カバラと「生命の木」 26 2021-09-30 17:24:54 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第26回。第25回までは第7セフィラ、ネツァクについて見てきたので、今回は第8セフィラ、ホドについて見ていく。 「生命の木」において重要なのは、セフィラは単一では機能しないということである。セフィラは均衡の取れた対立する一対を持たねばならず、そこから均衡した第三者が生じて初めて機能するのだ。低次の機能する三角形はネツァク、ホド、イエソドからなる。このうちのネツァクとホド . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 25 2021-03-20 17:13:48 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第25回は、第24回に引き続いて第7セフィラ、ネツァクの話。 第6セフィラ、ティファレトによって「一なる生命の白き光」はプリズムのように分散され、その光はネツァクにおいて玉虫色に輝く「燦然たる光輝」となる。「一者」が形による顕現という目的のために「多者」へと変えられるのである(ネツァクに当てられた天使の位階がエロヒム=神々と複数形になっているのはそのため)。こうしてネツ . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 24 2021-01-26 16:27:24 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第24回。ここから第7セフィラ、ネツァクを扱うが、コクマーとビナー、ケセドとゲブラーがそうだったように、ネツァクも第8セフィラであるホドと対になる存在であるため、ホドについての説明も入ってくることをあらかじめ断っておく。 まず、それについて簡単に述べた動画を見て頂こう。 意識が「木」の中央の柱を上下して変容するように、力(エネルギー)は慈悲の柱を上下して変容し . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 23 2020-10-01 23:18:09 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第23回。前回までに10個のセフィラのうち上位6個を詳細に見てきた。次は第7セフィラ、ネツァクに入るところだが、その前に高次から低次へという観点から「生命の木」の構造を概観しておきたい。 前にも述べたように、「木」の最上部はケテル、コクマー、ビナーが「至高の三角形」を形成している。この部分は以降に生じる顕現の土台となるもので、便宜上、存在の根本原理、「純粋存在」と「能動 . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 22 2020-07-31 21:37:26 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第22回。今回も第6セフィラであるティファレトについての続き。 前々から述べているように、ティファレトは「生命の木」において「中央の柱」に属する。そして、その「中央の柱」をマクロコスモス的にではなくミクロコスモス的、つまり宇宙論的にではなく心理学的に見ると、まずその上端に位置するケテルは個体化された存在がその周囲に成立する場所であり、そこは意識そのものというより「意識の . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 21 2020-04-23 15:05:49 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第21回は、第6セフィラであるティファレトについての「20」からの続き。 ティファレトは「生命の木」の至高の三角形に続くセフィロトの三つ組み(機能的三角形とも呼ばれる)の機能上の頂点に位置している。至高の三角形という第1の三つ組みに続くこの第2の三つ組みは、霊的発展を遂げていく個体(つまり霊的魂)を表す。霊的発展を成し遂げた霊的魂からは、人格が流出する。こうして、この第 . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 20 2020-01-11 20:17:59 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第20回。第6セフィラであるティファレト「美」の本質は、それが「生命の木」全体の均衡の中心にあることである。ティファレトのある「中央の柱」は常に意識に関係し、両側の2本の柱は異なる次元における力の異なる働き方に関わる。「中央の柱」のティファレトの一段上にはケテル、一段下にはイエソドがある。つまりティファレトはケテルにとっては子、イエソドにとっては王であることを意味するとと . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 19 2019-11-12 11:12:31 | 心身宇宙論 「カバラと『生命の木』」の第19回。今回取り上げるのは、第5セフィラであるゲブラー。これは「生命の木」で峻厳の柱に、ケセドと対置する形で置かれる。このゲブラーは「ディン(正義)」、「パッカド(恐怖)」とも呼ばれ、一部の人にとってはカバラにおける「悪」の局面を表す存在として位置づけられる(事実、ゲブラーに配当されている火星は、アストロロジーでは「不吉」という意味も持つ)。ゲブラーの魔法イメージは「戦 . . . 本文を読む
量子論的生物学 2019-04-19 16:57:58 | 心身宇宙論 量子力学はふつうだ。不気味なのは、量子力学が記述しているこの世界のほうなのだ。 今や量子論は物理学のみならず時代のトレンドとなっている。それは治療、セラピーの世界も例外ではなくて、「クォンタムなんとか」などと名づけられたメソッドもいくつか知っている。ずいぶん前、「私は自分が開発したこのメソッドを『クォンタム○○』と呼ぶことにした」といったことがブログだったかSNSだったかに書かれているのを見たの . . . 本文を読む
位相空間論を治療に用いる 2019-03-27 21:48:54 | 心身宇宙論 人体を見る視点として数学の概念を取り入れることをしていて、これまでに「微分方程式論を治療に用いる」や「代数的トポロジーを治療に用いる」などといった記事を書いてきたが、今回はそれのもっと前段階となるような話。本来はこの記事があって、その後にこれまでアップしてきた記事が来るべきだが、何しろこれに気づいたのは一昨日のことで、だから今になってしまった。さて、今回のテーマは位相空間のハウスドルフ(Hausd . . . 本文を読む