隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1686.その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ

2016年12月26日 | 短編集
その日まで
紅雲町珈琲屋こよみ
読 了 日 2016/12/26
著  者 吉永南央
出 版 社 文藝春秋
形  態 文庫
ページ数 282
発 行 日 2012/11/10
ISBN 978-4-16-781303-6

 

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日は朝8時半過ぎにカミさんを、君津中央病院に送っていく。ほぼ月に一度彼女は循環器科に通院している。8月で81歳となりリウマチをはじめとするさまざまな病を持ちながらも、少し忘れっぽくなったことを除けば、頭はまずまずで今のところ認知症の心配もなさそうだ。
糖尿病も毎日定期的にインシュリンを打っているので、進行は抑えられており格別な障害はない。
つい最近急性の心筋梗塞でカテーテルによる手術を受けたばかりだが、そちらの方も治まっているようだ。
かくいう僕も喜寿を迎えて、決して健康体というわけではないが、少し歩くと息切れがするくらいで、毎日6種類もの薬を飲んでいるせいか、血圧もどうやら安定している。
お互いに歳をとってどこかしらが具合が悪くなるのは致し方がないが、それでも何とか平穏な日常が遅れていることに感謝している。年の暮れは何かと気ぜわしいが、無事1年が過ぎようとしているから、感謝している。

 

 

古い家屋を解体して得た材木を使って、古民家風に設計された小蔵屋は和食器とコーヒー豆を扱う店だ。その店の主人が本編の主人公・杉浦草(そう)、通称お草さんだ。ミスマープルを思わせるような、好奇心旺盛な老婦人が、ちょっとおせっかいとも思わせるところを見せながらも、周囲に発生するミステリーを解き明かして、解決に導く名探偵ぶりを見せるのは、なんとも心地よい読後感を得られる。
初めてこのシリーズを読んだのはもう5年も前で、そのあとBOOKOFFで続編の本書を見つけて買ったまま、今まで読まずにいたのは、いつもの癖でいつか読もうと思いながら積ン読になっていたのだ。
話が違うが先日新聞で、この「積ン読」という言葉は日本独自のもので、諸外国には当てはまる言葉はないのだそうだ。僕にとっては決して自慢できることではないが、いつできたかは知らないこの言葉がいつでも僕の周りのまとわりついていて、いつになったら止められるのだろうと、思いつつ解消できないでいる。

 

 

月は12月に似合わないような、平年を上回る暖かな日が多くて、寒さに弱くなった老人にはありがたかったが、ついにまた真冬を思わせる寒い日がやってきた。エアコンのない僕の部屋には、小さな石油ストーブが1台あるきりで、それだってできるだけ灯油代を節約しようと、昼間はつける時間を短くしている。
まあ、寒くても暖かくても僕の最近の出不精は相変わらずで、息子の入所しているケアホームにちょっとした用事があって、行かなければと思っているのだが、なかなか足が向かなくて困っている。来年3月に控えている天羽支部会(社会福祉法人薄光会が運営するケアホームで生活する利用者(知的障害者)、と富津市湊とその周辺に在住する自宅介護の障害者、その保護者の団体をさす名称を、保護者・家族の会天羽支部という。年に4回ほどの会合が開催される。)に配布する会報の取材のためにも、富津市に行く必要があるのだが、その内にと言っている間に、日が過ぎた。
しかし、こうしてのんびりと本を読んで、よしなしごとを書いていられるのだから、愚痴をこぼすこには及ばないか。

 

収録作
# タイトル
第一話 如月の人形
第二話 卯月に飛んで
第三話 水無月、揺れる緑の
第四話 葉月の雲の下
第五話 神無月の声
第六話 師走、その日まで

 

 

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