「世界は村上春樹をどう読むか」柴田元幸ほか編(文藝春秋)を読みました。
17カ国・23人の翻訳者、出版者、作家が一堂に会し、熱く語り合った画期的なシンポジウムの全記録です。
どの項もよみ応えたっぷりでとっっっても面白かったです。
第一章はリチャード・パワーズさんの基調講演。
脳の働きと村上春樹さんの作品との驚くべき共通点について語っています。
脳とはインプット、アウトプットという一方的なフローではなく、ひとつの単語を口にする営みですら100人の演奏者によるシンフォニーの演奏になぞらえてもおかしくない。私は誰なのか?という自己感覚についても騒々しい議会であって、ゆるやかにつながった議員たちが互いにアップデートしあい、模倣し、修正しあいそのつど作り上げている自己に過ぎない。村上の作品には自分が自分だけの記憶でつくられているものではないということが見事に描かれている。
・・・うーんなるほど・・・すごく難しいことを私たちにわかりやすく伝えてくれるパワーズさんの知性、言葉、すごい・・・。ほかにもいろいろと深くうなずいてしまう指摘がたくさんありますよ。
第二章はフランス・韓国・ロシア・台湾・アメリカの翻訳者が語る村上春樹の魅力。NHKBSでも放送されました。ジェイ・ルービンさんの「かえるくん、東京を救う」の翻訳のくだりは柴田元幸さん著の「翻訳教室」でも詳しく読めます。
第三章は各国翻訳本表紙カバー比べ。
この章はかなり面白かったです。かっこいー!日本のよりむしろ素敵!と思う表紙があれば、なんで「ノルウェイの森」が「トーキョーブルース」?なんで浮世絵?と思う珍妙な表紙も。
第四章は四方田犬彦さんが語る村上春樹と映画。
第五章は翻訳ワークショップ。
「夜のくもざる」の中から「スパナ」と「夜のくもざる」を各国翻訳者が訳します。時制や擬音、固有名詞など翻訳が抱える限界、逆にそこを工夫する面白さなど翻訳のさまざまな側面が知れて楽しかったです。
これらのシンポジウムのあとみんなで山中湖で慰労会をしたそうです。
それものぞいてみたかったなー。
17カ国・23人の翻訳者、出版者、作家が一堂に会し、熱く語り合った画期的なシンポジウムの全記録です。
どの項もよみ応えたっぷりでとっっっても面白かったです。
第一章はリチャード・パワーズさんの基調講演。
脳の働きと村上春樹さんの作品との驚くべき共通点について語っています。
脳とはインプット、アウトプットという一方的なフローではなく、ひとつの単語を口にする営みですら100人の演奏者によるシンフォニーの演奏になぞらえてもおかしくない。私は誰なのか?という自己感覚についても騒々しい議会であって、ゆるやかにつながった議員たちが互いにアップデートしあい、模倣し、修正しあいそのつど作り上げている自己に過ぎない。村上の作品には自分が自分だけの記憶でつくられているものではないということが見事に描かれている。
・・・うーんなるほど・・・すごく難しいことを私たちにわかりやすく伝えてくれるパワーズさんの知性、言葉、すごい・・・。ほかにもいろいろと深くうなずいてしまう指摘がたくさんありますよ。
第二章はフランス・韓国・ロシア・台湾・アメリカの翻訳者が語る村上春樹の魅力。NHKBSでも放送されました。ジェイ・ルービンさんの「かえるくん、東京を救う」の翻訳のくだりは柴田元幸さん著の「翻訳教室」でも詳しく読めます。
第三章は各国翻訳本表紙カバー比べ。
この章はかなり面白かったです。かっこいー!日本のよりむしろ素敵!と思う表紙があれば、なんで「ノルウェイの森」が「トーキョーブルース」?なんで浮世絵?と思う珍妙な表紙も。
第四章は四方田犬彦さんが語る村上春樹と映画。
第五章は翻訳ワークショップ。
「夜のくもざる」の中から「スパナ」と「夜のくもざる」を各国翻訳者が訳します。時制や擬音、固有名詞など翻訳が抱える限界、逆にそこを工夫する面白さなど翻訳のさまざまな側面が知れて楽しかったです。
これらのシンポジウムのあとみんなで山中湖で慰労会をしたそうです。
それものぞいてみたかったなー。