Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「まぼろしの白馬」エリザベス・グージ著(石井桃子訳)岩波書店

2007-06-18 | 児童書・ヤングアダルト
「まぼろしの白馬」エリザベス・グージ著(石井桃子訳)岩波書店を読みました。
両親と死別し、家庭教師のヘリオトロープ先生と田舎の古い館で暮らすことになった13歳の少女マリア。
姿を見せない料理番、いつのまにか置かれている乗馬服。
さびしい森にかこまれたその館では不思議なことがつぎつぎとおこります。
そして館の向こうには黒い男たちが住む城。
マリアは次第に自分たちの祖先と土地の歴史を知り、伝説の白馬(ユニコーン)に導かれ、自身の役割を果たしていきます。
第9回カーネギー賞を受賞しているファンタジー小説です。

謎が次第に解かれてくるリアリズムの中だからこそ、白馬の場面が超自然的なものとして心に残ります。
館の食事がどれもおいしそう。田舎の花々に囲まれた自然の描写もとても美しいです。いかにもイギリスの児童文学らしい物語。
J・K・ローリングもこの本を愛読していたらしいです。