
平場も紅葉が盛りになってきました。今年の紅葉はあまり評判がいいほうではないようですが、ウリハダカエデがなかなかいい色に紅葉していました。黄色くなるときもあるのですが、この樹は赤色でまとまりました。紅葉の仕組みを解説するのは簡単でも、実際の細胞の中の変化は微妙で赤くなったり黄色くなったり複雑な世界があるようですね。
ガマズミなどの赤い気の実がなくなってきた頃に目に付くサルトリイバラ、晩秋の日差しに照らされて輝いています。先日冬の使者もやってきて草花の葉は一気にしおれて野山は物悲しくなってきました。そんな中の赤いサルトリイバラの果実はいとおしいですね。
果実に翼がないのでマユミでしょう。このマユミは園芸店で売られているような綺麗な赤い色を出しています。晩秋の日差しの中でとてもいい感じ。しかし、マユミはもっと実の数が多いのが普通だと思っていましたが、この樹は数個パラパラとしか付いていません。樹の大きさからして少なすぎます。マユミには蛾の幼虫がとりついて丸坊主にすることがしばしばあります。この樹もそんなダメージを受けながらも必死で次の世代を残そうとしたのでしょうか。
10月一杯綺麗な花を見せてくれたミズオオバコ、そろそろ今年の仕事納め。水中の株を手繰り寄せると実が付いていました。細長い三角錐のような実です。中には小さな種が沢山あるのですが、まだ熟していないようです。葉がかなり衰えてはきました、もう一仕事しなければならないようです。
少し前、若い松林を沢山の方々が朝早くから何かを探している風景がありました。察するに「アワタケ」を採るのが目的なのでしょう、片手にビニールの袋を持ってススキが混じる斜面に取り付いています。アワタケに似たこのアミタケも一緒にされて「アワタケ」で処理されています。
勲章のようないでたちはクサギの実です。こんなもので野遊びをする子どもが過去にはいたのですが、今は思い出の中だけでしょうか。里山が見直され、自然とのふれあいが言われている昨今、積極的に子どもを野に引き連れてきて草花で遊ばせたい気分です。
オニドコロの種子。ヤマノイモの仲間ですが塊根は食用には適しませんし、ムカゴもつけません。そういえば、春山菜の時期に木の芽と間違われて採集されていた方がおられました。利用価値のない地味な存在ですが、ごく普通に越後の里には見られます。
カラマツの樹の周辺によく見かけるキノコですね。白というより茶褐色か灰色の感じでかなりくすんでいます。菌輪を作ることがおおいので1本見つけると周囲を探すと良いでしょう。きっと何本か見つかるはずです。食用です。