朝、咳をする娘に差し出したコップを、
娘は手でちょいと押し返す。
再び娘の前に押し戻すと、
さらに娘は跳ね除けるように押し返す。
こぼれる水。
3回繰り返して、コップの周りは水だらけになった。
日常生活で娘に拒否されることは少なくない。
私よりも妻がいいらしい。
妻に任せきりだと、妻への負担が集中するから、
少しでもやれることはやりたいのだが、
別人格のように、娘は私を拒絶するようになった。
これも第一思春期の行動なのだと頭では分かっている。
大切な通過点だから、割り切って接することが肝要なのだろう。
しかし、なかなかそう簡単に割り切れなかったりする。
特別厳しい父親をやっているわけでは全くないのに、
むしろたくさん遊んで、娘の相手をしてあげているから、
頑なに拒まれると凹む。
そうこう言っても、一時期の反抗期で、
しばらくすると落ち着くのだと思う。
思うようにいかないのは、仕事も育児も同じだなあ。
途方に暮れそうな心境が、
むしろ気分を楽にさせてくれるようにも思う。
やれることをやればいい、
やれないことはやれないのだから、
頑張り過ぎなくていい、
と気づかせてくれている気すらする。