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能取湖のホタテ稚貝が大量へい死 約2億粒(7億円相当)が全面供給不能、需給に影響も

2023-04-09 21:48:29 | 系統通信


 網走管内の能取湖でホタテ稚貝の大量へい死が発生し、西網走漁協(石館正也組合長)は原因不明のへい死が進行しているため約2億粒(7億円相当)の稚貝の供給を取りやめる。そのため、供給する予定だった紋別、沙留、枝幸の各漁協では対応策に取り組み、それぞれで稚貝の手当てを急いだ。特に1億5万粒を購入する紋別漁協(飯田弘明組合長)では日本海の各産地を回り、飯田組合長が余剰貝の供給を求めた。


 能取湖でホタテ稚貝をつくっている山本正樹西網走漁協青年部長は「ほぼ壊滅状態。能取湖全域での斃死が確認されたのは初めて」と驚きの声をあげる。へい死が確認され始めたのは3月下旬からとされ、原因はわかっていない。山本部長は「昨年のクリスマス前の北東の大時化と高潮警報が出ていたあの状況が原因なのか、餌不足の状況があったのか、無酸素層があったのか、海水温が影響しているのか、原因究明には困難を強いられる」とSNSで発信している。
 水谷洋一網走市長も「網走市能取湖で養殖されているホタテ稚貝の、9割近くが斃死していることがわかった。2億粒のうち1億8千万粒が斃死している。1粒3円45銭円の基準取引ですから、6億円を超える損害」とし、その後、他地区供給以外の地撒き用の稚貝も使えなくなったため、被害は7億円に膨らんだ。
4月3日、網走市や西網走漁協などをはじめ、関係機関と水谷市長を本部長とする対策本部を立ち上げ、斃死した貝の処理、漁家の経営安定対策、モニタリング調査、原因究明と様々な対策を講じていく方針を確認した。能取湖はオホーツクのホタテ稚貝の生産基地で全道のホタテ稚貝供給の6%を占め、3年後の生産への影響を含め、今後の対応が注目される。

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