Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「小さい魔女」オトフリート・プロイスラー著(大塚勇三訳)学研

2007-06-22 | 児童書・ヤングアダルト
「小さい魔女」オトフリート・プロイスラー著(大塚勇三訳)学研を読みました。
ひとりの小さい魔女が住む深い森の奥。魔女の年はたったの127歳、魔女の仲間ではまだひよっこ。魔法を使っても失敗続き。
1年に1度のワルプルギスの夜、小さい魔女は相棒のカラス、アブラクサスが止めるのも聞かず、行ってはいけないブロッケン山の大きい魔女たちの集まりに出かけます。ところが運悪く見つかってしまい、魔女のおかしらの前に連れ出された小さい魔女は、大きい魔女の仲間になるための条件として、来年のワルプルギスの夜までに魔女の試験に合格すること、いい魔女になることを、きつく言い渡されます。
小さい魔女はさっそく、猛烈な勢いで魔女の勉強を始めます。

魔女がひとびとを助けながらさまざまな魔法を習得していく様が面白いです。
最後の大魔法も、こんな魔法がかけられるの?とびっくり。


「ジェニーの肖像」ロバート・ネイサン著(大友香奈子訳)東京創元社

2007-06-22 | 外国の作家
「ジェニーの肖像」ロバート・ネイサン著(大友香奈子訳)東京創元社を読みました。
1938年、冬のニューヨーク。
貧しい青年画家イーベンは、夕暮れの公園で一人の少女に出会いました。
数日後に再会したとき、少女ジェニーはなぜか、数年を経たかのように成長していました。そして、イーベンとジェニーの時を超えた恋が始まります。
2005年に新訳で文庫化。
妻を亡くした童話作家とその子供たち。
彼ら家族と海の精霊のような女性との交流を描く『それゆえに愛は戻る』も併録されています。解説は恩田陸さん。

ジェニーの正体は?結局よくわからない。でもせつないラスト。
併録された作品は亡くなった妻の面影も残す、人魚姫のような女性がロマンチックでした。
どちらの作品も神秘的な女性のとらえどころのなさを描いていて、アメリカの作品なのになんとなく「鶴の恩返し」や「天女のはごろも」のような日本民話を連想しました。