Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

ジロハチ

2018-06-26 |  その他
出かけた先で年配の方から話を聞いていたら、この先にバロン○○さんの親族の家があって、そこへもうちが品物を納めてますよ、なんて聞かされたことがありました。

バロンといえば普通ニシとかヨシモトとかアンダーソンなど上がりますが、遅ればせながら今年に入ってバロン・サツマの話、鹿島茂著「蕩尽王、パリを行く 薩摩治郎八伝」という本を読みました。思い出しては忘れを繰り返して、出たのが2011年だそうですから、7年たっています。

その年の少し前、薩摩治郎八さん本人が書いた「せ・し・ぼん 半生の夢」という本を読んでいたから、ずっと気になってました。



ご本人の書いたものを先に読んでおいた方がより楽しめるかと思いますが、それは図書館で借りるのが手っ取り早いと思います。
その本の後段に、嘘か本当かわからない東南アジアでの冒険譚みたいなのがあって、鹿島さんによれば、本人が楽しそうに書いているほどは面白くないので割愛したというその時代の話も、他の話から察するにあながちホラとも言いきれない、そうです。

鹿島さんが雑誌に書き始めて本になるまでの間に、他に二人の方が評伝を出したというくらい、とにかくご本人が面白いので、読み終ってすぐは軽いジロハチ・ロスにもなるかも知れません。



私どもの仕事に関連したところでは、オペラ歌手 藤原義江の書いたものからの引用、
「一条実基、森村勇、目賀田綱美の諸氏を僕に紹介してくれたのは、日本人クラブの桜井書記長であった。当時のロンドンには、前記の三氏のほかにも、いわゆる名門の御曹司がかなり集まっていたが、この三氏は何かにつけ際立っていた。その生活ぶりの豪奢なことは、日本人間はもとより、イギリス人の間にも有名であった。衣服にしても、すべてが最高級の、それもいっさい特別注文で、シャツならビール・アンド・イムマングかサルカで、靴ならラップかマックスウェルで、帽子ならリンコルン・ベンネットかスコットで、服はセヴィル・ローの老舗で、といった具合。そして、服を除いては器物はほとんどボンド・ストリートが中心とされていた」
(『流転七十五年 オペラと恋の半生』)

また読み終わって思うのは、「ローレンス・フェロウズ」をリサーチして、その作品と共にまとめてくれるアメリカ人が早く現われないかなぁ、といういつもの思いでした。
カルヴィン・トムキンズのようなタイプの人がある日こにの題材に興味をいだいて、一念発起してくれまいかと本当に思っています。
ただ、ジロハチさんを読んだ後ではずっと地味で、読み物としてはどうかという気もしますが。
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