SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

ZZ-ONEの世界へ

2012年04月29日 10時30分34秒 | オーディオ関連
この四月、転勤で単身赴任を解かれ、故郷の愛知県に戻りました。
全般的には生活するにおいても、経済的にも祝着至極なことに間違いありません。

ただ、楽器を演奏したり音楽をきままに楽しもうという輩には、これがどういう事態を招くかということはよくよくご理解いただけると思います。

楽器はピアノおよび「弾く1本」を残してギターのすべてを手放すことにしました。
実際問題として弾く1本があるので困りはしませんが・・・退陣前の某首相のような「私はとってもかわいそう」という心中をお察しください。
この訴えが(たとえ気持ちはわかると言われても)ほとんどの人に通らないことは、これまでにも感じてきたところですが。(-"-;)


CDについては多少は手放しましたが、今のところ大半のコレクションを維持できています。
この「収納」は、当然に考えなければならないやっかいな課題です。
家が狭くなる主犯のように言われるのは仕方ないとはいえ、「着ない服とその収容ケース」がさらに大きくスペースを占拠する共同正犯であることを強く主張できない「弱み」となっているのはこれまた苦々しいところです。

しかしながら・・・
社内の単身経験者の仲間がこぞって「なんで俺のものからなくなっていくのか?」と思ったと経験談を聴けば、いい意味であきらめもつくというもの・・・
道路脇の部屋で車が通る音が気になる部屋とはいえ、家族からある程度離れた部屋に、それでもステレオを鳴らせる部屋をキープできたことだけでも大いに満足しなければなりますまい。



さて、冒頭から嘆きばかりを綴りましたが・・・
ステレオのラインアップをいじりました。
このブログは当初オーディオ関係のそれと勘違いされていたぐらいですから、この思い切った嬉しい変更についても記しておきましょう。


先週までのラインアップは次の通りでした。
【オーディオ・プレーヤー】
・エソテリック:X-50W       CD(メイン)
・マランツ  :DV9500      SACD(メイン)、DVD-A、CD(サブ)
・ソニー   :DVP-S9000ES DVD映像(メイン)、SACD(サブ)、CD(サブ)
【AVアンプ】
・マランツ  :PS17ーSA
【スピーカー】
・ヤマハ   :NS-1


引越に際して機能が重複するソニーを手放す決断をし、ややさびしさを感じていたところに、ネットで、名古屋のオーディオショップのある商品情報を見つけて事態が一変しました。



それがBOW-TECHNOLOGIESのプリメインアンプ【ZZ-ONE】です。
4月11日に輸入元によるオーバーホール完了、外観は無傷、つまみなども修理に際して新品に交換されていました。

なにせ15年以上あこがれ続けてきた機種でしたから、すぐ試聴に飛んでいきました。
多佳子さんのCDをはじめ、オケ、クァルテット、合唱と何枚かのCDを鳴らしたときには、「買います」と言ってしまっておりました。
ええ・・・この際値段は(あんまり)関係ありません。(^^;)



アタマのうちにあるときは、そのほかにもいろんな障害が思い浮かんでいました。

これまでフィリップスのCDプレーヤーやイタリアのスピーカーなど、外国製を使ったことはありましたが、結局(故障等を考えると)国産に如くはないという思い込みもその一つ。
AVサラウンドの芽が、(いったんは)完全につぶれてしまうという考えも頭をよぎりました。

でも、この音を聴いたらそんなことは吹っ飛びました。
念願の機材に国籍など関係あろうはずはなく、自分の望んだ音色を楽しむに如くはない。故障したら、そのときは直すだけ。
AVサラウンド、いつかはと思ってこれまでしなかったのだから、今のところなくても何の支障もない・・・と。




というわけで・・・

デンマーク製のZZ-ONEが、いまや我が家にあり、PCオーディオも含めたシステムの要としてその魅力をいかんなく発揮してくれています。

この1週間というもの・・・家の前の大通りを通る車の爆音、歩行者の会話や足音・・・これまででは考えられない劣悪な視聴環境の中でも、ほとんどそれが気にならないのは考えて見れば不思議、それくらい集中して聴くこともできるんだ、って感じです。


これまでのマランツのアンプはきわめて誠実に音楽を描いてくれましたが、ZZ-ONEの音は申し訳ないくらいに品位が違います。
もしかしたらすっぴんと化粧済のように、出てきた音に素材に付け加えられたウソがあるのかもしれません。
エソテリックとマランツのプレーヤーの音色の傾向がマランツでは全然違ったのですが、ZZ-ONEを通すとその差がそれほどまでには感じられなくなり代わってZZーONEの特徴である重心の深いコクのある音質が顕著に感じられることからも、そんな推理が働きます。

CDプレーヤーを投手とするなら、アンプは捕手。
素晴らしい独自のリードで、あらゆる投手のよいところを自分の個性を発揮しつつ結果を出すのだとしたら、とても親切な女房(いえ主役なのでこちらが亭主かもしれませんが)役であり、お店で視聴したときのマークレビンソンなど超高級機材よりももしかしたら私にとってインティメートな響を繰り出してきてくれる、やはり一生付き合える機材なんだと実感しています。


お店で視聴したときも家に来たときも、最初に聴いたのは高橋多佳子さんの弾くスクリャービン、幻想曲ロ短調でした。
聴きなれているからというのが最大の理由とはいうものの、いい録音だと思いつつ、何か全部を聴き切れていない気がしていたことがその理由です。
音の傾向を知ったり、スピーカーの位置を決めるなど、音を追い込むうえでも非常に有効だと考えてのことですが、このときにも今まで聴こえなかったような音の絡みが見えてきて驚きました。
音が一緒に鳴っているときに、それらが層状に絡んで響きの綾を成すか、分離してそれぞれの音がそれぞれに主張するか、あるいは・・・
そんな微視的ともいえることが、ZZ-ONEの外観のように、黒光りする奥底できわめて高雅に表現されているように感じられ・・・

という具合に、CDを聴けば聴くほど称賛のため息がでるばかりというありがたい状況なのです。


このバックステージでこれまで紹介したディスクは、ほどんどが誠実・実直なマランツで聴いたものでしたが、これからはZZ-ONEを介して感じたことなんかをぼちぼち紹介していければと思っています。

よろしければ、引き続きおいでいただき覗いて行ってくださいませ。(^^;)