最近、鉄分が豊富な食材といえば、「ひじき」というのは一昔の話。3~4月が旬のひじき。こんな「ひじき」に関する記事をご紹介します。
記事(2016年2月21日 tenki.jp)によると
『ひじきは栄養豊富な食品です。100gあたりの含有量を見てみると、カルシウムが牛乳の12倍、食物繊維がごぼうの7倍、マグネシウムがアーモンドの2倍も含まれています。そのほかにも、ビタミンBや葉酸なども豊富で、しかもカロリー。そして、なんといっても鉄分が豊富に含まれているので、「鉄分の王様」と言われてきました。
しかし、その事実は過去の話。現在のひじきには、そんなに鉄分が含まれていないようなのです。
文部科学省は昨年末、「日本食品標準成分表」の改訂版を公表しました。1950年に初版が作られて以来、15年ぶり、7回目の改訂です。これによると、干しひじきに含まれる鉄分が、改訂前の9分の1以下に減っていることがわかりました。具体的には、従来は、干しひじきに含まれる鉄分は、100gあたり58.2mgとされてきましたが、改訂後は、そのおよそ9分の1、100gあたり6.2mgしか含まれていなかったのです。
干しひじきは、原料の海藻を鉄製の釜で煮て渋みを取り、乾燥して作られます。以前はひじきを煮るとき、鉄製の釜が使われていました。しかし近年、使われる釜が鉄製からステンレス製に代わりました。それで、ひじきに含まれる鉄分が減ったというのです。鉄釜で茹でていたから、ひじきの鉄分が多かった…。つまり、ひじき自体には鉄分は多くなかったのです。今回改訂された成分表を見ると、ステンレス釜で加工されたひじきには、100gあたりの鉄は6.2mgしか含まれていません。一方、鉄釜での加工だと58.2mgです。鉄分という観点でひじきを利用したい場合は、原材料の表記で、ステンレス製の釜で加工したのか、鉄製の釜で加工したのかをチェックしたほうがいいでしょう。
ひじきのほかに、切り干し大根について見てみると、100gあたりの鉄分は3.1mgで、以前の9.7mgのおよそ3分の1となっています。これも、以前は鉄製の包丁で加工していましたが、ステンレス製の包丁にとってかわったため、鉄分が減ったと考えられています。
加工する釜や包丁によって、食品の鉄分が変わるなんて、考えもしなかったことが起こるものですね。今回の改訂で、ひじきは「鉄分の王様」とは言えなくなりましたが、食物繊維やカルシウムなどが豊富な食品です。4月からひじき漁が解禁されます。今年もおいしいひじきがとれますように。』
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