森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

もっとゆっくりと意識を発生したい

2006年11月07日 07時29分53秒 | 過去ログ
昨日は朝5時より大学で仕事。
9時からの授業で使用する脳損傷のビデオを編集し,3回生にCD-Rとして配布し,検討してもらう。
みなさん,さまざまな思考をお願いします。
同時に2回生の科学英語論文講読法に入る。
英語でやりたいが,日本語で結局はカツを入れる。
1回生からの教育に入りたい。
もうすでに,大学のぬるま湯感覚になりつつある。
いい能力を持っていると思うんだが・・・もったいない。
取り上げたのはガレーゼのミラーニューロンの論文。
患者とのコミュニケーション。
ミラーニューロンと恋愛。
英会話と子どもの脳,そんな話になる。

終了後,卒論生の指導。
穏明寺くんの接触と姿勢調節は仮説通り。
あとは身体図式なども含めて考察してください。

藤川さんの言語化と力量調節学習も仮説通り。
表象より言語化の効果が明らかになる。
身体に対する意識化,感覚に対する意識化,が内省より明らかになるが,あとは注意の焦点化が良いのか,分散化がよいのか,質的な研究へとシフトしていく。

遠藤さんの能動的学習と車椅子駆動の身体イメージの改変は仮説は棄却されたが,経験者と未経験者は,運動制御と知覚システムに差異があることが判明した。データは眺め続け,あらゆる視点からみることが必要である。
みえないものがみえはじめる。

水上さんの音読と会話の前頭葉機能も仮説は棄却されたが,いずれにしても言語として表現することは前頭葉を賦活するようだ。もう少し眺めよう。

3回生ゼミへ

取り上げられたのは注意,統合失調症のミラーニューロン,音楽療法。
体性感覚と聴覚の情報変換メカニズムに仮説が浮かんだ。
運動前野のリラックス機能によって,伸張反射亢進に対して効果があるかもしれない・・

6時過ぎに終わり,そのまま,研究室に。
平成記念病院から藤田君が。
fNIRSの実験について,ゼミ生から少し意見をいただき,交換する。
大学院研究を創造してください。

その後,松井君のデータを見る。
仮説は棄却されたが,系列運動の運動イメージは視覚イメージ化が避けては通れず,それによりdual taskとなり,逆に記憶を減退させるかもしれない。
それには個人差がありそうだ。
注意の集中のためにはモダリティを考慮する必要がある。
イメージ付与には,時間が必要だし,ある一つの動きに注意を集中させる必要がある。
なんでもかんでも,観察,イメージでは困る。

終わって,22時。
原稿は書けず,研究費関係の書類も書けず,しかし,PT学会には登録した。
仮と思い,登録したが,一回修正したために,もうあと一回しか見れない状況になってしまった。

読まない,注意しないということはダメだな。