Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」ジュリー・アンドリュース著(岩谷時子訳)TBSブリタニカ

2007-06-06 | 児童書・ヤングアダルト
「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」ジュリー・アンドリュース著(岩谷時子訳)TBSブリタニカを読みました。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の女優ジュリー・アンドリュースさんが描いた異世界の物語。
主人公はベン、トム、リンディの三兄妹。
三人は動物園で偶然出会った奇妙な男の人にハロウィーンの日に再会。
彼は遺伝学の著名なサバント教授でした。
4人は人間界から消えてしまったワンドゥードルに会うために、空想動物王国ワンドゥードルランドへ旅立つ訓練を始めます。

サバント教授の授業、私も受けてみたいです。
色を、音を、匂いを、五感のすべてを研ぎ澄ませて世界を知覚する訓練。
ワンドゥードルランドはその訓練の成果どおりとてもカラフルな世界。
甘くかぐわしい香りを漂わせる花々、楽しいことを話さないと船出できない愉快号
、歌う川、さまざまな色の毛糸でできた家、虹の橋。
そして面白い容姿の不思議な動物の数々。

アンドリュースさんは「この本には、ただ一枚の挿絵も入っておりません。それは、読者のみなさまに、自由に、想像力を発揮していただきたいからでございます。」と冒頭で語っていますが、その言葉のとおり言葉をつむぐことだけでとても豊かな世界を生み出されています。
天は二物を与えるのですね。

最後の教授の研究はちょっとどうだ・・・と個人的には思いましたが、空想世界のお話ですしハッピエンドだったので良しとします。
ワンドゥードルが人間世界を訪れてみたいと思うくらい楽しい世界にしたいという願いの結びは、私も深くうなずかされるものでした。