いっぽいっぽまたいっぽ

今年度44歳。14年前に地元の役所に就職した田舎者が、巨大組織で働きながら、日々思うことを綴る日記です。

保護開始前の就労支援

2012-10-28 00:03:17 | 日記
本日の朝刊に、そんなことを厚労省が始めるとの記事がありました。

内容は簡単に言うと、福祉事務所に専門の相談員を置き、

保護申請に来た若者を、保護受給する前に、

仕事を紹介し、働かせ、自立させようというもの。



聞こえはいいです。

やったらいいことは、予算さえあればいくらでもあるんですから。



ただ、その効果が問題だと、言わざるを得ません。

元ケースワーカーとして、難点があることをぜひご紹介したいと思うのです。



保護申請者が、体調又は精神状態などが悪いからという理由で

仕事を選びたがる又は自分に出来る仕事がないと言って働かない。

結果、預貯金が減り、生計が維持出来ず、申請が決定される。



こうなることが、容易に想像できます。



自治体は、申請があってから、2週間以内に、

保護受給の可否を決定し、通知しなければならない努力をしないといけません。



遅くとも1カ月までに通知せねばなりません。

確か行政の不作為かで、

1カ月を越えてはいけないことになっています。


わたしのいた福祉事務所にも、相談員はいましたが、

理解し難いような理由を付けて、就労を拒む生活保護者が多く、

難航していたのを思い出します。



なのに、ケースワーカーは、まず無理と分かっていても、

上からやれと指示され、家に行き、説明し、ハローワークに同行し、

相談員に話を聞き、半ば無理矢理応募させるから採用なんてされず、

時間のムダ…という風なことが何件もあるんですね。


病気は、本当にやむを得ない人もいるので一概に言えませんが、

就労が出来ない理由となる最強の武器、と言っても過言ではないと

言わざるを得ないのが、近年の状況だと思うのです。



また、バブル期のような、右肩上がりの好景気でもなければ、

この状況は大きく変わらないというのが、正直な感想です。

なので、就労支援は、この不景気では効果が非常に乏しいものと

感じずにはいられないのです。



でも、行政は四方八方手を尽くさないといけません。



過酷な職場です。



コメント
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