絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

構図の研究、つきみ荘絵画講座

2018-01-10 | 構図の研究
つきみ荘絵画講座で、これは絵になりますか?と質問を受けました。

それがこれです。



私の答えは「絵になりません。0点です。」
と答えました。

何がダメなのでしょうか?

問題点は、左の木と家の関係がおかしいです。
家が木に激突しているような印象があります。
また、木が手前にあるはずなのですが、屋根との関係を見たとき、もしかして屋根の方が手前かと勘違いしそうな感じがします。

また、右の屋根の線と後ろの木の形がつながっていておかしいです。
空の見え方の問題もあります。

最後に決定的なことは、目玉がないことです。
描きたいと思ったのは、この建物に魅力を感じたからでしょう。
しかし、この建物はどこを見て良いのかわかりません。
家の場合は、窓や入口がポイントになりやすいのですが、その窓が目隠ししているような感じがします。
私は、眼帯とかマスクしている人を見るような気がすると言います。

では、どうすれば良いか、それをボールペンを使って、描いてみせました。

それが、これです。



いかがですか?

建物の窓を暗くして、ポイントを作りました。

左の木の生え際をしっかり感じさせて、木の右側の陰を強くしました。
家との関係を、木が手前であることを強めました。

家の手前にあるものを強めて、手前から段々と奥へ行く前後関係をしっかりさせました。

背景の木を増やして、屋根との関係を自然にしました。

こうすれば、何とか絵になります。

これが菅野式構図の工夫です。

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