日刊「NOCUSる」

たとえば5年後、あなたは何を食べている? それは、どこで誰が作る?

田直し

2010-02-26 | 考える
No.3479

「野菜だより」からの転載のつづきです。
このテレビを見てすぐ後に、野良で撮った写真です。
近所のTさんが、“田直し”をしていました。田んぼの低いところ、ぬかる部分に、山土を入れて均平にする作業です。
Tさんは82歳。
カメラを構えながら
「どうせ米つくったって赤字なのに、いまどき田直しげ? 100歳まで田んぼ作っても、あと18年しかやれねぇべよ」
と憎まれ口をたたいたら、答えてTさん
「100歳までなんてやらせねぇでよ。せいぜい、あと2~3年だっぺ」
「いやいや隣のKさんだって、91歳で現役だし、まだまだだっぺよ」
「息子も百姓やんねとは言ってねぇし。まぁどうなっかわがんねぇげど、テレビ見で座ってるより、汗流して仕事してるほうが体も調子いいしなぁ」
目先の金儲けだけを追いかけてきた大企業は、製品をつくる労働者や下請けを使い捨てにしてきたばかりか、製品を買って使う人もないがしろにするところまで堕落して、いま世界に恥をさらすはめになっています。
ひるがえって、儲かりもしないのに、“我が亡き後”のために田直しに励む老農。
その爪の垢でも煎じて飲ませてやったら、大企業たちは、ガッポリため込んだ内部留保を少しは取り崩すくらいまで改心できるでしょうか。