米朝首脳会談は、その結果についてアメリカ、日本などの論評は二分しているようだ。
評価が低い側の最大の理由は、CVID「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」が共同声明にまったく触れられなかった点、評価する側は、何はともあれ、米朝首脳が初めて会談、その成果は今後に委ねられたが、先ずは、一発触発状態が無くなったということだろうか。
ただ、米朝でどちらが得をしたかと言えば、体制保障を得て、暫くは核保有ができることになった北朝鮮の方だろう。
加えて、非核化へ道程を歩む中で、米韓軍事訓練も行わないことを、トランプ大統領から取り付けたことも大きいのではないか。
ただ、体制保障と言うが、保障しないということは、アメリカが北朝鮮を攻め滅ぼすことに繋がるので、他国が独立国家を侵略することになり、国際法では認められないので、むしろ当たり前のことだ。
北朝鮮側が、それを手放しで喜んでいることは、北朝鮮側にとっては、いかにアメリに脅威を感じていたことと、核実験、ミサイル発射が、場合によっては、自らの体制を揺るがすことに繋がることを自覚していた証拠とも言える。
それにしても、いかに中間選挙向けとは言え、トランプ大統領は、北朝鮮に大盤振る舞いをしたことか。
首脳会談前に、ポンペオ国務長官が数度訪朝し、金正恩委員長と会談、反面、金委員長の参謀の金英哲朝鮮労働党副委員長が訪米、トランプ大統領とこちらも数回会っている。
その上の、米朝首脳会談なので、いかに、即決主義のトランプ大統領とて、その場の判断で、今回の共同文書署名に至った分けではないだろう。
そう考えると、今回の首脳会談は、北朝鮮が、米韓軍事訓練を非難したため、一時、トランプ大統領が「やーめた」とゼスチャー、すぐ様、金委員長の方で「そんなこと言わないでやりましょう」と訴えてきた。
会談にのどから手が出ていたトランプ大統領がすぐ様OKを出して、結局首脳会談が実現したが、大分、手の込んでいる演出をしたものだ。
もう、その時点から、金委員長の方が、トランプ大統領の「どうしてもやりたい」とする腹の内を見透かしていたようにも感じ取れる。「関連:6月13日」
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