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森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホウノキの実

2006年10月15日 | 自然観察日記
 ホウノキの実である。長く樹上にある実もあるが、多くは大きな葉が1枚2枚と落ち始める頃、沢山の種子を持った実がぽろっと落ちてくる。一つ一つの種子が弾けてくることはほとんどないのではないだろうか。
 表面が赤く色づいているがこの中にも赤い種子が入っているはずで、それは見えていない。放置されているところを見るとリスやネズミの好物でもなさそうだ。
このまま黒く朽ちていくものも時々見かける。ホウノキの実は鳥が好むような雰囲気でもないから、媒介者は何になるのだろうか。
 

カエンタケ(ニクザキン科)

2006年10月14日 | 自然観察日記
 カエンタケ、実物を見るのはこれが初めてである。少々興奮。ナラの木の根元に出ていた。まだ幼菌のようである。見れば見るほど不思議な色や形、その質感をしている。名前のように「火炎」で、まさにこれからめらめらと燃え盛りそうでもある。猛毒菌として扱われていて、かって越後の見附のある旅館で泊まっていたか客が勝手に食したとかで死亡事故が起こった。その時の報道の印象がとても強く残っている。
 近日中にもう一度この場所を訪れる予定があるからその後の変化を紹介できるかもしれない。

ヨメナ(キク科)

2006年10月14日 | 自然観察日記
 秋の野菊のごく普通のもの。しかし、似たものがいくつかあるから正確な分類となると結構気を使う。カントウヨメナにユウガギク、ノキンギクとあって花だけ見ていたらみんな同じに見える。色は、ヨメナは薄紫が多いが、それぞれの種では白から薄紫色まである。
 秋晴れの爽やかな日に沢山咲いている野原にたたずめばそんな細かなことは気にしないほうがいい。みんな「野菊」にまるめてその風情を堪能しよう。

ヤクシソウ(キク科)

2006年10月13日 | 自然観察日記
 山手の道路沿いにヤクシソウの群落がところどころ目に付く。この時期、平場ではいやになるほどセイタカアワダチソウの群落が目立つのだが、同じ黄色の花ながらヤクシソウを見るとどことなくほっとする。
 茎は枝分かれが多くそこに沢山の花をつけるからそれなりの見ごたえがある。ニガナの仲間だから茎を折ると白い乳液が出る。これから晩秋にかけて咲いている。
 ヤクシソウのいわれは茎を抱く葉にあるようで、薬師如来の光背(こうはい)に似ているからだそうだ。

実りの秋 その5

2006年10月13日 | 自然観察日記
 クリの実が沢山落ちている。クリ拾いをする人がたまたまいなかったのだろう。味覚を味わう程度のものを頂いておくことにする。
 以前クリの花を紹介したとき青森の三内丸山遺跡のことに触れたが、今回はクマについて考えてみたい。
 先日、越後の栗園でクマが射殺された。栗の木に登っているところを打たれたものもある。クマの個体が減っているといわれながら毎年のように里に出てくるクマが多い。その場合ことごとく結果は射殺されてしまう。そんな現実をどう受け入れたら良いのだろうか。原因は山に餌が少ないという見方が主流である。そうなら、キノコや木の実などを持ち帰ることは控えなければならない。さらに、積極的に彼らの好きなクリの木を山の荒地など植えることを考えたらいいのではないか。

ピーナツ(マメ科)

2006年10月12日 | 自然観察日記
 ナスの花のわきに青々とした葉が茂る畑があった。ピーナツが栽培されていて、葉の間から黄色の花がのぞいていた。しょっちゅう口にする豆だが花を見ることはほとんどない。
 開花後の花の習性が面白い。受粉後、花柄が伸びて地面に向かう。実は地中まで達し、そこで肥大し見慣れたラッカセイになる。「落花生」と書く理由はこんな習性からだろう。収穫するときはサツマイモと同じく実が地中から出てくるからなんとも奇妙な感じになる。地中で実を保護しなければならなくなったいきさつはどういうことなのだろうか。興味は尽きない。別名「南京豆」というが原産は南米である。

ナスの花

2006年10月12日 | 自然観察日記
 越後の秋はキノコ汁が話題になる。キノコもさることながらその中に入る定番にナスがある。私はその理由をよくわからないが、美味しく頂けるものなら結構なことだと思う。
 路地植えの畑にそのナスの花がまだ見られた。日に浴びた整った花姿とは裏腹に、株全体は寒さのためか衰えていて見る影もない。ナスは熱帯原産の一年生植物とされている。
 よく耳にする「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉がある。真意はナスにはカリウムが多く含まれ利尿作用が大きく体が冷えことから体をいたわっての言葉である。嫁いびりの言葉として理解してはいけない。

キツネノチャブクロ(ホコリタケ科)

2006年10月11日 | きのこ・菌類
 公園などでもよく見かけるホコリタケである。これは幼菌だが、成菌になると上部中央に穴が開き、つつくとそこから胞子が埃のように舞い上がる。面白いキノコだ。
 かっつて民宿を営む友人にこのキノコの幼菌をくしでさして炙ったものをわさび醤油で食べると結構いけるよと教えたら、喜色満面、それ以来その一品を客に出すメニューにとりいれたという。物珍しさが受けたようだ。

実りの秋 その4

2006年10月11日 | 自然観察日記
 これも私が栽培している果物。10月の遅い品種で瀬戸内白桃という。結構上品な味で今年は幾多の病気などの災禍をくぐって例年になく収穫することが出来たのだが、海山ともども大災害をもたらせた先日の台風の余波で大きな痛手をこうむってしまった。
 自家では処理しきれないので近隣知人に少しずつおすそ分けをしたが、少々痛みが気になってしまった。
 写真の赤い部分は袋掛けしていた袋が破れ日に当たって色づいたものである。そろそろ、我が家の実りの秋もお仕舞いになってきた。
 

イボクサ(ツユクサ科)

2006年10月11日 | 自然観察日記
 湿地にはイボクサが咲いている。ツユクサの仲間で花はずっと小さい。小さいながらもなかなか可愛い綺麗な花だ。写真は閉じているが花弁は内側の3枚が目立つ。
 イボクサの謂れはこの汁をつけて疣を取ったことから付けられたというが、実際の効果は疑問なのだそうだ。
 どこに行っても目を凝らせばいろいろな自然が見えてくる。これもまた楽しからずやである。

ヤマノイモ(ヤマノイモ科) の 種子

2006年10月10日 | 自然観察日記
 3つの翼を持つのが種子である。雌雄異種のつる植物だから、これは雌株ということになる。葉は対生し近縁のオニドコロが互生するのと大きな違いだから判断の目安にするといい。ヤマノイモは食用だがオニドコロはむしろ害草であるから決して地下茎を掘って食べてはいけない。
 黒い丸いものは「ムカゴ」である。これが出来るできないでオニドコロと区別するのもいい。ムカゴだけでも楽しい秋の実りだ。もっと遅く葉が黄色に色づく頃地下茎を掘り起こす人も多いのだが、少なくとも掘った穴はきちんと元に戻すのも大事なエチケットだ。

アケボノアワタケ(アミタケ科)

2006年10月10日 | 自然観察日記
 淡い薄紫のアミタケの仲間。私の持つ資料や知識からアケボノアワタケとしてみたが、ネット上に流れているいくつかのサイトのものはかなり疑問がある。とはいえキノコの姿は環境によってかなり違った様相を示すことも事実だから、間違いというほどの強い根拠があるものでもない。むしろ私の方が間違えている可能性もあるのだが、それ以前にキノコという世界はそういう難しい分野だということである。
 この種は食用とする対象でないからそれほどでもないが、口にしようとする場合よほどの専門家でない以上信用はしないほうがいい。少なくとも、不確かなものを対象にする場合は自己責任を明確にする必要があるだろう。

ノササゲの実

2006年10月09日 | 自然観察日記
 先日取り上げたノササゲ(マメ科)の実が奇麗に色づいていたので紹介したい。なんともいえない美しい紫色になる。マメの仲間でこういうのも珍しい。
 見とれてばかりで、そういえばこのマメを食べたことがない、というよりそういう気持ちを持ったことがない。あるいは食べた経験を持つ人の話も耳にしない。

アイタケ(ベニタケ科)

2006年10月09日 | きのこ・菌類
 同じ悠久山公園の林の中で見かけたベニタケの仲間、少し古くなったアイタケ。傘表面の膜がややちぎれている。新鮮なものは薄緑色に見える。ベニタケの仲間はいずれももろいが、これもそうだ。ときどき見かけるものだがこの種は食用にすることができるようだ。

ササクサ(イネ科)

2006年10月09日 | 自然観察日記
 葉がササの葉によく似ているからササクサという。近縁にトウササクサというのがあり、この近辺もあるということになっている。こちらはレッドデータブックに載っている代物なのだが、穂が扁平でないから普通のササクサだろう。草姿は至って地味なイネ科植物だから気に留める方はほとんどいない。長岡の悠久山公園の林の中にあった。