北日本、北海道で生育するリュウキンカは花後に葉のサイズが大きくなる変種エゾノリュキンカとされていますが、そのことを確かめるための極めて初歩的な試みを行ってみました。
リュウキンカは秋田市郊外の数か所で見られますが、下の画像は秋田市河辺戸島の台地土手の斜面に群生したものです。
3年前の3月に、この場所から発芽して間もない数株を掘ってきて自宅の植木鉢に植え土を湿潤な状態に保ってで栽培を続けています。
毎年良く葉が繁茂し開花しますが、花後の葉のサイズは自生地のもののような大きなサイズにはならないのが疑問でした。
下の画像は花後の栽培株の葉を写したもので(この時期の自生株では18〜20cmになります)
4月11日、栽培株の1鉢を携えて自生地に赴き、開花している株より少し離して植えて来ました。
1ヶ月半経過、自生株の花は終わっていましたが、移植した株では僅かばかりの花を付けていました。
葉も移植した時よりはかなり大きくなっていましたが、自生株よりは小さいのが分かります。
更に1週経過した後に採集してきた移植株、自生株と鉢植株の葉の比較です。
移植株でも自生株に遜色ないくらいまで葉は発育し、鉢に残された株とは著しく違っているのが分かります。
以上のようなきわめて単純な観察結果だけから推察する限れでは、エゾノリュキンカをリュキンカの北方型の変種とすることには疑義があり、単に自生地には植物を大きく育てるために不可欠な成分が含まれているためではないかと考えました。