牧師室だより 2014年3月9日 レント(四旬節)を迎えて
クリスマスとイースターが、キリスト教の大切なお祝いの日であることは最近日本でも広く知られるようになった。この日を迎えるために、代々の教会はアドベント(待降節)とレント(四旬節)という期間を大切にしてきた。
アドベントはクリスマスの前の4つの日曜日の期間であり、11月30日にいちばん近い日曜日から始まる。レントはイースターの前6回の日曜日を除く、40日間を指している。レントは水曜日から始まることになるので、この日は悔い改めを示す「灰の水曜日」と呼ばれてきた。今年は先週の水曜日(3月5日)からレントに入っている。イースターは4月20日。
日本ではクリスマスが盛大に祝われ、アドベント・クランツを作りロウソクに火を灯してクリスマスを待ち望む習慣が定着してきたが、レントはまだ充分に心して守られていない嫌いがある。確かにイースターは、春分後の最初の満月直後の日曜日と定められていて、年によって日が変わるので、気がついたら来週がイースターだったということになりかねない。
さらに、日本の社会では、3月4月は年度替わり。入試、卒業、入園、入学、就職、進級、異動、決算、確定申告、引っ越し……。その合間に、桜はまだかいな、と春を待ち望む心がうきうきわくわくして、何かと落ち着かない。
教会でも、大切なレントの期間にやはり大切な総会に向けての準備や話合いをしなくてはならない。悩ましい限りである。今年の計画総会は3月16日。さらに、5月の報告総会に向けての準備と何かと心騒がしい時期を迎える。
しかし、レントは何よりも、私たちの罪をあがなってくださったキリストの苦しみと十字架の死が告知され、私たちの悔い改めと感謝と献身の信仰が深められる時なので、大切に覚えたいと思う。そして私たちは、イエス・キリストの福音が告げ知らせる神の慈しみと赦しとを思い起こし、与えられている信仰がさらに新しくされて、復活の朝(4月20日)を迎えたいと思う。