たびびと

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ある女性旅行者の告白 エジプトの風

2010年02月04日 | エジプトの風
その日の午後にもピラミッド見学がありました。
階段ピラミッド、屈折ピラミッド、赤ピラミッドなどです。

ナイル川に沿ってかなりの距離をバスで移動すると、砂漠の中にぽつりとピラミッドが見えてきます。

ギザの三大ピラミッドと比較すると、何となく完成度の低い印象です。同じ民族が建設したものとは思えません。
でも、砂漠に雄大にたたずむピラミッドの姿は壮観です。

ピラミッド周辺には、たくさんの貝や魚の化石が落ちています。
考古学的価値がありそうですが、既に調査しつくされてしまったようで、誰も管理はしていません。

ほしい人は好きなだけ持ち出しができます。
化石マニアの人には、とても魅力的なおみやげになりますね…。

中学生の女の子が貝殻を拾っていましたが、それ以外の参加者はあまり興味を示していませんでした。

各ピラミッドは数ヶ所に散らばっています。
そのため、パノラマポイントで記念撮影を楽しみながら、バスですぐに移動していきます。

帰路の途中、あるピラミッド前でバスが停止しました。
エジプト人ガイドさんが説明します。

「このピラミッドの中に入りたい人はいますか。
午前中のギザの大ピラミッド内では腰をかがめて歩きましたね。
このピラミッド内では、更に長い距離を歩きます。あまりお勧めではありません」

この言葉にひるんだのか、誰も希望者がいません。

いつも元気な日本人添乗員さんが確認します。
「誰もいないんですか?
いいんですか?
このまま通り過ぎますよ。」

「…」
手はあがりません。

体力があれば入ってみたかったのですが、残念なことに午前中エネルギーを使い果たした僕はその気力がありません。

見学時間は十分ありました。
午前、午後と炎天下での見学が続いたためか、疲れている方が多く散見されます。
初日の見学ということで、時差の疲れもあったかと思います。

バス車内には、
「早くホテルに帰りたい」
という、何となく先を急ぐような雰囲気があります。
この雰囲気にのまれて、手をあげられない人がいたかもしれません。

全行程最後のギリシャのレストラン(ファミリーレストランのような場所)でお昼を食べたときのことです。

一緒に食事をした若い女性が笑いながら言いました。

「私もピラミッド目当てでこの旅行に参加したの。
だから、本当はあのピラミッド内にも入ってみたかったの。
でも、他に誰も希望者がいなかったから手があげられなかったわ」

やはり日本人です。

僕に体力があっても、手をあげていたかどうか。
でも、きっと手をあげていたと思います。なぜなら、ピラミッド目的で行った旅行でしたから。

「ギザの3大ピラミッド建設のみに人類の英知を超えた知性が活用されている」
ということをある本で読んでいました。そのため、こちらの赤ピラミッドなどにはあまり興味がありませんでした。
僕が手をあげなかった理由は体力がなかったからではなく、このピラミッドへの興味の薄さだったかもしれません。


多くの方に楽しい旅をしていただければと思っています。
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