秋の期間が少なく、今年はすぐに冬になってしまったような感じだ。
特に朝晩の寒さは、日々、その厳しさを増している。
そんな寒い、寒い早朝から私の仕事は始まる。
朝、正門に立ち始めてから約8ヶ月間。
最近の寒さは体にこたえる厳しい寒さだ。
「挨拶をするという」
命じられた仕事をまっとうするべく、
7時50分から8時10分まで
毎朝、毎朝正門に立ち、
登校してくる生徒に向けて挨拶の声を投げかけ続けている。
学内では生徒の挨拶の声が小さいことや元気のないことが問題とされる。
時には、挨拶運動期間も設定されてもいる。
さらにその期間、挨拶を奨励するポスターも校内に掲示される。
そんな全学的な取り組みは効果があったり、なかったり・・。
ところで
私の朝の挨拶のかけ声は、
「おはよう」がいいのか?
それとも「おはようございます」がいいのか?
当初は自問自答。
現在は「おはようございます!」に一本化した次第である。
今は生徒に視線を送りながら
何度も、何度も「おはようございます」を繰り返す。
一日何百回も繰り返す。
「おはようございます」に決めた理由は以下の通りだ。
赤ちゃんが生まれてから初めて発するのはその泣き声。
生きるために必死で泣いて、
自らが困っていることを大人に知らせている。
泣きとは正反対の天使のような笑い声は、
親の笑い顔や笑い声を真似てのモノだと言われている。
笑いは生後に習得されるものとする考えだ。
「いない、いないバー」
とあやす大人の顔や笑い方は真似られているのだ。
これは赤ちゃんが笑うのではなく、
赤ちゃんが笑いを真似ているのということ。
その延長で挨拶を考えてみた次第である。
正門で私が発する言葉を生徒が真似るともいえるかもしれない。
正門で鋭い視線でスカートの丈の短さをチャックするのではなく、
それは酷すぎる生徒だけにしようと。
私ができることは明るく元気よく生徒に向けて挨拶をすること。
挨拶をさせるのではなく、
挨拶を真似させると考えると気持ちでうんと自分自身が楽になった。
殆どの生徒からは元気に挨拶がかえってくる。
時に挨拶の声は小さいが挨拶ビームを返してくる内気な生徒もいる。
そんなノンバーバルな返答でもいいのではないかとも思っている。
指をグーに丸めながら寒さに耐えている。
そんな挨拶もまだまだ続くのである。