通勤電車の車内で新聞を読んでいる人を殆んど見かけなくなった。
その代わりに、車内の人々が手にしているのはスマホである。
さらに、通勤には必須のビジネスバッグも変化している。
かつて通勤時には皮製のバッグを持参していた勤め人たちも、
今はリュックサックを使用している人々が大半だ。
靴もビジネスタイプの革靴からウオーキングを主にしたスニーカータイプの履きやすい靴を履いている人が目立っている。
学校においても通学バッグは時代とともに変化している。
約40年前の流行は革製の通学鞄を熱湯につけ、針金で加工してできるだけ細くすることだった。
不良っぽくてかっこいい。
それがブームだった。
教科書を入れるスペースも殆んどない鞄を持つことがクールだった。
次に来た学生鞄ブームは海外のブランドバッグを模すこと。
私の勤務校でも、ルイビトンのような皮の鞣し模様のついたバッグを指定品とした。
当時、お嬢様風の女子高生には、ルイビトイン風のバッグは好評だった。
現在、中学生も、高校生も、大学生も真面目になったと言われている。
大学生もほとんどの授業に出席しなければ単位がもらえないようだ。
高校生の場合、鞄はリュックサックとバックパックの中間くらいの大きさのバッグだ。
すべての授業のノート、教科書、お弁当、そして部活用品を毎日担いでほとんどの生徒が登校している。
バッグの重さを測ったことはないが、とにかく重い。
机にのった鞄をどけようと鞄を持つと、その重さに驚いてしまうほどだ。
近年では、二宮金次郎の銅像を正門付近に設置している学校はほとんどない。
銅像に代わって、私には重い教科書を背負う生徒たちの姿はまさに二宮金次郎のようだ。
勤勉な1500名の生徒たちの登校時。
彼らは英単語帳を見ながらの登校なのである。