Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

そのカッコどうしたの?

2011-03-09 | Soul
 バブルの頃に結婚したというおばちゃんがいて、川に洗濯へ......じゃなくて、ロシアへ羽毛布団を、イタリアへは家具を買い揃えに行ったそうです。
「寒い国の布団は違うはずだ」という何だか闇雲な説得力をもつ理由でしたが、即物的な夫婦は美術館とかには全く興味なかったようです。

その後バブルがはじけて、ある意味即物的な故に結婚生活も破綻してしまったとのこと。
「楽しい時もあったんだから良かったじゃないですか」と何の慰めにもならない言葉をかけると、酒とタバコで荒れたような声で豪快に笑ってました。



しばらく前に、アンリ・カルティエ=ブレッソンが助監督として働らかせてもらったジャン・ルノワールについて「きらきらと輝くような笑い声、ひとをからかうような調子」を懐かしむように書いていたのを引用しました。

着こなしの良さと一見あまり関係なさそうですが、会ったことのあるそういう傾向の方々は、気心が知れると共に、たいてい悪戯っぽいことを言います。
日本語で「からかう」と言うと、ちょっと良くないふうにも聴こえますが、他にぴったりした言葉が思いつきません。

何故か考えてみると、その専門分野について精通しているので、相手のアラがよく見えて、老婆心ながら一言いわずにおれないのではと推測します。

私の中でのウェル・ドレッサーは、先日書いたトラディショナルなテイストの他に、機知のある一言でひとをからかうのが特徴と言えるかも知れません。

私の場合は、先のおばちゃんみたいな人にからかわれたり、からかったり、低レベルの戦いに終始するのがせいぜいです。


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