正さん日記

世の中思いにつれて

靴を投げられたブッシュ米大統領

2008-12-16 18:04:25 | 世界
 任期が1カ月ちょっと後になり、イラクを電撃訪問したジョージ・ブッシュ大統領が、バクダットで記者会見中にエジプト衛星放送局のバクダット通信員のイラク人記者から靴を投げつけられた。拘束され記者はイラク国民から英雄視され、大物弁護士や政治家等が、この記者を擁護する姿勢を見せているとのことである。 
 記者の地元バクダットでは市民数千人が記者の早期釈放を求めてデモ行進した。携帯電話間では「靴で敵(米国)を打ちのめした。ブッシュに最高の贈り物をした」といったメールのやりとりが活発に行われているとのことだ。
 また反米派の議員が地元テレビ局で「記者がしたことは米国の占領に対するイラク国民の気持ちを代弁している」と話した。

 話変わって、ブッシュ大統領がテロ支援国家指定解除まで打ち出し譲歩を重ねた北朝鮮問題については、先の6各国協議で北朝鮮が文書による核施設の廃棄状況報告を譲らず、遂にアメリカも忍耐し切れないで実質的に決裂状態になった。
 ブッシュ大統領が、何とかこの問題に目鼻をつけ、最後の実績として残したかったのだが、北朝鮮にはその思惑が手に取るように分かっていて、最早ブッシュ政権は相手にせず、バラク・オバマ次期大統領との交渉に移行した形だ。
 これにより、クリストファー・ヒル東アジア・太平洋担当国務次官補が中心になって進め、ブッシュ氏も日本の拉致問題を苔にしてまで熱を入れた北朝鮮問題は、次期政権に先送りされ、ブッシュ大統領の実績つくりは気泡に化した。

 また、先の報道でブッシュ大統領は、イラク攻撃は間違った情報によって行われたと初めて認めたとのことだ。これでは、米兵戦死者約4200名、イラク国民数十万名の犠牲者は浮かばれない。
 ブッシュ氏は、結果的にサダム・フセイン大統領の圧政からイラク国民を救ったと、イラク攻撃の正当性は曲げないと思うが、世界の圧倒的多数が、アメリカのイラク攻撃について否定的なことは間違いない。

 ブッシュ大統領の評価については、彼が退任した後さまざまに論じられようが、退任を間近にして、今回のイラク記者の靴投げ事件が、イラク戦争を批判する世界の世論の喝采を受けていること自体が、ブッシュ大統領の失敗を物語っているのではなかろうか。
 思えば、現在、世界中を震撼とさせている金融危機もブッシュ政権の責任であり、彼の在籍8年間は暗く、実績の乏しい失われた期間と言わざるを得ないのではなかろうか。「関連:12月1日

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