コズモと読んでください COSUMO

株式、債券、為替、投資信託を主に

緩和出口での一時的な赤字や債務超過、政策運営損なわれず-日銀総裁 2023年9月30日 17:17 JST ブルームバーグ

2023-09-30 21:25:49 | 日記

緩和出口での一時的な赤字や債務超過、政策運営損なわれず-日銀総裁
伊藤純夫
2023年9月30日 17:17 JST ブルームバーグ

2%物価目標の持続的・ 安定的な実現見通せず、なお出口と距離
多角的レビューの第1弾、財務健全性に留意しつつ適切な政策運営


日本銀行の植田和男総裁は30日、金融緩和政策からの出口局面で一時的に赤字や債務超過になっても、政策運営能力が損なわれることはないとの見解を示した。福岡市で行われた日本金融学会の秋季大会で講演した。

  植田総裁は、金融引き締め局面では当座預金に対する付利金利の引き上げで支払い利息が増加するなど、収益が縮小するメカニズムを紹介。中央銀行には通貨発行益が発生する収益面での特徴もあり、「やや長い目で見れば、収益が確保できる構造にある」と説明した。

  また、金融政策の目的はあくまでも「物価の安定」であり、日銀として「財務などへの配慮から、必要な政策の遂行が妨げられるということはない」と語った。

  もっとも、中銀の財務リスクが着目され、金融政策を巡る無用の混乱が生じる場合は「そのことが信認の低下につながるリスクがある」と指摘。中銀がいくら赤字や債務超過になっても問題がないとは言えないとも述べ、日銀として「財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努めていくことが適当だ」との見解を示した。

  世界的な高インフレの抑制を目的に、各国中銀は利上げを進めており、市場関係者や金融専門家らを中心に中銀が抱える財務リスクに関心が集まっている。

  植田総裁は、日本では2%物価目標の持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っておらず、「なお出口には距離がある」と改めて表明したが、10年超に及ぶ大規模緩和の推進でバランスシートは国内総生産(GDP)を大幅に超過。インフレ圧力が続く中、出口の影響などの議論を早期に開始する重要性が高まっている。

日銀バランスシートの対GDP比



  出口局面では、バランスシートの規模や動向が収益に影響を与えることになるが、バランスシートの縮小ペースは満期を迎えた保有国債の再投資をどのように行うかで異なると植田総裁は説明。長短金利の推移も時々の情勢で異なるとし、出口局面で日銀が逆ざやとなるのか、なった場合の財務への影響度は「現時点で正確に予測することはできない」と語った。

  植田総裁は今回の「中央銀行の財務と金融政策運営」をテーマにした講演を「多角的レビューの一環」と位置付けた。レビューは総裁が就任して初めて出席した4月の金融政策決定会合で実施を決めた。過去25年間の金融政策運営について、1年間から1年半程度の期間で実施するもので、今回の講演が取りまとめの第1弾となる。
その他の発言

中銀財務、民間とのアナロジーで考えること適当ではない
金融政策への評価、物価安定という目的達成状況でなされるべき

関連記事

YCCで粘り強く金融緩和継続、好循環実現の正念場-日銀総裁
日銀が大規模緩和維持、先行き指針も変わらず-円売られ148円台
国債利払いへの配慮から政策遂行が妨げられることない-日銀総裁

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE

【米国市況】S&P500が反落、NY連銀総裁発言が重し-149円台前半 2023年9月30日 6:03 JST ブルームバーグ

2023-09-30 06:37:20 | 日記

【米国市況】S&P500が反落、NY連銀総裁発言が重し-149円台前半
Cristin Flanagan
2023年9月30日 6:03 JST ブルームバーグ

ウィリアムズ総裁、「しばらくの間」高金利維持する姿勢示す
米政府機関の閉鎖見通しと自動車スト拡大も弱材料



29日の米株式市場ではS&P500種株価指数が反落。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「しばらくの間」、政策金利を高水準で維持する姿勢を示したため、売りが優勢になった。米国債相場も上値が重くなった。

ニューヨーク連銀総裁、米利上げが既に完了した可能性を示唆

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4288.05 -11.65 -0.27%
ダウ工業株30種平均 33507.50 -158.84 -0.47%
ナスダック総合指数 13219.32 18.04 0.14%

  大型ハイテク株で構成するナスダック100指数は上げ幅を縮小し、ほぼ変わらずで終えた。

  エバーコアISIの中央銀行戦略の責任者、クリシュナ・グハ氏はリポートで「金融当局は24年の金利見通しについて厳しい姿勢を取りながらも、追加利上げが必要かどうかという今この瞬間の判断については現実的なアプローチを取り、結局は利上げを見送るとわれわれは考えている。ウィリアムズ総裁のコメントは全体として、この見解を後押しするものだ」と指摘した。

  米政府機関が閉鎖されるとの見通しに加え、全米自動車労組(UAW)がゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターに対するストライキを拡大する計画であることも米経済に対する楽観を弱めた。

米UAWのスト拡大、GMとフォードで決行-ステランティス回避

米国債

  米国債市場では10年債利回りが前日からほぼ変わらず。
国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.70% -0.2 -0.04%
米10年債利回り 4.58% 0.0 0.01%
米2年債利回り 5.05% -1.3 -0.25%
米東部時間 16時54分

  米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、地政学やサプライチェーンの変化でインフレがさらに持続的になるという考えに基づき、米10年債利回りは5%を超えると見込んでいる。

ブラックロックCEO、米10年債利回り5%突破へ-インフレは持続

  UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルチェリ氏は「最終的にハードランディングになろうが、ソフトランディングになろうが、今後1年に米国と世界の経済活動は減速すると考える」と語った。期間5ー10年の債券に引き続き強気だとした上で、「エネルギー価格は最近高騰しているものの、インフレ低下で債券の実質リターンは高まるはずだ」と述べた。
外為

  外国為替市場ではドルが軟調。米政府機関閉鎖で金利や経済成長の先行きが不透明になるとの懸念が重しになったほか、コアPCE価格指数の鈍化で追加利上げ観測が後退した。
為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1265.94 -0.29 -0.02%
ドル/円 ¥149.37 ¥0.06 0.04%
ユーロ/ドル $1.0573 $0.0007 0.07%
米東部時間 16時56分

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.5%低下したが、ほぼ変わらずで終えた。ニューヨーク連銀の発言を受けて持ち直した。四半期ベースでは2.7%上昇し、2022年第3四半期以来の大幅高となった。

  円は対ドルで小幅安。早い時間には148円台に上昇する場面もあったが、午後の取引では149円台前半で推移した。

  ラボバンクのシニア外為ストラテジスト、ジェーン・フォリー氏はブルームバーグテレビジョンで、「日本経済や成長見通しを一段と悪化させる円安水準がある。日銀が政治的に現在の政策を維持するのが非常に困難になる水準に達しつつある」と話した。

  ユーロは対ドルで一時0.5%高の1ユーロ=1.0617ドルとなった。週間では0.8%安と、11週連続の下げ。月間では5月以来の大幅安。

  ノムラ・インターナショナルの為替ストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏はリポートで、ユーロが対ドルで年末までに1.02ドルに下落すると予想した上で、「エネルギー価格が上昇を続ければ、等価に達する」可能性もあるとの見方を示した。
原油

  ニューヨーク原油先物相場は続落。一時は上昇していたが、米国株の下げに連られるなどして下落に転じた。

  ただ、7-9月期は四半期として2022年1-3月期以来の大幅上昇となった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による供給削減や、米オクラホマ州クッシング貯蔵施設の原油在庫が極めて低い水準に落ち込んでいることが背景にある。

Oil Posts Biggest Quarterly Gain Since Early 2022 | Signs of tighter supply following OPEC+ cuts lift prices



  29日の石油業界データによれば、ロシアは来月に同国西部の主要港から輸出するディーゼル油をほぼゼロとする計画だ。ロシアは国内の燃料価格高騰を抑えるため、ガソリンとディーゼル油の国外販売を既に禁止している。

  この報道を受け、欧州のディーゼル油価格は急騰し、一時1トン当たり1000ドルの節目を上回った。

ロシアのディーゼル油輸出、来月はほぼゼロの見込み-輸出禁止措置で

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比92セント(1%)安の1バレル=90.79ドルで終了した。

  北海ブレント11月限は7セント安の95.31ドル。11月限はこの日が最終取引日。12月限は90セント安の92.20ドル。


  ニューヨーク金相場は5日続落。スポット相場は3月以来の安値となった。テクニカル面の重要な水準を下回ったことで、金価格に連動する上場投資信託(ETF)からの資金流出が加速している。

  金スポット価格の週間下落率は約4%と、2022年7月以来の大きさ。数カ月にわたりオンス当たり1900ドル近辺が主要な下値支持線となっていたが、その水準を割り込んだことで下落ペースが速まっている。

Gold Holds Near $1,870 | The metal breached a key technical level earlier



  金価格に連動するETFからの資金流出は、週間ベースで6月以来の大きさとなる見通し。 

  スポット価格はニューヨーク時間午後3時20分現在、前日比0.8%安の1オンス=1849.54ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は12.50ドル(0.7%)下げ、1866.10ドルで引けた。



原題:Rebounds Fade After NY Fed ‘Offers No Relief’: Markets Wrap(抜粋)

Dollar’s Best Quarter in Year Dims on Shutdown Risk: Inside G-10

Oil Posts Strongest Quarter in More Than a Year Amid OPEC Cuts

Gold Set for Biggest Weekly Loss Since July 2022 on ETF Selling





最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE

ヘッジファンドの米国債取引膨張 金融当局が逆回転警戒 グローバルマーケット 2023年9月29日 17:10

2023-09-30 06:13:58 | 日記
ヘッジファンドの米国債取引膨張 金融当局が逆回転警戒
グローバルマーケット
2023年9月29日 17:10

ヘッジファンドの米国債取引に世界の金融当局が相次ぎ警戒を発している。先物と現物に生まれる価格差に着目したベーシス取引と呼ばれる裁定取引だ。2019年や20年にはこの取引の巻き戻しが市場に混乱をもたらした。金利上昇が続く米国債市場の波乱の火種になりかねない。

ベーシス取引は国債の投資戦略の中で標準的な手法の一つだ。裁定取引の中ではリスクが相対的に低い半面、得られる利益は小さいとされる。

世界株と債券、そろって下落 景気低迷・物価高を警戒 グローバルマーケット 2023年9月29日 19:47

2023-09-30 06:12:23 | 日記
世界株と債券、そろって下落 景気低迷・物価高を警戒
グローバルマーケット
2023年9月29日 19:47

世界の投資家がリスクを回避し始めている。7〜9月期は世界株指数が四半期ベースで1年ぶりに下落し、株式の値動きと反対方向に動きやすい国債価格の指数も下落(金利は上昇)する見通しだ。インフレ再燃の懸念がくすぶるなか、世界的な景気の先行きには影が差している。市場は物価高と景気低迷が同時に進むスタグフレーションに警戒を強めている。

代表的な世界株と国債の指数はそろって下落した。

米国株、ダウ反落 買い先行も政府機関の閉鎖リスクが重荷 米国・欧州株概況 2023年9月30日 5:03

2023-09-30 05:13:56 | 日記
米国株、ダウ反落 買い先行も政府機関の閉鎖リスクが重荷
米国・欧州株概況
2023年9月30日 5:03

【NQNニューヨーク=戸部実華】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比158ドル64セント安の3万3507ドル70セント(速報値)で終えた。朝方に発表された米連邦準備理事会(FRB)の重視する物価指標が市場の想定の範囲にとどまり、株買いが先行した。買い一巡後は米政府機関の一部閉鎖のリスクが意識された。高水準の米政策金利が長く維持されるとの見方も根強く、ダウ平均は下げに転じて終えた。

29日朝発表の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.4%上昇した。一方、食品とエネルギーを除くコア指数は同0.1%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を下回った。コア指数の前年同月比の上昇率は3.9%と、7月(4.3%)から伸びが鈍化した。市場では「コアインフレは根強いながらも、4%を下回ったことは朗報と受け止められた」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)という。ダウ平均の上げ幅は200ドルを超える場面があった。

インフレの沈静化が進んでいるとの見方から、米債券市場で長期金利は一時4.50%に低下した。だが、債券買いの勢いは次第に鈍くなり、米長期金利は前日終値(4.57%)をやや上回る場面もあった。金利の高止まりは株式の相対的な割高感につながった。

米連邦議会下院は29日、共和党幹部が提案したつなぎ予算案を可決できなかったと伝わった。新しい会計年度が始まる10月1日が迫っており、政府機関の一部閉鎖を避けられないとの見方が強まり、投資家心理が悪化したとの見方があった。

米金融引き締めが長期化するとの観測も根強かった。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日に公開した講演草稿でインフレは「まだ高すぎる」と指摘し、「抑制的なスタンスの金融政策を当面は維持しなければならないだろう」との考えを示した。このところFBR高官の金融引き締めに前向きなタカ派的な発言が目立っており、相場の重荷となった。

個別では小売りのウォルマートや銀行のJPモルガン・チェースが安い。製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株も売られた。半面、前日夕に発表した2023年6~8月期決算で1株利益が市場予想を上回ったスポーツ用品のナイキは大幅高となった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比18.045ポイント高の1万3219.322(速報値)で終えた。