安倍晋三首相が国会会期末の6月22日までに、集団的自衛権行使容認の閣議決定をなにが何でもやりたいと、国民そっちのけで号令を掛けている。その中でびっくりするのは、とにかく「集団的自衛権」という文言は絶対に入れろと指示していることだ。
その言葉から感じることは、彼の最大の目的は、自身が「集団的自衛権」を法律にしたと言う実績が欲しいと言うことだ。
安倍氏は、短期間だった第一次安倍内閣で、国民投票法や教育基本法改正案など右派勢力が欲していた幾つかの法律を数の力で強引に国会を通過させた。これに対し、右派勢力から絶賛を受けた。いわく、安倍首相はまれに見る実行力のある政治家だという褒め言葉だ。
多分、安倍首相は、政策について、国会を通過させるには、躊躇することは禁物で、一気呵成に押し通さないと、機会を逸すると思い込んでいる節がある。
彼の手法は、総てこの思い込みで進めている感じだ。一面的には、この考え方は実行力があるという点で指導者が必要としている資質だ。
しかし、彼の場合は、いかにも強引で、今回のように「集団的自衛権」という文言を入れれば良いというように、とにかく「実より名を取れ」的な意識を感じる。その政策の必要性よりも、策定者として名を残したいと言う功名心が先んじているように思える。
岸信介元首相、安倍晋太郎元外相といった政治家庭育ち、常に褒められることによって自尊心を高揚させるという幼児性を感じる。だから、第一次政権の時に右派勢力から褒められた快感が、大権力を握った第2次安倍政権でも、集団的自衛権行使容認だけでなく、あれもこれもに手を付け、全部俺がやったという実績を作りに汲々としているような感じを受ける。
安倍首相は、集団的自衛権行使容認ありきで、どうしても6月22日まで閣議決定をしたいようだ。ただ、ようやく自民党内からあせる安倍氏を諌めるような発言も出てきたようだ。一方で、公明党に対し、集団的自衛権行使容認を認めると言う前提ならば、会期終了後になっても良いという発言もある。これでは、単に時期を延ばしただけで、実質的に公明党に容認を認めさせたことになる。
ここまで、安倍氏や自民党に脅迫まがいの攻勢を受け、公明党が大人しく応じている姿を見て、創価学会や支持者はどのように感じているのだろうか。
創価学会は、先に、集団的自衛権行使容認に反対する方針を示している。その学会から、公明党に対し、学会の主張をもっと自民党に理解させるべきだという不満に似た意見が出ているらしい。
公明党に対し、これほど国民の目が注がれていることは、かって無かったことではなかろうか。「関連:6月10日」
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