深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

薬が引き起こす予期せぬ症状

2005-09-19 10:43:33 | 症例から考える

ウチは治療院なので、もちろん薬を処方することはできない。けれども、薬に対しては神経質にならざるを得ない。患者さんが飲んでいる薬が、症状の原因となっているケースがあるからだ。

以前、こんなケースがあった。
その方(女性)は腕のしびれと腰の痛みを訴えて来た。腕のしびれは頚椎の矯正で取れて再発もなかったが、腰の痛みは取っても再発する。聞けば、生理不順がひどく、婦人科で当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方を処方されている、とのこと。そこで、その薬による体の影響を調べると、膵臓に負荷をかけていることがわかった。

そのことと腰痛がどのようにつながるのか、というと…
AKでは、各臓器には対応する筋肉があり、その臓器に何らかの問題が起こると、関連する筋肉が弱化する、内臓筋肉反射という機序がある。つまり、体が内臓の弱さを筋肉の弱さとして表現するのである。

膵臓の関連筋は広背筋である。広背筋は、背中の腋くらいの高さから骨盤までを覆う筋肉だ。つまり、腰の部分も広背筋が作っているのである(もちろん、広背筋だけが作っているわけではないが)。上のケースでは、

当帰芍薬散により膵臓が弱まる → 関連筋である広背筋が弱化 → 腰痛

という機序で腰痛が起こるのではないかと考え、患者さんにもそう伝えると彼女は「じゃ、試しに1週間、薬を飲むのを止めてみます」。で、1週間後に来られた時に聞いたら「腰の痛み、ありませんでした」とのこと。ビンゴ! 彼女は結局、当帰芍薬散を飲むのを止めたようだ。

また別のケースでも…
ぎっくり腰のような状態が繰り返し起こるようになった、と来られた方(男性)は、会社の検診で甲状腺炎が見つかり、チラージンという薬を処方されていたのだが、これがやはり膵臓を弱めていた。

この方の場合、チラージンを飲まないわけにはいかないため、膵臓がその薬の影響を受けにくくするように治療することで、ぎっくり腰のような状態はなくなった。

いろいろ調べても、当帰芍薬産やチラージンの副作用に腰痛やぎっくり腰などは出ていない。しかし実際には、こんなケースもあるのだ。

あなたのその症状、単に疲れや無理な姿勢が原因ですか? 本当に今飲んでいる薬とは無関係ですか?


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