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東証大引け 日経平均は6日ぶり反落 円高進行で一時700円安 国内株概況 2024年8月19日 15:30

2024-08-19 16:15:53 | 日記
東証大引け 日経平均は6日ぶり反落 円高進行で一時700円安
国内株概況
2024年8月19日 15:30

19日の東京株式市場で日経平均株価は6営業日ぶりに反落し、終値は前週末に比べ674円05銭(1.77%)安の3万7388円62銭だった。外国為替市場での円高・ドル安進行を背景に海外短期筋などからリスク回避目的の売りが出て、日経平均の下げ幅は一時700円を超えた。東証プライム市場の値下がり銘柄数は8割を超えるなど、幅広い銘柄で売りが優勢となった。

日経平均は前週に3000円以上上昇していたことから、急伸の反動で朝方から売りが先行した。過去の米雇用統計が改定により大幅に下方修正となるとの観測が一部で伝わると、19日午後の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=145円台前半まで上昇した。円高進行に歩調を合わせて日経平均先物には海外短期筋などから断続的な売りが出た。

日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時30台に上昇した。前週は円高一服とともに日経平均が大幅高になったとあって、揺り戻しが懸念されていた。「もともと警戒されていたなか、米雇用の下方修正観測で円高が一気に進んだため、ヘッジ目的の株売りが膨らんだ」(大和証券の坪井裕豪日米株チーフストラテジスト)との声が聞かれた。

日本株の下値の堅さを意識した買いが入り、日経平均は午前に上昇に転じる場面もあった。海外の中長期目線の投資家が日本株の割安感に着目して買いを入れているとの見方が支えとなったが、買いは続かなかった。

東証株価指数(TOPIX)も6営業日ぶりに反落した。終値は37.46ポイント(1.40%)安の2641.14だった。JPXプライム150指数も6営業日ぶりに反落し、16.46ポイント(1.37%)安の1181.96で終えた。

東証プライムの売買代金は概算で4兆1613億円、売買高は17億1772万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1373。値上がりは252、横ばいは21だった。

ファストリや東エレク、TDKが下げた。一方、セブン&アイやニトリHD、KDDIは上げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

「ボタン押し放題」に予約殺到 エレベーター部品の会社で 押したい欲求くすぐる狙い

2024-08-19 15:46:24 | 日記
「ボタン押し放題」に予約殺到 エレベーター部品の会社で 押したい欲求くすぐる狙い

2024/08/19 10:55テレ朝news
(テレ朝news)

 東京の中小企業がボタンを「押す」ことに特化した施設をオープンし、予約が取れないほどの人気となっています。
■エレベーター部品の会社 工場内に開設

子どもも大人も夢中
子どもも大人も夢中

 子どもが夢中になって押しているのは「ボタン」です。とりこになっているのは、むしろ大人の方かもしれません。

東京・八王子市にある施設「OSEBA」
東京・八王子市にある施設「OSEBA」

 先月オープンしたばかりの施設「OSEBA」。エレベーターの部品をオーダーメイドで製造する東京・八王子市の中小企業「島田電機製作所」が、多くの人に会社のことを知ってもらおうと工場内に開設しました。

ボタンを「押す」だけの施設
ボタンを「押す」だけの施設

 すると瞬く間に、連日予約がほとんど埋まってしまう盛況ぶり。ボタンを「押す」だけの施設の人気の秘密はどこにあるのでしょうか?




■「あったらいいな!」ボタン募集には…

目玉コーナー「1000のボタン」
目玉コーナー「1000のボタン」

 目玉は、様々な種類のボタンがずらりと並んだ「1000のボタン」というコーナーです。

押したい欲求くすぐる狙い
押したい欲求くすぐる狙い
島田電機製作所 企画チーム小倉心愛主任
「光ってない所があったら光らせたい。ボタンがあったら押したくなるというふうに。日常的な中でも、押すという行為はたくさんありふれているなかで、押したいという欲が少なからず人間にはあると。そういう欲望を発散させようという思いでつくった」

狙いは的中
狙いは的中

 その狙いは、ズバリ的中しました。
来場者(子ども)
「(Q.どのボタンが楽しかった?)このボタン」
来場者(大人)
「いかにも押しちゃいけない感じで、うれしいですね」
「(Q.エレベーターのボタン全部押したいとか?)欲求はありますよね。(日頃は)我慢してます。満たされますね」
来場者(大人)
「エレベーターとか乗ると、(どちらが)ボタン押したがって、けんかになったりするので。いっぱい押せたらなと思います」

「あったらいいな!」ボタン募集コーナー
「あったらいいな!」ボタン募集コーナー

子どもたちの無邪気な願い
子どもたちの無邪気な願い

 来場者から「あったらいいな!」というボタンを募集するコーナーには、「夏休みのしゅくだいなくなる」「ともだちがふえるボタン」「学校休み」など、子どもたちの無邪気な願いが並びます。

 中には、こんな思いを託した小学生もいました。

「戦争を止めるボタンがあったらいいな」
「戦争を止めるボタンがあったらいいな」
来場者(小学生)
「戦争を止めるボタン。世界で戦争をしている国が多いから、止めるためには戦争を止めるボタンがあったらいいな」

「資産が増える」など大人は現実的?
「資産が増える」など大人は現実的?

 一方で、大人が書いたと思われるボタンは「資産が増える」「有給一日延長」「宿題やれ!!」など、なんとも現実的です。

直前に予約が取れることも
直前に予約が取れることも

 もちろん、会社の歴史や製品の仕組みについても学べるこの施設。直前に予約が取れることも多いそうで、ボタンを押しまくりたいという人は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

(「グッド!モーニング」2024年8月19日放送分より)



7&iHD株が後場ストップ高、カナダコンビニ大手が買収提案と報道 2024/08/19 13:56ロイター

2024-08-19 15:37:29 | 日記
7&iHD株が後場ストップ高、カナダコンビニ大手が買収提案と報道
2024/08/19 13:56ロイター


 8月19日、東京株式市場でセブン&アイ・ホールディングスが後場に入り上げ幅を拡大して22.7%高の2161円まで買われ、ストップ高水準まで値上がりしている。2017年12月撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)

(ロイター)
[東京 19日 ロイター] - 19日の東京株式市場でセブン&アイ・ホールディングスが後場に入り上げ幅を拡大して22.7%高の2161円まで買われ、ストップ高水準まで値上がりしている。日本経済新聞が同日、カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたことが分かったと報じ、手掛かりとなっている。

報道によると、同社は社外取締役で構成する独立委員会を立ち上げており、評価額など提案内容の精査を始めたという。その答申を踏まえ、受け入れるかを検討する。



【日本市況】円1%超高、日米中銀トップ発言控え-日経平均600円安 2024年8月19日 14:17 JST

2024-08-19 15:23:11 | 日記

【日本市況】円1%超高、日米中銀トップ発言控え-日経平均600円安
日高正裕、横山桃花、酒井大輔
2024年8月19日 14:17 JST

19日の日本市場では円相場が対ドルで一時1%超上昇して145円台後半に水準を切り上げた。日本銀行の植田和男総裁の衆参両院の閉会中審査とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を今週末に控え、ドル売り・円買いが優勢になっている。

  株式は円高を嫌気した売りが強まり、日経平均株価は一時600円を超える下げとなった。債券はあすの20年債入札が懸念される中、高値警戒感から下落している。

  植田総裁は23日に衆参両院の閉会中審査に参加し、利上げや株式市場の反応に関する意見聴取に応じる。米国では同日、パウエルFRB議長がカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演する。9月の利下げや先行きの金融政策に関して何らかの示唆があるかが注目されている。

  日銀が7月の金融政策決定会合で追加利上げを決めた後、米国景気の先行き不安も加わって急変動した金融市場は、内田真一日銀副総裁のハト派発言をきっかけに落ち着きを取り戻してきた。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは植田総裁の発言について、日米とも株価が戻り基調にあるため、内田副総裁と変わらないトーンになっても利上げ継続が重視され、タカ派と受け止められる可能性を指摘する。

日銀の年内追加利上げに賭け、バンガードなど国債ショート積み増し

今週の目玉はFRB議長ジャクソンホール講演-FOMC議事要旨も
国内為替・株式・債券相場の動き-午後1時45分過ぎ

円は対ドルで前週末比1.1%高の146円04銭
一時145円87銭に上昇、8日以来の高値

東証株価指数(TOPIX)は前週末比1.3%安の2644.20
日経平均株価は1.6%安の3万7438円31銭

長期国債先物9月物は一時前週末比29銭安の144円54銭まで下落後、安値圏で推移
新発10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)高い0.90%
新発2年債利回りは2bp高い0.37%
新発5年債利回りは3bp高い0.52%

為替

  円相場は一時1ドル=145円台後半に上昇。今週末のパウエルFRB議長の講演と植田日銀総裁の衆参両院の閉会中審査を控え、日米の金利差縮小をにらんだ円買い・ドル売りが出ている。

  東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、投機筋のポジションが円の売り越しから3年ぶりに買い越しに転換しており、「日銀の利上げを諦めていない投資家がいるのかもしれない」と語る。

  米商品先物取引委員会(CFTC)が16日発表した13日終了週の建玉(未決済約定)報告によると、投機筋のポジションは円の売り越しから3年ぶりに買い越しに転換した。

ヘッジファンド、円の買い越しに転換-キャリトレ解消で3年ぶり

  柴田氏は、パウエルFRB議長もジャクソンホール会合で9月の利下げに向けた地ならしに入るだろうとし、「週末の日米中央銀行トップの発言を前に円を買いドルを売っておこうという動きかもしれない」と述べた。

  大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、植田総裁が閉会中審査でハト派だった内田副総裁の講演をなぞる発言をすれば市場は安定する一方、「従来のタカ派発言を踏襲すれば円高方向に波乱の展開になる」と指摘。今週は円高方向の想定として1ドル=145円くらいをみておいた方がいいかもしれないと述べた。

アジア通貨7カ月ぶり高値、米「ゴルディロックス」シナリオが追い風
株式

  株式相場は反落し、日経平均は一時600円を超える下げとなった。為替の円高進行を受けて下げ幅を拡大した。午前はプラス圏に転じる場面も見られたが、前週に大幅上昇した反動も出やすく、買いは続かなかった。

  業種別では、電機や機械など為替感応度の高い輸出関連株が売られ、海外原油市況の反落を受け鉱業株も安い。半面、上海輸出コンテナ運賃指数の上昇を背景に海運株は堅調だ。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、前週に上昇した反動で売りが優勢になっていると指摘。電機や機械は円高進行に加えて機械受注がやや弱かったことも材料視され、利益確定売りが出ている可能性があるとみている。ボラティリティーが高い状況が続く中、前週の上昇を受けたポジション縮小の動きがしばらくは出やすいと述べた。
債券

  債券相場は下落。23日に植田日銀総裁が閉会中審査で発言する内容を見極めたいと買いを控える雰囲気が強い。20日の20年債入札への警戒感も重しとなっている。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、20年債入札や週末の植田日銀総裁の発言を控える中で相場全体に高値警戒感があると指摘。「2年債の0.3%台半ばや5年債の0.4%台は少し買い進まれた意識があり、水準的に買いづらい」と述べた。

  また、20年債入札については金利水準がまだ低く警戒感があるとした上で、「ボラティリティーが収まりきれておらず、リスクとリターンのバランスから魅力が改善していない」と述べた。

  SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストはリポートで、短期的なショートカバーは国内外の投資家ともほぼ一巡したとみられるとし、ここからは金利上昇方向を想定した方がよいと指摘した。

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中国の鉄鋼過剰、世界揺るがす-業界全体が窮地に陥る恐れ Bloomberg News 2024年8月19日 11:06 JST

2024-08-19 15:05:24 | 日記

中国の鉄鋼過剰、世界揺るがす-業界全体が窮地に陥る恐れ
Bloomberg News
2024年8月19日 11:06 JST

中国の建設不況は鉄鋼が多過ぎ、需要が少な過ぎることを意味する
鉄鋼生産レベルを維持できているのは輸出という開放弁のおかげ

上海で建設鋼材の鋼管杭を販売するユィ・ヨンチャン氏の年間売り上げは、数年のうちに4分の3余り減った。「トンネルの先に光が見えない」ほどのひどい市況だという。

  チリでは労働組合のリーダー、エクトル・メディナ氏がウアチパト製鉄所で50年近く続けている仕事を失おうとしている。

  鉄鋼業界における中国という圧倒的な存在が、彼らが働く業界、ひいては彼らのキャリアと生活を長年にわたって支配してきたことが、あらためて浮き彫りとなっている。

  世界2位の経済大国、中国は年10億トン余り、つまり、世界の生産量の半分以上を生産している。しかし今、その中国が揺らいでいる。

  中国が鉄鋼のスーパーパワーになる過程で世界の鉄鋼業界に衝撃を与えたように、そのピークからの退潮もまた、それに劣らない激動を招く可能性を秘めている。

China Is By Far the Dominant Force in Global Steel

Top 10 producers in 2023

Source: World Steel Association

  中国国内の建設不況が意味しているのは、鉄鋼が多過ぎ、需要が少な過ぎるということだ。各国は中国で余った鉄鋼が自国市場に流れ込み、価格を押し下げ、製鉄所を廃業に追い込み、労働者を失業させるのではと懸念。そうなれば、世界が今直面している経済的課題が一段と悪化することになる。

  欧州一の経済大国ドイツは今年、ほとんど成長しない見通しだ。大統領選を11月に控える米国は鉄鋼業界向けの保護措置を強化しているが、ペンシルベニア州のような激戦州における鉄鋼の重要性を考えると、脅威と見なされ得るものなら何であれ、選挙戦の争点となる可能性がある。
「厳しい冬」

  中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、不動産頼みの経済成長から脱却しようとしているが、これは鉄鋼業界にとって重大な意味を持つ。

  習氏は今後数十年かけハイテク製造業とグリーンテクノロジーを中国経済の原動力にしたいと考えている。そうした中で、不動産危機によって、鉄鋼需要が急拡大していた長い時代は終わりを告げた。

  だが、経済と雇用を支えようとする習指導部が、需要縮小をどのように管理できるかを巡っては大きな疑問が残る。ユィ氏は「価格急落に伴い利益率も小さくなっている。中国の需要は弱い」と述べた。

Baowu Steel Group's Baoshan Production Facility in Shanghai
宝武鋼鉄集団の熱間圧延作業場(上海)
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  中国宝武鋼鉄集団の胡望明会長は最近、この課題の深刻さを明確に示した。胡氏は毎年1億3000万トンの鉄鋼を生産する高炉帝国を統括している。この生産量は米国とドイツ、フランスを合わせても及ばない。

  警告を発したのは胡氏が初めてではないにせよ、中国の鉄鋼セクターが「厳しい冬」に直面していると述べた同氏の言葉には、中国国内だけでなく世界全体が重みを感じた。

  山西建邦集団も最近、危機感を強調。ソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)への投稿によると、鉄鋼業界が現在の苦境から抜け出すためには企業の3割余りが淘汰(とうた)される必要があるとの見方を張鋭ゼネラルマネージャーが15日に示した。

Xi Jinping’s Great Economic Rewiring Is Cushioning China’s Slowdown
建設が止まった工事現場(徐州、7月)
Source: Bloomberg

  コンサルティング会社、上海スチールホームEコマースを創業し、業界に40年携わってきたウー・ウェンチャン氏は「中国の鉄鋼需要はすでに天井を打ち、次は着実に減少していくはずだ」と分析。「製鉄会社間の合併や再編を政府が強力に後押ししない限り、鉄鋼が今後2、3年でこのサイクルから抜け出すのは非常に難しいだろう」と予想した。

  不動産不況に加え、インフラ支出にも陰りが見え始め、製鉄所は右肩下がりの価格下落に苦しんでいる。習指導部が過去の危機時のような大規模な景気刺激策を控えているにもかかわらず、中国経済はそれでも年5%前後の成長目標を達成する方向だ。
生産能力過剰

  鉄鋼価格の下落は、鉄鋼を使用する企業にとってはもちろん恩恵だが、生産者への影響は深刻で、利益は圧迫され、製鉄所閉鎖につながる。

  チリ政府は今年、中国からの輸入品に課す新たな関税を急ぎ導入し、製鉄会社CAPの高炉閉鎖をいったんは阻止した。閉鎖の決定を撤回した同社だったが、さらに大きな四半期損失を出すと閉鎖計画を復活させた。

  その結果、労組リーダーの一人としてメディナ氏(72)は従業員2500人の退職金交渉に追われることになった。また、2万人以上が何らかの関連事業に依存している地元経済にとっても大きな打撃だ。

Chilean steel company Huachipato workers erect barricades to protest plant's closure, Talcahuano, Chile - 01 Apr 2024
ウアチパト製鉄所の閉鎖計画に抗議する労働者(4月1日)
Photographer: Felipe Vasquez/EPA-EFE/Shutterstock

  メディナ氏は「閉鎖は不名誉なことであり、中国との絶対的に不公平な競争の結果だ」と主張。「われわれは皆、所得源を失うことになる」と話した。

  鉄鋼需要がすでに低迷している欧州では、ドイツのザルツギッターが1-6月(上期)の赤字を報告した際、過剰生産能力と中国の輸出をその理由に挙げた。

  独経済省はブルームバーグに対し、状況を注視しているとし、「厳しい国際競争」に触れた。欧州トップの鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタルも同じような批判を展開している。

  ドイツ鉄鋼協会のマネジングディレクター、マーティン・テューリンガー氏は、「われわれの懸念が現実になりつつあることを中国からの警告が示している。それは強靭(きょうじん)さに関してだ。過剰生産能力は、この業界の収益性と持続可能性を危うくしている」と述べた。

  2015年と16年に起きた前回の鉄鋼危機は、欧州と米国で大問題となった。16年の米大統領選を制したトランプ前大統領は選挙戦の大半で安価な中国からの輸入品から米国を守ることを公約に掲げた。

  欧米と中国の間にある現在の貿易摩擦の多くは、21世紀のテクノロジーに集中している。だが、特に米国のラストベルト(さびた工業地帯)や英国の北部イングランドなど歴史ある企業やその周辺に築かれた地域社会に関して言えば、鉄鋼は感情に訴える力を保持している。加えて、国防部門が鉄鋼を必要としていることを踏まえると、鉄鋼は国家安全保障上の問題でもある。
輸出

  中国の産業規模は、国内需要の小さな波紋でさえ、それが波及すれば多大なダメージを国外にもたらすことを意味する。1-6月の輸出量は北米の全生産量に匹敵し、今年約1億トンに達する勢いだ。

  これは、国内価格の低迷により、一部の鉄鋼を海外に出荷した方が採算が取れるようになったことが要因だ。ベンチマーク製品である熱延コイルは、20年以降で最も安い価格で中国から輸出されている。通常、中国より2、3カ月遅れるグローバル価格もまた、数年来の低水準にある。
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中国で輸出準備される鋼材(連雲港、2020年)
Source: Costfoto/Future Publishing/Getty Images

  スラブや薄板、鉄筋といった鉄鋼の基本的な形態であれば、市場の流動性は高く、新しい買い手を見つけるのは比較的容易だ。欧米が通商防衛が強化する中で、鉄鋼製品は新たな市場に流れ込む。

  安価な輸入品の増加に悩まされているのが中南米で、他地域が極めて高い関税を中国製品に課していることが背景だ。今世紀の初めごろ、中国はこの地域に年間わずか8万500トンの鉄鋼を出荷していただけだったが、昨年は1000万トンに近づいた。

  コロンビアの鉄鋼業界団体を率いるダニエル・レイ氏は「日に日に状況が危機的になっている。われわれは無防備な状態だ」と語った。同団体は政府に保護措置を講じるよう求めている。

Where Are China's Steel Exports All Going?

Source: General Administration of Customs

Note: *Assocation of Southeast Asian Nations



  バイデン米大統領は今年、全米鉄鋼労働組合(USW)で演説し、中国の鉄鋼とアルミニウムに高関税をかけるよう呼びかけた。同大統領の最高経済顧問の一人であるブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は当時、中国の「政策主導による過剰生産能力は、米国の鉄鋼・アルミニウム産業の将来に深刻なリスクをもたらす」と述べた。

  米国はまた、メキシコのような第三国を通じて中国から出荷される鉄鋼を抑制する対策も取っている。
ジレンマ

  米国とその同盟国が鉄鋼セクターを巡り中国勢にどう対抗するかという問題は、緊張に満ちている。例えば日本製鉄によるUSスチール買収計画の支持者は、競争に勝てる規模の会社を誕生させることができると論じるが、トランプ、バイデン両氏を含め米国の政治家は反対している。
TOPSHOT-US-VOTE-POLITICS-BIDEN-STEELWORKERS

バイデン大統領(ペンシルベニア州ピッツバーグのUSW本部、4月17日)
Photographer: Andrew Caballero-Reynolds/AFP/Getty Images

  中国の鉄鋼問題は、鉄鋼の主要原料である鉄鉱石にも影響が及ぶ。鉄鉱石は今年最もパフォーマンスの悪い商品の一つで、16日終了週だけで価格が10%近く急落した。

  中国政府は今、ジレンマに直面している。当局は鉄鋼業界の再編を望んでいるかもしれないが、実際にそう動けば経済の不確実性が高まっているタイミングで、成長にひずみが生じ、雇用が脅かされることになる。

  需要低迷と過剰生産能力により、赤字企業が急増しており、6月時点で関連する赤字企業は2300社を超え、昨年末から3分の1増加した。

  鉄鋼の過剰生産に対処する最新の取り組みは20年代に入り、「脱炭素」の枠組みの中で開始された。20年に生産量が過去最高の10億5000万トンに膨れ上がった後、中国政府は公害を引き起こす鉄鋼業界の炭素排出を抑制するため、前年以下という上限を課した。この取り組みは漸進的なもので、おおむね成功を収めているが、生産量の大幅な削減には至っていない。

China Produces a Massive Amount of Steel

And production hasn't fallen much despite the housing market collapse

Source: China's National Bureau of Statistics

  今のような鉄鋼生産レベルを維持できているのは、主に輸出という開放弁のおかげだ。調査会社カラニッシュ・コモディティーズによると、国内需要は20年以降10%余り減少している。世界鉄鋼協会は今年4月、中国は鉄鋼需要のピークに達したもようで、中期的にはさらに減少し得るとの見通しを示した。

  上海スチールホームのウー氏は「1社が損をするのは普通だが、業界全体が損をするのは異常だ。政府の政策調整が必要だ。市場に頼っているだけでは、業界全体が非常に悲惨なことになる」との見方を示した。

原題:Too Much Steel in China Means Trouble for the World (抜粋)

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