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【日本市況】円1%超高、日米中銀トップ発言控え-日経平均600円安 2024年8月19日 14:17 JST

2024-08-19 15:23:11 | 日記

【日本市況】円1%超高、日米中銀トップ発言控え-日経平均600円安
日高正裕、横山桃花、酒井大輔
2024年8月19日 14:17 JST

19日の日本市場では円相場が対ドルで一時1%超上昇して145円台後半に水準を切り上げた。日本銀行の植田和男総裁の衆参両院の閉会中審査とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を今週末に控え、ドル売り・円買いが優勢になっている。

  株式は円高を嫌気した売りが強まり、日経平均株価は一時600円を超える下げとなった。債券はあすの20年債入札が懸念される中、高値警戒感から下落している。

  植田総裁は23日に衆参両院の閉会中審査に参加し、利上げや株式市場の反応に関する意見聴取に応じる。米国では同日、パウエルFRB議長がカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演する。9月の利下げや先行きの金融政策に関して何らかの示唆があるかが注目されている。

  日銀が7月の金融政策決定会合で追加利上げを決めた後、米国景気の先行き不安も加わって急変動した金融市場は、内田真一日銀副総裁のハト派発言をきっかけに落ち着きを取り戻してきた。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは植田総裁の発言について、日米とも株価が戻り基調にあるため、内田副総裁と変わらないトーンになっても利上げ継続が重視され、タカ派と受け止められる可能性を指摘する。

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今週の目玉はFRB議長ジャクソンホール講演-FOMC議事要旨も
国内為替・株式・債券相場の動き-午後1時45分過ぎ

円は対ドルで前週末比1.1%高の146円04銭
一時145円87銭に上昇、8日以来の高値

東証株価指数(TOPIX)は前週末比1.3%安の2644.20
日経平均株価は1.6%安の3万7438円31銭

長期国債先物9月物は一時前週末比29銭安の144円54銭まで下落後、安値圏で推移
新発10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)高い0.90%
新発2年債利回りは2bp高い0.37%
新発5年債利回りは3bp高い0.52%

為替

  円相場は一時1ドル=145円台後半に上昇。今週末のパウエルFRB議長の講演と植田日銀総裁の衆参両院の閉会中審査を控え、日米の金利差縮小をにらんだ円買い・ドル売りが出ている。

  東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、投機筋のポジションが円の売り越しから3年ぶりに買い越しに転換しており、「日銀の利上げを諦めていない投資家がいるのかもしれない」と語る。

  米商品先物取引委員会(CFTC)が16日発表した13日終了週の建玉(未決済約定)報告によると、投機筋のポジションは円の売り越しから3年ぶりに買い越しに転換した。

ヘッジファンド、円の買い越しに転換-キャリトレ解消で3年ぶり

  柴田氏は、パウエルFRB議長もジャクソンホール会合で9月の利下げに向けた地ならしに入るだろうとし、「週末の日米中央銀行トップの発言を前に円を買いドルを売っておこうという動きかもしれない」と述べた。

  大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、植田総裁が閉会中審査でハト派だった内田副総裁の講演をなぞる発言をすれば市場は安定する一方、「従来のタカ派発言を踏襲すれば円高方向に波乱の展開になる」と指摘。今週は円高方向の想定として1ドル=145円くらいをみておいた方がいいかもしれないと述べた。

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株式

  株式相場は反落し、日経平均は一時600円を超える下げとなった。為替の円高進行を受けて下げ幅を拡大した。午前はプラス圏に転じる場面も見られたが、前週に大幅上昇した反動も出やすく、買いは続かなかった。

  業種別では、電機や機械など為替感応度の高い輸出関連株が売られ、海外原油市況の反落を受け鉱業株も安い。半面、上海輸出コンテナ運賃指数の上昇を背景に海運株は堅調だ。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、前週に上昇した反動で売りが優勢になっていると指摘。電機や機械は円高進行に加えて機械受注がやや弱かったことも材料視され、利益確定売りが出ている可能性があるとみている。ボラティリティーが高い状況が続く中、前週の上昇を受けたポジション縮小の動きがしばらくは出やすいと述べた。
債券

  債券相場は下落。23日に植田日銀総裁が閉会中審査で発言する内容を見極めたいと買いを控える雰囲気が強い。20日の20年債入札への警戒感も重しとなっている。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、20年債入札や週末の植田日銀総裁の発言を控える中で相場全体に高値警戒感があると指摘。「2年債の0.3%台半ばや5年債の0.4%台は少し買い進まれた意識があり、水準的に買いづらい」と述べた。

  また、20年債入札については金利水準がまだ低く警戒感があるとした上で、「ボラティリティーが収まりきれておらず、リスクとリターンのバランスから魅力が改善していない」と述べた。

  SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストはリポートで、短期的なショートカバーは国内外の投資家ともほぼ一巡したとみられるとし、ここからは金利上昇方向を想定した方がよいと指摘した。

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