正さん日記

世の中思いにつれて

小泉構造改革のトラウマ

2008-12-14 18:25:32 | 政治
 麻生太郎内閣は緊急経済対策として23兆円の財源を投入することを表明した。 具体的には、その財源を第2次補正予算と来年度予算の中に包含するとのことであるが、景気後退から財源不足が予想されるため、国債の増発で賄うことにならざるを得ないようだ。
 これに対して、自民党内やマスコミなどは小泉純一郎元首相の構造改革路線から逸脱すると批判的だが、麻生首相の緊急経済対策の内容には多々問題があるにしても、厳しい雇用問題にいち早く対応することなど緊急性のある政策は、大胆且つ可及的速やかに行うべきで、そのための支出については容認しなければならないだろう。但し、歳出全体の見直しを緊密に行うことが前提であることは言うまでもない。
 
 どうも気になるのは、小泉構造改革と評して、これが金科玉条のように言われていることである。そのためプライマリーバランスを重視する余り、社会保障予算抑制など国民生活に必要不可欠な歳出を極端に切り詰めて、高齢者福祉や医療制度などにしわ寄せし、国民の不安を助長している例が目立っている。
 
 確かに国・地方で800兆円とも言われる借金を子、孫など後世につけ回すことは忍び難いが、反面、道路、橋、ダム、建物などのインフラという財産を後世に残すことも事実である。子や孫世代は、これらのインフラのメンテナンスは必要としても、その分新規事業は少なくて済み、それだけ財政支出を抑制することができる。
 また、国債は別の見方で言えば、それを購入している国民等の財産であり、国の借金をすべて悪呼ばわりする必要はない。よく言われるが、我が国国民の金融財産が1400兆円あるということは1つの証左である。
 
 さて麻生首相は、国民年金の国庫負担分を二分の一にするなどの社会保障制度に対応するためという理由をつけ、中期プログラムに消費税を3年後に引き上げることを明記することにした。その根底にはプライマリーバランスを2011年には平行にするという小泉構造改革のトラウマから離れられない感じがする。「関連:12月12日

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