絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

エジプトをつかもう 3

2009-12-26 | 美術
ピラミッドについて、語って行けば、まだいろいろありますが、それは、余話で話すとして、話を先に進めます。

古王国の首都は、メンフィスというナイル川の三角州のところでした。

それが、中王国になると、首都が上流のテーベになります。今のルクソールです。
今では、ルクソール神殿とカルナック神殿があって、観光客で賑わっているところです。

そして、神殿の時代になりました。しかし、ピラミッドが作られなくなったのかと言えば、そうではなく、有名なピラミッドが二つ作られています。
それは、私が誤解していました。生徒には、ピラミッドが作られなくなって、その代わりに神殿がつくられるようになったと話してしまいました。

生徒のみなさん、ここで訂正します。

また、新王国になると、ハトシェプスト女王で有名な葬祭殿が作られますが、中王国でも、そのハトシェプスト女王の隣に、葬祭殿を作った人がいました。
いま、名前が思い出せません。後で、調べます。
わかりました。メンチュヘテプ2世です。この人は、第11王朝を開いた人で、この人から中王国が始まると言われます。

ただ、この中王国は、短く終わってしまったようです。第11、12王朝でおわりました。でも260年くらいはありましたが、エジプトの長い歴史の中では、短く感じます。

ーーーーーー

そして、新王国になります。

新王国は、ハトシェプスト女王の話からです。
実は、トトメス1世という人がハトシェプストの父ですが、次のトトメス2世はハトシェプストと結婚したから、ファラオになれたのです。実は、エジプトでは、女系で進んでいきます。次のファラオは前のファラオの娘の夫ということです。

日本は、男系で天皇が続いていますね。エジプトではその逆でした。

まあ、娘の夫と言っても、結構親戚から選ばれることが多かったかもしれませんが。

ハトシェプストとトトメス2世との間に娘がいましたが、男の子はいませんでした。そして、トトメス2世の妾のイシスには、男の子がいました。それで、そのイシスの子をハトシェプストの娘と結婚させて、トトメス3世として、ファラオにすることに決まったのです。

そうしたら、まだトトメス3世が小さい時にトトメス2世が死んでしまいました。

そのために、ハトシェプストはトトメス3世の代わりに摂政となって政治を行なったのです。

ハトシェプストは、トトメス3世を嫌いいじめました。挙句の果てには、戦争で死ねばいいとまで考えて、ヌビアとの戦いの最前線に送り込んだのです。

また、本当は、自分に男の子がいれば、その子をファラオにしたかったようで、男の子がいないことを悔しく思い、トトメス3世を産んだ母のイシスにねたみを持ち、殺してしまいました。毒殺だったようです。それを実行したのは、ハトシェプストの側近と言われたセンムトでした。

このセンムトがあの葬祭殿を作った人だと言われています。


ハトシェプストは、トトメス3世を最前線に追いやって、その後は自分がファラオでもあるかのように振舞いました。人々の前に出るときも、付け髭をつけて男装をしたと言われます。

また、政治的には、平和外交をおこなったらしく、ヌビアでのいざこざはあったようですが、自分から兵を連れて戦いに出るようなことはなく、終始平和を好んだようです。だから、その間は、静かでした。

ただ、事態が変わるのは、トトメス3世が大きくなって帰って来たときでした。実権を取り返えされてしまったのです。
実はその前に、葬祭殿を作ったセンムトですが、その壁に自分の浮彫を作ったことを咎められて、失脚してしまいました。ハトシェプストとは男女の関係にあったともいわれる人でしたが、そのことが原因で追放されたようです。
そこへ、トトメス3世が帰って来たから、ハトシェプストは力でねじ伏せられるように、失脚しました。牢に入れられて、出られないまま死んだようです。
トトメス3世にしてみれば、子供の時にいじめ抜かれ、母を殺され、自分は戦いの最前線に行かされたのですから、当然のことでした。

そして、自分が権力を握ってからは、トトメス3世はどんどん戦いに出て行きます。今日では、歴史家から、エジプトにもナポレオンがいたと言われるくらい凄い人でした。

また、エジプトの歴史の中で唯一の女王と言うべきハトシェプストを憎んだトトメス3世は、葬祭殿などに作られたハトシェプストの浮彫などを剥がす作業を家来にさせました。

ここまでが、ハトシェプストとトトメス3世の話です。


つづく
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