SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

モーツァルト忌の雑感

2006年12月11日 00時00分01秒 | 高橋多佳子さん
12月5日に八王子の市民会館で行われた平成18年度人権週間行事の一環で、高橋多佳子さんのトーク&コンサートがあったので、勤労感謝の日に勤労した代休をとって行ってきました。

薄い緑のドレスで現れた多佳子さんはいつもながらステキでしたが、登場するなりおもむろに1曲目“バッハ:主よ人の望みの喜びよ”を演奏されました。
昨年の12月8日に新潟県三条市で初めて多佳子さんのコンサートに行ったときと同じスタート。“うーん、懐かしい”ってあれからまだ1年しか経ってないんですよね。ずっと昔の出来事のように今では思えてしまう。。。
あいかわらずコラール部分のテノール旋律などでは、なんと表現していいかわからない素晴らしい音色で。。。
最初、ピアノがオンボロ(失礼!)に見えたので大丈夫かいなと思っていましたが、「いい音するじゃん、このピアノ」という印象に早変わり。いい音といいうよりも、普段CDで聴いている高橋多佳子の音に結構近いのではないかと思った次第。
反射音がほとんど来ない位置にいたこともあるかも。

続いてはモーツァルトのトルコ行進曲。先般のコンサートでもアンコールで聞いたけれど、軽やかでとても気安く聴けました。そう、とてもこの日はリラックスして幸せそうに弾いておられたのが印象的。
アウトリーチ活動で学校に行ったとき、子供に一番人気の曲だそうな。。。

そして幻想即興曲。これも、軽井沢で聴いたときより力の抜けた演奏でよかったような。。。
左足を「だん!」と踏み込むような弾き方もそれほど大袈裟でなかったし、ピアノのコンディションやいろんな条件にもよるんでしょうね。
左手の六連符のバスがとってもノリを感じさせて、その音色がまた麗しいものでウットリ。
もちろん右手も雄弁に旋律を綴っていく。。。例えばオクターブと内声をバラバラ弾きながら旋律線をたどっていくところ(味気ない言い方だなぁ)で、楽譜上は繰り返しの部分はアクセントが小指側に来てスタッカートで弾くように記譜してあるはずなのですが、ここのスタッカートにした加減、その音を作るためのスパイスのさじ加減が極めて絶妙でいつもクラッと来ちゃうんですね。もちろんこの日もステキでした。
中間部のあま~~い旋律は、歌う歌う。もう再現部手前最後の旋律のリフレインなんか、音色から何から万感の思いがこもっていて満足!

展覧会の絵からの抜粋も、最良の意味で気楽に弾かれたのではないでしょうか。弾くことを楽しむことを目標に弾いた結果、イキイキした時間が創り出せたっていう感じ。感動の瞬間はいっぱいあったのですが、今回はキエフの大門でのロシア聖教のコラールが2度、遠く近く聴こえる場面で、多佳子さんは曲の解説で「分かるように弾く!」と言われていたのですが、ホントによく判りました。もちろんこの曲は多くの方の演奏で聴いているうちにも、この部分があることは知っているはずだったのですが「そうかぁ。こんな祈りの節だったのかぁ~。」とまた新しい気付きがあってとても嬉しい思いになりました。
こういうことがあると、他の誰の演奏を聴いてもまた違って聞こえるようになるんだよねぇ。
“展覧会の絵”はここんとこ多佳子さんのばっかり聴いてるから、これまでのお得意さんだったキーシン君の演奏でもまた聴いてみようかなっと。

アンコールは“ラ・カンパネラ”。これもリラックスした好演でした。多佳子さんがリストを弾くと、いつも会場が唖然としてうなっちゃんだよねぇ。
わたしの隣にいたタオルを首にかけたおじさんも身を乗り出して聴いてました。
さすが、リスト先生。グールドに“最小限の労力で最大の演奏効果”といわせしめた作曲家の一人でいらっしゃる。。。そーは言っても難しいんだろうケド。

会社休んで行った甲斐があったどころか、大収穫、大満足のリサイタルでした。

なんでまた、多佳子さんがこの催しにと思ったのですが、インタビューでポーランドの生活を10年されていてアウシュビッツを目の当たりにされていたり、アウトリーチ活動で学校訪問されているなど旬の人権の話題と近いということだったのかなと。。。

しかし、ポーランドが日本のことをそんなに親しく感じていたなんて知らなかった。“ロシアという大きな森を挟んだお隣どおし”なんていい表現じゃないですか。日本もポーランドのことをもっと知らないといけないなと思いました。

ただ最もオモシロかった多佳子さんの話は、バーバ・ヤガーの説明で森に住んでいて“箒でなく臼みたいなのに乗った魔女“といわれたこと。その瞬間に、ばいきんまんを想像してしまったのですが、私のほうがおかしいのでしょうか?
あの円盤は、どう見ても“臼型”だと思いますが、いかがでしょう。。。
(どきんちゃんのは“薄型”って。。。)

その後は「博士の愛した数式」の映画を見ました。
映画というとすぐウルウル来ちゃうので、二階席の一番奥に避難して見ました。普通は見ないんですけどね。入れ込んじゃった自分を後から自己嫌悪するので。。。
でもこれは、“大感動っ!”てんじゃなくて、じんわりと伝わるものが途方もなく多くあるというスタイルの映画だったので、とても私にはありがたかったですね。
人権の集会にピッタリの内容だったと思うし。

来年も同じようにやってほしいもんです。


映画では、“オイラーの公式(eiπ + 1 = 0 ←iとπは乗数:うまく記載できずすみません)”が“博士の愛した数式”で、これは3つの無関係な数字に1を加えると0になる極めて美しい真実であるということが共通認識になっていました。
登場人物の誰がeで誰が1なのかはハッキリしませんが、多様な理解をすることが出来るおもわせぶりな設定だと思いました。これはこれで考えさせられるのでよいのかなと。

ただ、公式の内容はさっぱりわかりませんねぇ。帰ってから“Wikipedia”なんか見たら余計何のことだかわかんなくなっちゃいました。

ところでLed Zeppelinは私にとってのロックのカリスマ中のカリスマですが、そのアルバムの1枚目で衝撃的なデビューを果たして、2枚目は人気うなぎのぼりの中でツアー中の勢いを借りて制作され、3枚目はアコースティックな曲を多く録れていろいろ物議をかもして人気はあるけれども今いち評価が定まらないところがありました。全部性格の違うアルバムだったので。。。

★レッド・ツェッペリンⅡ
                  (演奏:レッド・ツェッペリン)


“胸いっぱいの愛を”“ハートブレイカー”などが有名なセカンド。私もペイジをコピーするためにレスポールを手に入れた一人です。上手くなりませんでしたけれど。ペイジの味を出そうと思うと、上手くなれないような気がする。。。
あっ、決してペイジのせいではありません。ヘタなのは私が悪いんです。(^^)v


ところがそこに一般に“Ⅳ”と呼ばれているタイトルなしの、じーさんの絵がジャケットにあるアルバムが発表されるや、それまでの作品・活動全部ひっくるめて歴史に残る偉大なバンドになってしまいました。美しい。。。
3枚目までであれば、単に色んなことをやろうとしたバンドという感じだったのでしょうが、4枚目が先ほどの公式で言う“1”の役割を果たしたに違いありません。そこから先は、最早何をやっても偉大なバンドということになりました。

★“             ”
                  (演奏:レッド・ツェッペリン)


先ほど書いたように、タイトルなしがほんとなのでカッコだけにしました。(^^)/
数学の話が出たので、空集合の記号にでもしてやろうかと思いましたが...

“ブラック・ドッグ”“ロックンロール”そして“天国への階段”が収められているこの一枚は無敵ですな。
どれだけこれらのギターのリフを弾いたかわかりません。天国の階段もアコギでギターソロが出るまで弾いて、エレキに持ち代えてソロから先をカセットに合わせて弾いたりしてたなぁ~。いろいろやったけど、我が青春のというとこのへんかなぁ。。。(もちろん彼らの解散後ですけど)
アルバムとして一番好きなのは、この先の“フィジカル・グラフィティ”ですけどネ。

そういえばこのアルバム発表時に、この後メンバー4人それぞれの象徴となるシンボル(マーク)が初めて出てきたのですが、この4人がそろって初めてZeppelinだったんだと思います。完全な公式みたいなもんかな。そういう意味ではボンゾの急死は残念でした。

4枚目といえば同様の例は、長渕剛さんにも当てはまると思います。
デビューから3作は注目は集めましたがいまいち決め手に欠き、4枚目の“乾杯”が発表されたことですべての楽曲が良くなったですね。これはなにも私が最初に言ったことではなく、評論家の富澤一誠さんが仰っていたことです。私もまったく同感です。
これもエラくコピーして歌ったなぁ。。。

4枚目でブレイクしたって言い出したらTOTOだってそうでしょうね。

ここまで書き上げて3つのことを思ったのですが、ひとつ目はケージの“4分33秒”を高橋多佳子さんが“弾いた”ら、ここでどのようにコメントしたらよいかということ。ツェッペリンの4枚目のタイトルの記載をする際にふと思いついてしまった。。。

もうひとつは、この記事のカテゴリーをなんにしようかということ。
切迫した問題です。多分“高橋多佳子さん関連”にすると思いますが、適切かどうかは判断できません。。。

最後は、私の愛する数式  →  “摂取カロリー数” > “消費カロリー数”

タイトルをご覧になって記事を読み始め、もしここまで読み通した方がいらっしゃったなら、最大級の敬意を表します。ありがとうございましたっ!! (^^)v