老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

安全保障関連法案と憲法と国防の在り方

2015-09-14 20:18:00 | インポート
現在、政府が成立を急いでいる安全保障関連法案は、多くの憲法学者が、憲法違反だと言っている。
しかし、政府は今までの憲法解釈を変更しても、なお憲法に違反しない、と言い張っている。国の安全と国民の命を守るためなら、憲法を無視しても構わない、と言わんばかりの態度である。これは、おかしいではないか。
国の安全と国民の命を守るために必要な処置をとる必要があることは、言うまでもないことである。しかし、それが憲法の認める範囲を超えるというのなら、憲法を改正してその処置をとるべきであって、いかに必要な法律といえども、憲法を無視して制定することは許されない。

わが国は、どのようにして自分の国を守るべきであるのか、甚だ難しい立場に立たされている。
我々日本国民は、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」のであったが、それが甚だ困難な状況になってきているからである。
自分の国を自分で守るのは当然であるが、核を否定して核を持たないとするわが国が、自分の力だけで国を守ることは、現実的に不可能である。
では、核を持つ特定の国にわが国の防衛を依存することでいいのか。わが国は自分の国をどういう形で守るのが最もいいのか、そのことを皆で真剣に考えたことがあったであろうか。
それは大変難しい問題であるが、しかし、そのことをいつまでもいい加減にしておくことは許されない。

拉致被害者問題、北方領土問題、竹島・尖閣諸島問題など、どうにもならない状態で時間ばかりがいたずらに過ぎて行ってしまう。そして、沖縄の基地問題。
我々はどのような形で国を守ろうとするのか。頭の痛い問題が山積している。