山手線謎日和 | ||
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読了日 | 2019/08/05 | |
著 者 | 知野みさき | |
出版社 | 角川春樹事務所 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 237 | |
発行日 | 2017/12/18 | |
ISBN | 978-4-7584-4137-7 |
回の『フェルメールの街』の巻末にあった広告で、本書を知りAmazonで購入した。広告で知った本もたまには面白い本があるから、ためらわずに買ったのだが、ミステリーと思っていたらラブストーリーだった。
否、ラブストーリーとも言えないか。
結論から言えば外れだった。決して駄作というわけではない。単に僕の好みに合わなかったというだけだ。
社員十数人という小さな出版社に勤務する、主人公の折川イズミが、五反田の駅で遭遇した事件で、偶然出会った男・和泉伶史と、その後も出逢うことになり、本人たちとの思惑とは異なる眼で見られることになる、という展開が、僕にラブストーリーと思わせたのだ。
感情移入が出来なかっただけのことだ。普通は気に入らなくとも、読み進むうちに気にならなくなるものだが、この作品では最後までもう一人の、サブキャラクターともいうべき人物とともに、素直に受け入れることが出来なかったのだ。
折川イズミは女性で、その相手の和泉伶史・こちらは叔父の遺産を受け継いで、と言っても莫大なものではなく、贅沢をしなければ何とか働かずに暮らしていける、という程度の遺産だ。
サブキャラと言ったが、僕はこちらのほうがメインキャラクターという感じがしている。
折川イズミがミステリーと感じていることに、何らかの解決を見出す役目を和泉伶史が負う。そんな展開なのだが、和泉伶史は終日、山手線の電車の中での読書を趣味としていて、そのための乗車券を買っている、という変なおじさん、ではなく中年なのだ。
長く読書をしていると、たまに僕の体調不良により、本の内容にかかわらずつまらないと思うこともある。以前、腹立たしいほどに、気に入らなかった本を読み直した折、つまらないどころか面白く読めたことがあり、体調不良の時には読書も控えたほうがいいという結論に達したのだ。
もしかしたら本書も時がたって、もう一度読み返したら面白く読めるかもしれない。と言うことで外れというのは、僕個人の思いだということ。
人生は悲しいほど短く儚い、そんな残り少ない僕の人生の時間だから、出来れば面白くない本は敬遠したい。そう思いながらも、自分にとって面白い本とはどんなものだろうと、思い返すもそれがなかなか難しい問題で、確たる定義がないことが悩ましい。
過去に読んだ本の傾向を見ても、それは広範囲にまたがっていて、カテゴリー的に言っても多岐にわたっているのが現状だ。
くAmazonで古書を購入するが、その購入履歴によって、おすすめ本を紹介してくれる中に、たまに僕が見落としている面白そうな本が紹介される。Amazonのシステムがどうなっているのかは分からないが、時には煩わしいと思うこともあるが、なかなかよくできたシステムだと思うことの方が多い。
だから、ここ数年は本探しを専らAmazonに頼っているのが現状だ。僕が買うのはいわゆる古本で、送料を加えても300円から500円といった価格のものばかりだ。昔を考えれば、それはとてつもなく便利で、ついBOOKOFFなどに出かけることも、少なくなる。
外出する手間もなく、手ごろな出費でほしい本が手に入るのだから、便利に使うのもむべなるかな、である。
だが、そうして手に入れた本が、思いのほか好みではなかった、というのはちょっと悲しい。
ここで、コーヒーを飲みたくなって、階下に降りてドリップポットで湯を沸かし、沸騰した湯を珈琲茶碗に注ぎ、1分待ってから茶碗の湯を捨てて、サーバーを茶碗にセットして、ポットのお湯をまわしながら注ぐ。
夏の暑い時期だから、コーヒー茶碗を暖めなくてもいいのではないか?とも思うが、これは一種の儀式のようなもので、暑くても寒くても同様の手間を惜しまずに実行するのが、僕のやり方なのだ。
僕は夏でも珈琲はホットで飲むから、以上のような手間を1杯ごとにかける。たまにそうした手間が面倒になることもあるが、おいしいコーヒーを飲むための手間は、仕方がないと考えている。
最近、喫茶店とかカフェに行かないのは、懐具合もあるけれど、自分で淹れたコーヒーが一番だと考えることで、満足している。皆さん、おいしいコーヒーを飲んでいますか?
# | タイトル |
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