イスラエルとパレスチナはこの先地球上で共存できるのか、誠に疑わしい様相を呈している。
それにしても、やられたら徹底的にやり返すイスラエルの姿勢は異常とも思えるほどである。相手を殴っておいて、相手が報復だと言って殴り返してきたら、それを絶対に許さないで相手を殲滅するまでやり返す、というのである。その異常とも思える考え方は、どこから来ているのだろうか。
このことについて、2024年4月15日のNHKラジオ「マイあさ!」の「けさの ”聞きたい”」で、出川展恒(のぶひさ)解説委員が次のように解説していたのが大変参考になるので紹介したい。
「攻撃されたら、何十倍にしても報復する。これはこれまで繰り返されて来たイスラエルの安全保障の考え方です。そのイスラエル流の安全保障の考え方は、どこから出て来るのでしょうか。
それはイスラエル、そしてユダヤ人が辿って来た歴史的な背景だと思います。とりわけ、第二次世界大戦中、600万人が犠牲になったとされるナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストです。更に、1948年にイスラエルが建国を宣言すると、その翌日にアラブ諸国が攻め込んで戦争になりました。ホロコーストが起きたとき、国際社会は誰も助けてくれなかった。自分たちは常に絶滅させられる脅威にさらされている。生き残るためには自らの力で防衛しなければならない。敵を徹底的に打ちのめさなければ、自分たちがやられてしまう。民間人が犠牲になっても、国際法違反でも構わない。
去年10月から半年以上も続いているハマスとの戦闘でも、こうした理窟や行動が窺えます。ですから、パレスチナの子どもたちがどれほど犠牲になろうとも意に介さない。そういうことが起きてしまうわけです。(中略)
今回の危機の大本にあるのは、ガザ地区で続くイスラエルとハマスとの戦闘であり、そして未解決のまま放置されて来たパレスチナ問題です。実はこのイスラム革命後のイランとイスラエルの激しい敵対関係というのは、イスラエルによるパレスチナの占領に端を発しています。国際社会は一日も早くガザの戦闘に終止符を打って、今度こそパレスチナ問題の解決に真剣に取り組む必要があると考えます。」
ホロコーストが起きたとき、国際社会は犠牲になるユダヤ人を助けようとしなかった、ということ。イスラエルによる理不尽なパレスチナの占領がパレスチナの人々を苦しめているのに、国際社会は真剣にそのことを考えて解決しようとしなかった、ということ。これらのことが、問題の根本にあるということである。
とは言え、現在イスラエルによって行われているガザ地区への無慈悲な攻撃や救援物資の搬入の妨害が許されていいということにはならない。現実問題としてその問題解決に力があるのは、アメリカであろう。バイデン大統領が選挙の結果を気にして躊躇するのでなく、イスラエルに対して即時停戦を求める勇気ある行動をとるべきであると考える。
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