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政策正常化への植田日銀総裁の手法、「衝撃と畏怖」とは違うアプローチ 2023年9月19日 9:27 JST ブルームバーグ

2023-09-19 16:41:32 | 日記
政策正常化への植田日銀総裁の手法、「衝撃と畏怖」とは違うアプローチ
藤岡徹
2023年9月19日 9:27 JST ブルームバーグ

  2013年、黒田東彦前総裁はデフレ脱却に向けて停滞する経済を刺激するため、「衝撃と畏怖」の異次元金融緩和策を導入した。足元でインフレ率が16カ月連続で日銀の2%目標を上回って推移する中、植田総裁は、世界で最も大胆な金融実験の出口へ地ならしをするために日銀内の多くが考え得る以上のことを成し遂げている。


  事情に詳しい複数の関係者によると、植田氏の学者らしいコミュニケーションの取り方が黒田氏との最も明白な違いだと日銀当局者らはみている。黒田氏は、金融刺激策の必要性を繰り返し強調する決まったフレーズを使い、原稿に忠実だったのとは対照的に、植田氏は記者や政治家からの質問に対して詳細な説明をし、時にさまざまな角度から回答する特徴がある。

  関係者らによれば、日銀総裁としては戦後初の学者出身である植田氏は、公の場でさまざまなシナリオを考察することをためらわないため、一部の日銀当局者を不安にさせることがあるという。だだ、こうした思考が植田氏にアイデアをもたらし、市場への影響を測るテストとして機能している。


  日銀は今週の金融政策決定会合で現行政策の維持を決めるとみられているが、主要国では最後となるマイナス金利政策の解除に向けて市場とのコミュニケーションの環境整備は進んでいるもようだ。

  日銀ウオッチャーの多くは、9日付の読売新聞が報じたインタビューにおける植田総裁の発言はこのプロセスの一環と解釈した。植田氏は、賃金と物価の好循環を見極めるのに十分な情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではないことに言及しており、これはマイナス金利解除の可能性を含む政策変更の条件の一つだ。

日銀総裁、賃金と物価の好循環のデータが年内にそろう可能性も-報道

  事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグに語ったところによると、総裁発言に関して日銀内では、従来と比べて踏み込んだ内容ではないと受け止められている。

  ただ、この報道は多くのエコノミストがマイナス金利解除の予想時期を前倒しする要因となった。ブルームバーグ調査によると、エコノミストの半数が来年上期にマイナス金利の解除を予想している。 

マイナス金利解除予想を前倒し

出所:ブルームバーグ・サーベイ

  日銀の新体制発足から数カ月間で分かった別の重要な点として、植田総裁は予想以上に変化に寛容で、金融政策が為替に与える影響を進んで認めていることだ。

  植田総裁の下で日銀はすでに、必要があれば利下げを行うという方針を破棄し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の運用方針を大幅に柔軟化した。YCC政策は16年に黒田前総裁の下で導入された。

  植田氏の4月の総裁就任当時、10年国債利回りは0.45%程度だった。足元では0.7%を上回る水準で推移している。

薄れる関係性 | 植田総裁のYCC柔軟化で

  黒田、植田両氏をよく知る元日銀審議委員の桜井真氏は、「植田総裁の下で日銀は過剰な金融緩和政策から実体経済の変化に対応した適切な緩和政策へ移行」を進めていると指摘。「予想をやや超える金融緩和変更の進展があった」と語った。 

  植田総裁は、投資家をパニックに陥れたり、住宅所有者や有権者、企業経営者が自身を総裁に任命した岸田文雄首相に反発したりするのを避けるため、正常化に向けた環境を水面下で構築している。緩和の縮小ペースが遅過ぎれば円は安値を更新する可能性がある一方、急ぎ過ぎれば景気の腰を折り、デフレ不況を再び招く恐れがある。

  世界の債券投資家は、超低金利を支える最後のグローバルアンカーを失うことを懸念している。日本からの証券投資エクスポージャーが相対的に大きくなり過ぎたオーストラリアやフランス、オランダの市場では、日本の金利が上昇すれば資金が逃げる可能性がある。 

豪州やオランダ市場は日本の金利上昇に敏感
日本からの証券投資エクスポージャー


出所:ブルームバーグ、日本銀行

  岸田首相が防衛力強化や少子化対策への支出増加を計画する中で金利が上がれば、債務の償還費や利払い費などの国債費がさらに膨らむ可能性がある。日本の債務残高は先進国で最も高い水準で、国債費はすでに年間予算の4分の1余りを占める。

  もっとも、植田総裁が単に現状に固執すれば、為替介入の脅威を維持しながら数十年で最も強いインフレの影響緩和へ追加対策に頼らなければならない岸田氏の忍耐力を試す危険がある。

ブルームバーグ・エコノミクスの見方

「植田総裁は論理的に話し、丁寧に質問に答えているが、戦略的なメッセージを送るという点では改善の余地がある。投機家は植田総裁が先に繰り返したハト派的な発言を受けて円を売った。市場はまた、7月の予期せぬYCC修正や読売新聞とのインタビュー内容から、植田総裁の真意を測りかねている」

木村太郎シニアエコノミスト

  日銀の過去の金融刺激策の取り組み具合を踏まえれば、緩和縮小には慎重なアプローチが必要だ。バランスシート上の資産は日本の経済規模を25%上回る水準に達しており、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と比べてもはるかに大きい。

米欧を上回る日銀の資産規模 | 中銀資産の対GDP比

  植田総裁は10年国債金利のさらなる上昇を容認しながらも、ここまでは市場をおおむね落ち着いた状態に保つことに成功した。日銀は金融緩和を当面続ける必要があるとする一方、どのように緩和路線を進むかについて植田氏は柔軟性を示している。

  植田総裁は、1990年代後半に日銀審議委員を務めていた当時から変わらず、物価と賃金、成長の好循環の実現に取り組む強い意志を示している。だが、黒田前総裁が作り上げた複雑な緩和策とは一定の距離を置いていることも示唆している。

  日銀出身でUBS証券の足立正道チーフエコノミストによれば、物価安定の実現への決意という点で両氏に恐らく違いはないものの、植田氏の方が論理的で、より良いコミュニケーションを取っている。植田氏は経済の変化に合わせて政策を調整する能力を証明しているという。

 足立氏は、「米国経済の先行きや春闘など不確実要因は多々ある」とし、「正常化する前にこういった項目を確認していかなければならない」と語った。

原題:Ueda Abandons ‘Shock and Awe’ on Path Toward BOJ Normalization(抜粋)

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東証大引け 反落 半導体安が重荷、割安株買いでTOPIXは連日高値 国内株概況 2023年9月19日 15:27

2023-09-19 16:32:55 | 日記
東証大引け 反落 半導体安が重荷、割安株買いでTOPIXは連日高値
国内株概況
2023年9月19日 15:27


19日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、3連休前の前週末に比べ290円50銭(0.87%)安の3万3242円59銭で終えた。前週末の米株式市場でのハイテク銘柄の下落を受けて東京市場でも値がさの半導体関連を中心に売りが優勢だった。日経平均は下げ幅を400円超に広げる場面もあった。

東エレクやアドテストなどの下げが目立ち、値がさ株の影響が大きい日経平均の重荷となった。日経平均は直近まで堅調で年初来高値の更新も視野に入れていた。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合と重要イベントを控えているとあって、イベント前に利益確定売りが膨らみやすいとの見方も出ていた。

半面、9月に入り続いているとみられる自動車を中心とした大型・割安株買いの流れは継続した。中間配当の権利取り狙いで三菱UFJなど銀行株が買われたほか、海運や鉄鋼株の上昇も目立った。大型株買いを支えに東証株価指数(TOPIX)は前週末比1.92ポイント(0.08%)高の2430.30と3日続伸し、1990年以来約33年ぶりの高値を連日で更新した。JPXプライム150指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比6.85ポイント(0.65%)安の1054.32だった。

東証プライムの売買代金は概算で4兆1962億円。売買高は17億1613万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は704、値上がりは1079、変わらずは53銘柄だった。

ソフトバンクグループ(SBG)、リクルート、HOYA、信越化が下落した。一方、ホンダ、トヨタ、京セラ、三井物が上昇した。コマツは上場来高値を更新した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

NY商品、原油続伸 一時92ドル台に上昇 金は続伸 商品概況 2023年9月19日 5:15 (2023年9月19日 5:45更新)

2023-09-19 06:40:24 | 日記
NY商品、原油続伸 一時92ドル台に上昇 金は続伸
商品概況
2023年9月19日 5:15 (2023年9月19日 5:45更新)

【NQNニューヨーク=川上純平】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前週末比0.71ドル(0.8%)高の1バレル91.48ドルで取引を終えた。一時は92.33ドルと昨年11月以来の高値を付けた。主要産油国の減産継続で供給が絞られるなか、中国での需要の先行き不安が和らいだことで原油先物に買いが入った。

ロイター通信によれば、サウジアラビアのエネルギー相は18日、中国の原油需要について、状況は「まだ悪くない」と述べた。金融緩和が中国景気を支えるとの見方もあり、原油需要が伸び悩むとの懸念が薄れた。サウジの減産継続やロシアの輸出減などもあって需給の引き締まった状態が続くとの見方が根強い。

原油相場は買い一巡後に伸び悩んだ。高値警戒感が意識され、利益確定売りが出やすかった。シティグループは18日付のリポートで、原油高を受けてサウジとロシア以外の国が増産に動き、原油相場が伸び悩む可能性を指摘した。

ニューヨーク金先物相場は3日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前週末比7.2ドル(0.4%)高の1トロイオンス1953.4ドルで取引を終えた。米長期金利が低下する場面で、金利の付かない資産である金の先物の投資妙味が高まったとみた買いが入った。

米国株、ダウ小幅反発し6ドル高 ディフェンシブ株の一部に買い ナスダックも小幅反発 米国・欧州株概況 2023年9月19日 5:43

2023-09-19 06:40:24 | 日記
米国株、ダウ小幅反発し6ドル高 ディフェンシブ株の一部に買い ナスダックも小幅反発
米国・欧州株概況
2023年9月19日 5:43

【NQNニューヨーク=矢内純一】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前週末比6ドル06セント(0.01%)高の3万4624ドル30セントで終えた。原油高によるインフレ再燃への警戒があるなか、ディフェンシブ株の一部に買いが入り、指数を支えた。半面、原油高が企業収益や消費の下押しにつながるとの見方もあり、ダウ平均は下落に転じる場面があった。

米原油先物相場は18日、一時1バレル92ドル台前半と昨年11月上旬以来の高値を付けた。高インフレによって、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を長期にわたって高く維持するとの観測が強まっている。景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株の一部に買いが入った。バイオ製薬のアムジェンや医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が高かった。スマートフォンのアップルも上昇した。新型スマホの予約が好調との見方から買いが優勢だった。

ダウ平均は下げる場面もあった。FRBは20日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を公表する。政策金利を据え置くとの予想が多いが、政策金利の見通しやパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとの雰囲気がある。積極的に買いを入れる動きは限られた。

15日に全米自動車労組(UAW)のストライキが始まり、自動車大手3社の一部の工場の稼働が止まった。市場では「ストライキがいつ終結するかがわからず、企業業績や経済への悪影響が懸念され、相場の重荷となった」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との見方があった。

個別では、石油のシェブロンや建機のキャタピラー、飲料のコカ・コーラが買われた。一方、航空機のボーイングや化学のダウ、スポーツ用品のナイキが下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も小幅に反発した。前週末比1.902ポイント(0.01%)高の1万3710.237で終えた。ネット検索のアルファベットと交流サイトのメタプラットフォームズが上げた。半面、電気自動車のテスラ、英半導体設計のアーム・ホールディングスが安かった。