隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0626.地獄変・偸盗

2005年07月25日 | 短編集
地獄変・偸盗
読 了 日 2005/07/25
著  者 芥川龍之介
出 版 社 新潮社
形  態 文庫
ページ数 220
発 行 日 1968/11/15
ISBN 4-10-102502-9

 

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、中学時代に教師の勧めで文学を読み始めた頃、芥川龍之介の作品をいくつか読んだことをすっかり忘れており、この本を買ったのも、「藪の中」、「六の宮の姫君」が目的だった。
収録されているそのほかの「地獄変」、「偸盗」、「竜」、「往生絵巻」を読み進むうち、昔「鼻」だとか「羅生門」を夢中で読んだ記憶が呼び覚まされてきた。だが、芥川といえばなんといってもその頃の教科書で読んだ「蜘蛛の糸」だ。この教訓的な話は50年以上経った今でも忘れられない、直接ミステリーとは関係ないが、作者の代表作の一つとして、ぜひとも読書目標の中の一冊として加えておきたいと思って読んだ。

王朝モノと呼ばれるこの作品集は、現代にも通じる人生観など、示唆するものが多く含まれている。
僕には無縁だとばかり思っていた本書に収録された芥川文学の出典は、その殆どが今昔物語や、宇治拾遺物語に求められるそうだ。
そう言われてみれば、今昔物語も宇治拾遺物語も、はるか昔教科書で習ったことがあるのだが、当時はともかく、今までに興味を持ったこともないから、当然のことながら、記憶のかなただ。
それでもいっとき、平安時代の匂いに包まれた。

 

 

初出
# タイトル 発行月・号 紙誌名
1 偸盗 大正六年四月・七月 中央公論
2 地獄変   七年五月 大阪毎日・東京日日
3   八年五月 中央公論
4 往生絵巻   十年四月 国粋
5 藪の中   十一年一月 新潮
6 六の宮の姫君   十一年八月 表現

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