両親が20~30代だった、今から30~40年前、
就職は当たり前にできていたものだったと言います。
高校に、求人の募集が企業からたくさん来ており、
公務員なんか、どこにも就職できないような人がなるものだと決まっていたそうです。
今から10数年前。わたしが高校生の頃。
「就職氷河期」という言葉が新聞に登場しました。
その現象がその後もさらに深刻になっていくとは、
誰も予想していなかったはずです。
というのも、その数年後、わたしが大学在学中、
「ITバブル」なるものが登場しました。
流行となった職業「SE」。システムエンジニアと言われる職業です。
理系強し、と言われた時代でした。
それと同時期ではなかったでしょうか、
卒業後も就職せずフリーターでも食っていける、と
「自分探し」をする若者が話題になりました。
就職が難しいから道に迷ったのか、
豊かになった世の中で、生き方の選択肢が増えたからなのか、
理由はいろいろあると思います。
わたしは後者だったでしょうか。
ろくに将来を考えていなかった罰であると思っています。
90年代のバブルがはじけ、ITバブルもはじけ、
リーマンショックなどで、景気がどんどん悪くなっていく中で、
競合他社に負け、いつ潰れるか分からない会社に入る不安・・・
成績を上げられず、いつクビにさせられるか分からない仕事に就く不安・・・
一度、ゆっくり自分を見つめなおし、将来について考えたい・・・
選択肢が今より少なかった、親の世代には理解できない価値観でしょう。
学校を出たらすぐ働いて、親に1万円でも2万円でも渡すことが、
ごく当たり前だった時代でしたから、
昔より仕事があるのに、何で働かないの?と疑問を持たれても仕方ないでしょう。
今、自分探しという言葉を聞かなくなりました。
自分が就職し、一線から遠のいたから耳に入らなくなっただけかもしれません。
今の学生に、仕事が増えたのか減ったのかも、正直よく分かりません。
ニュースで「就活」のシステムの見直しが始まったとか言っていましたが、どうなんでしょうか。
ただ、生活保護の仕事をしていて、
中小企業が倒産、業績悪化し、大人がどんどん路頭に迷っているのを知る中で、
果たして若者がフリーターでも生活していける環境なのか、と疑問に感じました。
今は就職じゃなく、フリーターをしたくても出来ない時代なのではないか、と。
今日の新聞で、
「大卒が専門学校に流れる」という記事を目にしました。
わたしたちの頃も、院に逃げたりする人がいました。
院卒だと、新卒扱いになり、就職に有利、というわけです。
学生である期間を少しでも延ばし、新卒の肩書きを手に入れる・・・
もしくは、就職に直結した専門学校で、確実性を手に入れる・・・
就職の困難さは死活問題です。
大人から何と言われようが、みんなそれなりに、様々な手段で必死に戦っています。
応援したい、なんて奇麗事を言うつもりはなく、
ただただ、自分に子どもがいたら、親として何が出来るのか、
と考えるだけで精一杯な、今日この頃です。