SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

サヴダージの教祖 もしくは 音楽版ウォーリーを探せ!

2013年02月25日 01時40分35秒 | J-POP
★Shiplaunching
                  (演奏:富田ラボ)
1.Shiplaunching
2.プラシーボ・セシボン
3.Like A Queen
4.アタタカイ雨
5.Launching On A Fine Day
6.ずっと読みかけの夏
7.恋は傘の中で愛に
8.しあわせのBlue
9.Is The Rest Silence?
10.Prayer On The Air
                  (2005年作品)

いつだったかはよく覚えていないがYou-tubeをサーフィンして思いつくまま曲を検索していたら、リコメンドされた曲の中に『冨田ラボ』なる見慣れない言葉を発見し「おや!?」と思って画面を遷移した・・・のが運の尽き。
そのときどの曲を聴いたのかはこれまたよく覚えていないが、全般的な特徴として雄弁なベースラインと流麗なストリングスが魅力的なユニットだと感じ入って、次々とおすすめ欄に表示される「富田ラボ」の曲を辿り、何曲かをお気に入りに登録して繰り返し聴いているうちにどうしてもCDで欲しくなってしまって・・・
今ここにこのディスクがある。
そもそも大半をyou-tubeで聴けるのにこんな経緯で買っていたらキリがない、とわかっていながら、いいものはいいから仕方ないで済ませてしまう自分はどうかしている。


多分、冨田恵一さんというどことなく教祖チックな男性が主宰するユニット(ヴォーカルと管楽器・弦楽器演奏を除く伴奏のリズムセクションに関して、パーソネルを見る限り基本は『楽団ひとり』のようだけど)を好む人には、顕著な共通のツボがあると思う。

それには2段階あって、まず万人に言えることとして「サヴタージの気分に対する感受性が高いこと」があげられるのではあるまいか。
ノスタルジーとはちょっと違う・・・
このサヴダージとしか言いようのない感傷的な気分を引き出すツボを、一貫して押してくる曲群。
これだけで教祖(の作品)に帰依たい・・・と“ころっ”といってしまう人さえ少なくないだろう。


しかし、2つめのツボは人を選ぶがさらに強力である。
私などはすでに中毒(それもかなり重症)の診断を下されてもおかしくあるまい。
それは、ひとことでいえば「知的好奇心を刺激される」ということ・・・
ある程度のポピュラー音楽のバックグラウンドを持っている人には共感いただけるのではないかと思うのだが、本来はそんなことを気にせず音楽を楽しみさえすればいいのに、教義に施されたあらゆるシカケが気になるのである。

教祖はさすがに修行を積んでしかるのちに悟りへの道を提示しているのだろう。
繰り出される音からはっきりと「修行のあと」が私には聴き取れる・・・知らず知らずそんな気にさせられちゃっている自分がいる。

サヴダージを引っ張り出す手練手管のひとつなのかもしれないが、曲全般に借景となる原曲を措定してアレンジしているだろうと思われるのである。
そのうえに、思わずニヤッとしてしまうような音楽版ウォーリーがそこここに顔を出す・・・見つけてしまった時の快感は何ものにも代えられず、「ウォーリーはいるはずだ!」と信じて曲に向かうようになってしまったら、あまり姿を露わにしないこの教祖に魂を握られてしまうことになる。

どんなに・・・いくつウォーリーを見つけたとしても、ジャズからソウルフルな音楽まで徹底して血肉と化した教祖はさらに多くのウォーリーを忍ばせているに違いない・・・
こう思わずにはいられないことは自縄自縛だとわかっていても、それが教祖の計算かもしれないとわかっていても逃れられない・・・これこそ中毒ではあるまいか?


さて、これらの楽曲はもちろんオリジナルで、中心は歌もの。
バックの演奏(先にも書いたが、ベースラインと独特なストリングスのアレンジが、さまざまなウォーリー的借り物のおかずがあっても作品が独自のものであると主張している)には、きっとプリンシパルな制作ルールがあるのだろう。

そこに最適なヴォーカリストを招き彼・彼女をフロントマンとして教義を説かせる、逆スティーリー・ダン型がもっぱらのスタイル。
これがまた、実にバラエティに富んでもいるし、実力者ぞろいで聴きごたえがあるのも表向きの大サービス。
その実、「冨田ラボ」名義のアルバムであるだけに、背景のしらばっくれた伴奏にこそ、あまたある生半可の音楽経験に裏付けされた知識を持つと自認する聴き手(これが教祖にとってのきっと真のカスタマー)たちを中毒症状にさせしめる媚薬を忍ばせているにちがいない。


たとえば、これらの楽曲について中毒症状の好人が語るとさしずめこうなるだろう。

■プラシーボ・セシボン
スティーリー・ダンの「ヘイ・ナインティーン」を第一主題、「グラマー・プロフェッション」を第二主題、「タイム・アウト・オブ・マインド」を第三主題にして、がちゃがちゃぽんに展開したらできたんだろう。
ギターは音色もフレーズもラリー・カールトンしているし、大貫妙子さんに至ってはガウチョのレコーディングに参加していたに違いない。
もしかしたらサンプリングしてコラージュしたのかも。

■アタタカイ雨
これって大滝詠一さんの新曲でしょ!?
え、田中拡邦さん!?
彼、自分の曲じゃこんな声じゃないよ・・・きっとミキシングのときイシキしてやってるよね。
これ聴いたら、ジャンクフジヤマさんみたいにヤマタツ路線でやりたくなる人、きっと出てくるよね。。。(関係ないか・・・)


こんな調子で私には、「Like A Queen」には「Miami Viceのテーマ」が、「ずっと読みかけの夏」にはイヴァン・リンスの「ラヴ・ダンス」が、「恋は傘の中で愛に」にはブロンディの「ハート・オヴ・グラス」が、「しあわせのBlue」にはボズ・スキャッグスの「ミス・サン」のエコーが聴こえて、終始ニヤニヤしっぱなしなのである。
傍目にはヤク中にしか見えないのかもしれないだろうが、本人はフレーズの端々に神経を行きわたらせてラリー・カールトンやステイーヴ・ガッドが隠れていないか耳を皿のようにして探している至福のときを過ごしているのである。


そんな聴き方をしているから・・・
木を見て森を見ず、借景の曲調しか頭に入っていないつまんない聴き方になっているのかもしれないという人がいるかもしれない。
言うなら言うに任せるが・・・と開き直ってしまえるところが、中毒患者たる所以でもあるのであしからず。


ちなみに、冨田ラボ一連の楽曲の中で、私がもっともサヴタージを感じるのは、畠山美由紀さんのアルバム「Wild & Gentle」に収められている「罌粟」である。
このアルバムには3曲の冨田ラボ製品があるのだが、いずれも高品質なことは折り紙つきだが、いまだにウォーリーが発見できない。
『ない(かもしれない)ものをあると思って探す』こと・・・
「乳がんを自分のチェックで見つけられる人」の資質として真っ先に挙げられることだが、私にはその素質はある・・・
そして富田ラボ中毒にどんどん浸潤されていくのであろう。

幸せなことかもしれない。



《閑話休題》
何かシカケがあるに違いないという思いは、楽曲のみならずいろんなところへ猜疑の眼を向けるに至っている。
例のイタリア豪華客船の事故・・・は、発生の何年も前なので関係ないだろうが、それとの関連さえ疑いかねない勢いなのである。

たとえば詞・・・
パーソネルを確認するうえで、プラシーボ・セシボンのヴォーカルのおふたり、高橋幸宏さんと大貫妙子さんが、それぞれ別の1曲ずつの作詞を担当しているではないか?
ヴォーカリストが豪華な布陣であることはみんな気が付いているだろうが、作詞家陣もとびきりであることは特筆されてよい。

たとえばジャケット・・・
11名の楽団員を従えているが、ここにある楽器はすべて曲中でつかわれているか?
楽団員のモデルのクレジットも確かに11名ある、が、女性の名と思しきものがないのだが・・・?
裏ジャケで、小型バスの車窓に見えるのはコントラバスとチェロの男女のみだが、それに隠されたテーマはないか?
このミニバスに楽器は積めないのではないか?


しかし・・・
いつからかくも病的になってしまったのだろう?
クラシック音楽を聴く、それも名手の解釈を聴き比べるようになって、同じ曲でも曲調の差、ディテールの彫琢の差・・・
そんなことに気付くことで、ひとつひとつ悟ったようなすっきりした気分を味わってきたなれの果てだとしたら・・・

まぁ、それこそどうでもいい話ではある。
楽しく麗しいわが人生を重ねていくうえで、大勢に影響はあるまい・・・
とは言えないかもしれないな。(^^;)

さらなる昇華への期待 もしくは 言わない約束

2011年06月22日 00時51分20秒 | J-POP
★Mind Travel
                  (演奏:Superfly)

※曲目をいつもは書いていますが今回は省略します。(←手抜き)

お久しブリーフ・・・って感じですね。(^^;)

私自身が被災したわけではありませんが、仕事面では震災以降かなり忙しくなって、自分のブログに訪問できないほど生活は一変って感じでありました。

60日以上更新しないでいるために、ページの冒頭から宣伝みたいなのがはいっちゃっていることに先日気づいて、ちょいとヤだなと感じておりました。
更新できてやれやれですが、記事の内容は聴きこまなければならないようなクラシックはお休みにして、景気よくSuperflyの最新盤について書くことにします。


Superflyは、めざましテレビでの“マニュフェスト”の演奏以来ずっと気にとめていたアーティスト。
出演時に当時の相方(多保さん)が「まだこの番組に出られただけでも、ラッキーが残っている」というような発言をするなど『もう後がない感』をいっぱいに漂わせていたものの、私はそのパフォーマンスに、ブレイクしないはずはないと確信を持っていました。

同じくめざましでブレイクしたと感じているアンジェラ・アキさんみたいになるだろう・・・
と思っていたのですが、「手紙」以降、活動のステージを大きく広げている彼女をすら、Superflyはすでに商業的には凌いでしまったようにすら感じます。


しかし、ヴォーカリストとしてのSuperfly・・・越智志帆さんには、私がもう何も語ることがないほど讃辞が寄せられていますな。。。
私も「凄い!」としかいいようがありません。

途中、ソロユニットになったとはいえ作・編曲などのパーソネルは基本的には変わっておらず、越智さんという宝物を音響作品・ビデオ作品としてどう料理するか、あとはプロダクションの問題なんでありましょう。
聞けない作品に仕上げることの方が難しいってぐらいの声ですからね。。。


店頭で目にした“Mind Travel”と題されたサード・アルバムのアナウンスには、『ファーストにしてベスト セカンドにして進化!! サードにして深化!!』と謳ってありました。

はたして私は、ファーストアルバムには『原石のくすんだ輝き』を感じました。
『ジャニス・ミーツ・ストーンズ』って帯にあったと記憶していますが、たしかに“マニュフェスト”のプロモを見れば多保さんがひと目でキースを意識してると知れるテレキャスカスタムで“らしく”弾いているし、越智さんのいでたちもジャニスをリスペクトしていることがわかるものでした。


でも・・・
全体的な印象としてはパワーは感じるけれど、どことなくぎこちない・・・


チャートのナンバーワンを獲ったわけですからベストというのはウソではないですが、この後、どのように『進化』するか・・・
それをとても楽しみに感じさせる予告編だと私は思っています。

ただし、バラード「愛をこめて花束を」は、もうここで現在と同水準の完成形を示していました。
後続の名バラードだって何曲もあるけれど、その真摯さにおいて決して勝っても劣ってもいないのではないでしょうか。


さて・・・
40年ほどもまえになりましょうか・・・
あのジャニス・ジョプリンの「生きながらブルースに葬られ」てる感じってのは、今のご時世、我が国の誰がどうやったって出せないだろうことに気づいたためか、セカンドの方針は大きくシフトした気がします。

すなわち、ジャニスにはこだわらない・・・
越智さんのヴォーカルは、『ボックス・エモーションズ』においてとってもファッショナブルに変貌しました。

プロデュースに携わった蔦谷好位置さんがその変貌のキーマンだと思います。

シングルカットされたものは特にですが、素のままの勢いといった特徴からソフィスティケートしながらパワーは増幅された楽曲が多くなりました。
加えて、最良の意味での歌謡曲のエッセンスとでもいうべきものが『How do I sleep?』『恋する瞳は美しい』という曲に結実し、これらはほかの誰にも真似できない新機軸になったと思います。
コアなファンには望ましくない変貌だろうな・・・とも推測されますが。。。(^^;)

そしてなんといっても「Alright!」がいい。
こういう曲こそが、私は大好きなのです。

このアルバムには捨て曲がない・・・
なんていわれていましたが、越智さんが歌えば『鉄道唱歌フルコーラス』だって捨て曲にならないだろうから、本当にそうかは聞いた人によるかもしれないんじゃないかな・・・?(^^;)

つまるところ・・・
書店で見た広告の『進化』というのが「音楽性の幅の広がり」と捉えるのであれば、方向性は望ましい方向に行ったと感じる人とそうでない人がいるに違いありませんが、進化したんでしょう。^^


そして、サードアルバムに至るまでにいくつものタイアップの音楽が発表されました。
なんといっても白眉は今回の収録曲のいくつかも入っているミニアルバム・・・
レビューなどを目にするといろんな意見があるようですが、私は、このようにシングルなどで世に問うたもので品質を保証して、そのうえでフィルアップの作品を収めた作品作りをするこのプロダクションには好感を抱くものです。

話を元に戻すと・・・
ミニアルバムにオマケみたいについてきたように見えて、物量的にはそっちがメインじゃないかとも思えるリスペクトする楽曲のコピー集・・・

さらっと聴きましたがまさに「オマージュでございます」というべきお仕事で、本当にこれらを演っていると楽しいんだろうなという感覚が伝わってきました。

プロダクションとして安定感抜群でお上手なので、いささかも文句のつけようもありませんが・・・
あえて私は、Superflyとしてやらなければならなかったのかということに疑問を挟みたくなります。


ただ・・・
今回のアルバムを聞くと、これが大きな伏線になっていたんだなと強く感じられます。

そういうわけで・・・
できたてホヤホヤ(ホントは発売されてホヤホヤ)のサードアルバム『Mind Travel』ですが、越智さん自身の「とても明るく、華やかな作品」という評価、そしてゆっくり心の旅を楽しんでくださいというメッセージが、さすが作り手、よく特徴を顕していると思います。

曰く・・・
作り手であるSuperfly自身の心の旅なんだろうな・・・と。
オマージュした曲を下敷きにした、自分たちの現在の到達点を表現したんだろうと。。。


したがって・・・
セカンドからの深化というよりも、ミニアルバム・・・オマージュの曲集からの深化なんじゃないか、そう思わずにいられません。

これは以前の曲集でもしばしば気になったことなのですが、多保さんのオマージュの顕し方はきわめて直截です。

もちろん・・・
むしまるQの愛すべき動物ソングの数々のようなパロディーや、シブがき隊の『ZOKKON命(LOVE)』のイントロでナイトレンジャーをそのままパクったようなマネは決していませんが・・・
でも・・・わかるんです・・・お里が。
いや、正確を期せば、わかるように思わせられちゃうんです。


こしらえられた楽曲はいずれもご機嫌だし、よくできてるし、パフォーマンスも文句ありません。

だから、かけっぱなしておくと越智志帆というヴォーカリストを統一して、バックを著名なロック・レジェンドをリスペクトするコピーバンドが演奏しているように聴こえちゃう。
FMとか有線で洋楽を聴いているんだけど、いろんなグループがやってるようにも聞こえるし、ヴォーカリストはなんでかしらないけれど一緒だし・・・
そんな違和感があります。
それが楽しみ・・・でもあるのですが。(^^;)


“Rollin’Days”で“Black or White”の別ヴァージョンかというようなリフに始まり、先々の曲では“Yesterday once more”の伴奏リズムかという箇所があり、Zepの“カシミール”、クルセイダーズに妖精だった頃のオリヴィア・ニュートン=ジョンにブロンディまでいるじゃん・・・
パープルのギグのスタートを思わせる“Free Planet”、これらはすべて多保さんの手になるもの・・・

彼のアレンジワークに通底するのはストーンズやロッドのエッセンスであり、なんかあふれまくっているという感じです。


アレンジ以外にも・・・
“Wildflower”なんてタイトルだって、何にインスパイアされたのか?
“Morris”のPVで、Gibson弾いるじゃん!?
などなどの言いがかり的なツッコミに至るまで、ウンチクをかたむけたくなるような作りは、オンタイムでご先祖筋の音楽に触れてきたおじさんにはとても嬉しいものということもできます。
それらは決して悪くない・・・んです。

Superflyの資質は一聴してわかっているし、素養も十分にわかった・・・
でも、Superflyという桁外れのユニットの特徴が、そんなことであるのはいかにも勿体ないんじゃないんでしょうか?

つまり・・・
Superflyでしかありえない、もうひとつ昇華された作品作りを期待したい、これが私のもっとも感じるところなのです。


突き抜けたヴォーカル・・・
これがもっとも生かされた私のイチオシナンバーは、越智さん自作の“タマシイレヴォリューション”です。

この路線こそ私の知る限りSuperflyの独壇場、すなわち、ルーツである洋楽のエッセンスに拘泥しない蔦谷路線です。
今後のことを思うとき、蔦谷氏あるいはさらに越智さんの共感を勝ち得てなお、インスパイアしてやまないような触媒となるキーマンが現れることがもしかしたらいいのかもしれません。

でも・・・
ミニアルバムでコピーしました → それに敬意を表したことがわかるオリジナル曲を相当な完成度で作りました (本作) → それらの財産を消化して、さらにこれこそSuperflyと言えるほどに昇華した4thアルバムの完成を期待したいというのが私の思い。。。

レッド・ツェッペリンだって、ファーストのあと勢いとドライブ感で勝負のセカンド、アコースティックなサード、しかる後に『天国への階段』にいたった(『ブラック・ドッグ』『ロックン・ロール』だってある)わけです。
TOTOにせよ、『ロザーナ』や『アフリカ』を擁する4枚目のアルバム(ジャケットの剣が印象的でしたね)をものにしました。

Superflyの3枚目にも、『移民の歌』『グッバイ・エリノア』に相当する、いやそれ以上に人口に膾炙しうる作品は収められていて、4枚目への期待はいや高まります。

わが国においては、長渕剛さんだって4枚目の『乾杯』でそれまでの集大成と、唯一無二の音楽を作り始めるスタートを切った・・・
さだまさしさんだって、ソロ4枚目『夢供養』は少なくとも私にとってはエポックメイキングな作品だったし、彼自身にとってもフリーフライトレーベルの嚆矢を飾る意欲作だったのでは・・・?

4枚目ってえてしてそんな作品が多いし、Superflyにとってもそうであってくれるといいと思うんですけどね。

そして・・・先の長渕さんの『乾杯』に富澤一誠さんが寄せた言葉「これで長渕の曲はすべてよくなった」が、Superflyにもそのとおり当てはまるようになれば、歴史に名を残すだけでなく永くその芸風を親しまれる独自の存在として活躍できるに相違あるまい・・・なんて思うわけです。


そういえば、私が今もっとも好きな日本の女性ヴォーカリストは越智さんのほか、LOVE PSYCHEDELICOのkumiさん、mihimaruGTのhirokoさんなんてところであります。

デリコの4枚目『GOLDEN GRAPEFRUIT』も、デビュー時からすでに独自の個性を誇っていた彼等のいいところを、経験を踏まえたうえで、原点回帰して全部出したようなアルバムになっていました。
とりわけ“フリーダム”は、MLBのテーマにも取り上げられ広く人に知られるようになっただけでなく、kumiさんの体の柔軟性まで十分にアピールしたPVまで含めてカッコよかったし文句なし。

mihimaruGTは4枚目というより、“気分上々”が大ヒットしたサードの後にドラえもんの映画の主題歌としてリリースされた“かけがえのない詩”に撃沈した私・・・
子供を映画に連れて行って、エンドロールに一生懸命食い入ってしまったのを思い出します。

この歌でのhirokoさんのような声そのものの演技というか“アヤカシ”は、越智さんの芸風にはないですね。
ユニットにおけるhirokoさんの振舞いは、miyakeさんにかなり負っているところがあると思うので、大いにネコを被っているというか抑制を強いられているようにも感じます。

彼女のソロを聴くと結構声の演技よりも張り上げてしまい、それによって却ってよさがスポイルされている気もするので、mihimaruのスタッフはhirokoさんをいかに生かしたらよいのかをよく心得ているのでしょう。
彼女はアレサ・フランクリンではない・・・んだと。

越智さんはアレサのように歌ってもいいんだけど、彼女をもう一段以上ステップアップさせる課題も、案外こんなところにあるのかもしれません。
裏目に出る可能性も多分にあるので、プロデューサーとしては頭の痛いところでしょうけどね。(^^;)


ついでながら・・・
PVについてもベストヒットUSAやMTVを永く観てきたものの目には、どこかで見たような演出がいっぱいある・・・んだよね、これが。

こちらも、中国の漢詩よろしく借景としての出典を楽しませるのではなく、オリジナリティで勝負してほしい・・・ものです。(^^;)
(“Rollin’ Days”のローズ・テレキャスターに始まるギターのコレクション映像には食いついてしましましたが。^^)


最後に・・・
BUMPやRADWIMPSもそうだけれど最近の若者のロックって、現実的で厳しい歌詞を歌ってるんですね。

ここでも“Beep!!”における「最後に逃げる」「自分の手を汚せ」って、ここで使われているような意味で、いつから女性歌手が歌うようになったんでしょう・・・?

この記事には「言わない約束」の事柄をけっこう盛り込んでしまいました。
明日も仕事に向かうおじさんはこれら「言わない約束」の歌詞のオンパレードにただただたじろぐばかりなので、多少言い返してやったかなという感もあり・・・です。

Atomic Heart考 ~UKロックの伝統と果実へのオマージュ

2010年08月21日 01時04分21秒 | J-POP
★Atomic Heart
                  (演奏:Mr.Children)
1.Printing
2.Dance Dance Dance
3.ラヴ・コネクション
4.Innocent World
5.クラスメイト
6.Cross Road
7.ジェラシー
8.Asia(エイジア)
9.Rain
10.雨のち晴れ
11.Round About ~孤独の肖像~
12.Over
                  (1994年)

ここにJ-POPのディスクを採り上げるのははじめてじゃないにせよ久しぶりですね。

このところJ-POPを聴くことが多かった私。。。
何をいまさらといわれるかもしれませんが・・・
先日思うところあって、ミスチルのレコード大賞受賞曲“Innocent World”や“Cross Road”を収録した“アトミックハート”というアルバムを入手しました。

一大モンスター・アルバムであるとは承知していましたが、収録曲のうち知っていたのは実は先の2曲のみ・・・
これらにせよいろんなメディアで聴いたことはありますが、覚えたソースはカラオケで同僚たちが歌っていたものでありました。
それも見よう見まねでしたから・・・こうしてモノホンを聴いたら多分に記憶と違っているところが判明するところとなり・・・
いろんなところで歌ってましたから、答合わせの結果を思うと恥ずかしい点しかとれていないなという思いがします。(^^;)



これは・・・
もはや歴史が評価を定めているディスクですから、いまさら私がどうこう言っても詮ないこと。
逆に・・・
あらゆる論評が出回った後で、それらの一切に目を通すことなく、それなりに最近の音楽シーンもしっているという私がどんな一文を記しても、どなたにもご迷惑をおかけすることはあるまいと気楽に思うところを書いてみようと思ったものです。

上記の2曲は、初期のミスチルについてはベスト盤に収められているようなシングル盤の一部しか知らない私にとっては、今なおミスチルの不動の代表曲であります。
このほかにカラオケでメロディーをなぞれる程度に知っているのは“名もなき詩”“Tomorrow Never Knows”ぐらい・・・でしょうか。(^^;)
いずれもこのバンドが私にとってエポックメイキングな存在と感じられる根拠となる曲ばかり・・・裏を返せば、ミスチルで知っている曲全部とさえいってもいいでしょう。

実は・・・
かみさんが最近の成熟したミスチルを好んでいるために“HOME”というアルバムなど何枚かは我が家にあり、逆に、これらはちゃんと耳にしています。

もちろん出来栄えはどれも素晴らしく、完成度はどんどん高まっています。
特に、思いの丈の伝わりかたについては、ヒューマンな表現力の幅が広がるにつれ顕著な向上を見せており、文句の付けようはいささかもありません。
けれど結論としては・・・
私には初期の曲のようにグッとくるものが感じられない・・・はっきり言って食い足りない印象があるのです。

感じ方の問題なのでどうしようもないのかもしれませんが、プロダクツとしてはレベルが上がったけれど、プロデュースの成果としては初期のそれに及ばない・・・
こと私の場合に限っては、それが偽らざるミスチルのアルバムに関して感じていることです。



さて・・・
このシングル曲しか知らない時代のミスチルの“アトミックハート”。
これを全編通して聴いてみたところ、やはり上の内容を裏打ちする感触を得ました。
また、ミスチルの音楽に関しても一言で言えば私の好きな要素をふんだんに含んでいることが再確認できました。

興味深いことには・・・
私の印象ではこのアルバムのサウンドにあって看板の2曲“Innocent World”と“Cross Road”は浮いてしまっているように感じられました。
特に前者は完全に毛色が違う。。。

さらに奇妙なことには、私にとっては存在を以前から認知していた2曲よりも、これまで知らなかった他の楽曲のサウンドの方が、私には古くから馴染みのある親密な音作りに思われました。
もちろん、はじめて聴く曲たちでしたが・・・そこで鳴っているサウンドがどこかで聞いたことのあるような気がした、いわばお郷が知れるような気がしたために親しみやすさを感じたのだと思います。
聞いているうちにミスチルのメンバーの音楽のルーツ、あるいはプロデューサーの小林武史氏の嗜好が窺い知れて引き込まれてしまいました。

そして・・・
私にはこのアルバムのコンセプトが「イギリスのあらゆるサイケでプログレッシブな音楽へのオマージュ」であるとはっきりと感じられました。

もちろん、それが真実かどうかはわかりません。
先にも記したとおりアルバムの発表以来、私のようにこのアルバムを聞き、私がこの後述べるような観点から評論を書いた人がいるかどうかも知る由はありません。
でも私のこの説には、サウンドから受ける感覚的なエヴィデンスのほかに、物証からも確信に足る自信が持てる気がしているのです。



肝心のサウンド面全般では、特に小林武史氏が作曲に加わった楽曲では、ダークで抑圧された感情が湧き上がってくる感じが表現され、シングル盤によって形成されていたそれまでの私のミスチルのイメージを大幅に変えてくれました。
当然のこととはいえこの音こそが、プロダクションのコンセプトを示唆する端緒を明確に示してくれたのです。


それらは実はあらゆる表現に如実にあらわれている・・・

まずは視覚面から、レコードジャケット。
濃紺の地にバンド名とタイトルだけを書いたシンプルなもの・・・
私には、ビートルズのホワイトアルバムのジャケットが思い起こされてなりません。濃紺の地は、Yesの“こわれもの”から地球を取っ払ったらこんな感じじゃないでしょうか?
ここからも“ビバ・UKロック”を連想できないでしょうか?
私の仮説の信憑性やいかに?(^^;)


次に文字による彼らのUKサウンドへのオマージュとしては・・・
アルバムタイトルの“アトミックハート”からして、かのピンク・フロイドの“原子心母(アトム・ハート・マザー)”を意識していると思われてなりません。


曲名にいたっては・・・
3.ラヴ コネクション ⇒ 曲調はローリング・ストーンズ調。タイトルは彼らの“コネクション”へのオマージュ?
6.Cross Road ⇒ クリームに“CROSSROADS”という泣く子も黙る曲がありましたな。(元はアメリカのブルースですけど・・・)
8.Asia ⇒ 伝説のプログレバンド Asia を思わずにいられません。
9.Rain ⇒ ビートルズに“レイン”、レッド・ツェッペリンに“レイン・ソング”があります。このために雨を降らしたのか?^^
11.Round About ⇒ プログレバンドYesの銘盤“こわれもの”の冒頭の曲が“Round About”そのまんまです。

そして、Yesの“Round About”のダークで粘りのあるリズムから感じる肌合いが、このアルバムの事実上の幕開け2.Dance Dance Danceにそっくりに感じられたりもします。。。
Yesのスティーヴ・ハウのギターの前奏を、ミスチルの1のサンプリングの音になぞらえることもできる・・・
とまで言っては、ちょっと強引でしょうか?(^^;)


歌詞を拾ってみると・・・
2.Dance Dance Danceに「ラヴ&ピース」といやでもレノンを連想させる言葉がある。
4.Innocent Worldには「ticket to ride」というビートルズの曲のタイトルを忍ばせてある。
6.Cross Roadにもやはり「Winding Road」というビートルズ好きなら引っかかる言葉がタイトルと並置されている。

3.ラヴ・コネクションにある「お気に召すまま」という言葉をシェークスピアの「As you like it」と照らし合わせるのはさすがに考えすぎなのかもしれませんが。(^^;)
(アメリカのバンドのジャーニーにも「お気に召すまま」という曲がありますしね。)


そして、サウンドをさらに細かく紐解いていけば・・・
Yesなどのプログレからサイケなころのデヴィッド・ボウイ、そしてビートルズ、ギルバート・オサリバンあたりに至るまでのエッセンスが至るところでこだましているのを聴き取ることができます。

例えば6.Cross Roadや12.Overなどには、ビートルズの“フール・オン・ザ・ヒル”や“ハロー・グッドバイ”、“愛こそはすべて”のフレイバーが織り込まれているように聞こえるのは私だけじゃないはずです。


このアルバムを聴いている間、ずっと以前から私の体にしみこんでいた音楽が羊水のように原石のミスチルを包んでいるさまを思い浮かべました。

当然・・・
製作者の慣れ親しんだ音楽と私のそれ、いわば出自が同じわけですから、いかにはじめて聞いたにせよこれらのサウンドと私の相性がいいことは納得できます。
そして、このころのテイストを多少残しながらもミスチルはミスチルとして成長・成熟して彼ら自身の音楽の純度を高めていき私との共通項は徐々に減った結果が、最近の彼らへの作品に十全に同期できない理由かもしれません。

この頃にしかなかった勢い・・・
ミスチルに限ったことではありませんが、同じ根っこを持った人が画期的なことをおっぱじめた時にはワクワクしますよね。

このアルバムはまさにそんな一瞬を切り取った貴重な記録であり、私にとってもそんな気分を味わいたいときに、折りに触れて聴きかえしたいと思えるものとなりました。

揺れる想い~負けないで

2007年08月18日 23時17分50秒 | J-POP
★Golden Best   15th Anniversary
                  (演奏:ZARD)
《DISC1》
1.Good-bye My Loneliness
2.眠れない夜を抱いて
3.IN MY ARMS TONIGHT
4.負けないで
5.君がいない
6.揺れる想い
7.もう少しあと少し・・・
8.きっと忘れない
9.この愛に泳ぎ疲れても
10.Oh my love
11.こんなにそばに居るのに
12.あなたを感じていたい
13.愛が見えない
14.サヨナラは今もこの胸に居ます

《DISC2》
1.マイ フレンド
2.心を開いて
3.Today is another day
4.Don’t you see!
5.永遠
6.My Baby Grand ~ ぬくもりが恋しくて
7.運命のルーレット廻して
8.Get U’re Dream
9.もっと近くで君の横顔見ていたい
10.今日はゆっくり話そう
11.星のかがやきよ
12.夏を待つセイル(帆)のように
13.ハートに火をつけて


これはカミさん所有のディスクです。
私の音楽の嗜好からすると、個人的にはあまりお世話になったディスクであり楽曲ではありません。
今どき採り上げるのも、少しく時宜を逸しているかもしれません。

ただ、今回夏休みに家族と一緒に過ごした時間にカーステレオで聴いてみて、如何に多くの楽曲を耳にしたことがあるかに改めて驚き、いまさらながら大変なグループだったんだと感じ入ったためにここにご紹介した次第です。


あまりなじみが無いとはい言ったものの、“Good-bye My Loneliness”に取引先の少し年下の兄ちゃんが狂喜していたこと、私自身思い入れがある“揺れる想い”、そして国民的に人口に膾炙している“負けないで”など、自分(カミさんはじめ私の家族)にも少なからぬ「歌は世につれ、世は歌につれ」の体験を思い起こさせてくれるグループだったことを考えれば、こういうバックステージの発言の機会を持つものとしてオマージュを捧げることは、おかしいことではないでしょうしね。(^^;)
きっとこれから先もこのグループの歌を聴くたびに、何かしら想うところがあるだろうと感じられるディスクであります。
                  

ただ、もはや私にこれ以上いろいろ言うべきことはありません。

ヴォーカリスト坂井泉水さんの訃報に接して、ただただご冥福をお祈りするばかりです。

合掌

私の音楽殿堂(kyon2)

2007年03月31日 00時03分20秒 | J-POP
★バラード クラシックス
                  (演奏:小泉 今日子)
1.Flapper
2.哀愁ボーイ
3.木枯らしに抱かれて (Another Version)
4.涙のセンターライン
5.魔女
6.Smile Again
7.風のファルセット (Another Version)
8.胸いっぱいのYesterday
9.Today’s Girl
10.夜明けのMEW
11.ヨコハマ・スイート・レイン
12.One Moon (Whisper Version)
13.二人 (Another Version)
14.スターダスト・メモリー (Slow Version)
                  (1987年)

私が思うに、前回記事のおニャン子を向こうに回して、あのころ一人で立ちはだかることができた唯一のアーティスト(あえてアイドルと言わない私)といえば、小泉今日子さんしかいなかったのではないでしょうか?

そしてその小泉今日子さんの魅力はなんといってもその声・・・特にウィスパー・ヴォイスであります。
私の親父の世代が青江美奈さんに感じたような感覚に近いのかもしれません?

このディスクでは、そんなキョンキョンの魅力が全編感じられるような曲調の歌が集められており、久しぶりにこの記事を書くために取り出して東京都内を例によってふらついておりましたが、この1枚ばかり半日近く何度もずっと聞きとおしてしまいました。
ヒット曲ばかりでなくても、このようなアルバムが作れてしまう歌謡曲畑出身のアイドル兼アーティスト歌手ってあまりいなかったような気がします。
男性に置きかえてみると私の敬愛するジュリーにしても、それはできなかったことのように思われます・・・。

とはいえ冒頭の“Flapper”からして、キョンキョンでなくては表現し得ない世界のような気がして、アイドル歌手ではなくこのころまでには既にアーティストの顔を持っていたんだなと、懐かしみつつもしみじみ思ってしまいましたねぇ・・・。

ホントこれらのディスクは何年ぶりに聴いたかしら。でも、いいですねぇ・・・。


★ナツメロ
                  (演奏:小泉 今日子)

1.学園天国
2.S・O・S
3.お出かけコンセプト
4.赤頭巾ちゃんご用心
5.レディ・セブンティーン
6.尻取りRock’n Roll
7.恋はベンチシート
8.やさしい悪魔
9.Soppo
10.夢見る16才
11.バンプ天国
12.アクビ娘
13.みかん色の恋
                  (1988年録音)

kyon2は私より2歳年下であります。
したがって、彼女がナツメロと感じる楽曲は二アリー・イコールで私のナツメロとリンクします。
今となっては、このナツメロの録音自体が充分ナツメロなのですが・・・。

恐れイリアの“ジューシィ・フルーツ”が2曲も入っていたり、ハクション大魔王の隠れ名曲(隠れてないか?)があったり、ラストはなんと“ずうとるび”ですよ!
kyon2が初めて買ってもらったレコードが“みかん色の恋”だってライナーにあったので笑ってしまいました。
“ぺ●ング・ソースやきそば”のあの方にも、こんな時代があったっけ・・・ですねぇ。

共演陣では、“学園天国”などでキレのいいディストーションのギターを弾いてるのが“たのきん”のヨッちゃんだったり、“恋はベンチシート”の最後にデーモン小暮閣下が光臨されたけどkyon2にメロメロにされてたりと、今聴いても笑えますな。
わからない人は、おとうさん、おかあさんに聞いてくださいネ!(^^)/
しかし、kyon2みたいな声でおねだりされたら、なんでも買っちゃいますねぇ~・・・。今の私にはありえないシチュエーション・・・じゃチョッと寂しい・・・かな?

そういえば“恋のぼんちシート”なんて曲もありましたねぇ~。今どうしてるんでしょうねぇ・・・。
あの、田原俊彦・松田聖子を抑えて最優秀新人賞を獲った幻のグループは・・・。
私は今でも仕事中に、『今日、耳日曜』のギャグを実践してますけど・・・。

あ、話が違いますね。

それにしてもピンク・レディーにヤザワに銀蠅、キャンディーズに世良さんまで、よくぞ集めてくれました。
ピンク・レデイー“S・O・S”はご本家よりもコケティッシュで、キャンディーズもミキちゃんが唯一リードを取った曲で私が最高傑作と目する“やさしい悪魔”を選曲するなど、今もって(以前よりも)、あたしゃメロメロであります。

そしてどうしてもハズせないのが“赤頭巾ちゃんご用心”。
レイジーの曲ですが、このヴォーカルは先ごろご紹介した“むしまるQ”シリーズで大活躍しておられた影山ヒロノブさんでした。今ではアニメ主題歌なども含め、子供向けのフィールドでの活躍が目立ちますが、当時はこのようなかすかにヘヴィめなポップ・ロックの世界をやってたんですねぇ~。
まあ、ギターの高崎晃氏がその後に結成したラウドネスの楽曲と比較すれば、レイジーを続けるのをやんなっちゃったのはしゃ~ないなと思いますね、やっぱし。


★Best Of Kyong King
                  (演奏:小泉 今日子)

1.ヤマトナデシコ七変化 (Long Version)
2.Heart Breaker (Short Version)
3.水のルージュ (Berlin Version)
4.夏のタイムマシーン
5.夜明けのMEW
6.Good-Morning-Call (Another Version)
7.キスを止めないで
8.なんてったってアイドル
9.木枯らしに抱かれて (Chorus Version)
10.月の夜のシ・ア・ワ・セ
11.怪盗ルビイ (Ball-Room Version)
12.One Moon (Fairy Tale Version)

ここら辺まで来るとアイドル歌手というより、いろんなジャンルに挑戦するアーティスティックな姿勢が結構前に出てきてますよね。
そうでありながら“なんてったってアイドル”と喝破するkyon2の奥ゆかしさ。
それにしても“ヤマトナデシコ七変化”や“Heart Breaker”などの曲をこのように料理するのがいいかどうかは別として、ヒット曲満載で別ヴァージョンのアルバムができるというのも、当時としては凄いことだったのかもしれません。

私は彼女のナンバーの中では“木枯らしに抱かれて”が最もフェイバリット・ソングなのですが、ここではコーラスをバックにしたヴァージョンのものが聴けるのが
楽しみなのであります。

そしてラスト・ナンバーは朗読というか語りなのですが、夜寝るときにこんな語りで眠りにつけたらシアワセでしょうなぁ。
いやぁ、久しぶりに聴いたkyon2、ますますいいですねぇ~。


★anytime
                  (演奏:小泉 今日子)

1.My Sweet Home
2.la la la・・・
3.優しい雨
4.ドライブ
5.SEXY HEAVEN
6.あなたに会えてよかった
7.永遠の友達
8.月ひとしずく
9.ラブバラ(LOVE・BALLAD)
10.あなたがいた季節
11.自分を見つめて
12.Heaven
13.おやすみ・・・
                  (1994年)

5年後に取り纏められた、ほぼベストアルバムといっていい内容の一枚。
ぐっと大人っぽくなって、ますますステキ。
ここらまでくると、唯一無二のコイズミワールドですよね。この10年後の我が国の小泉ワールドよりはずっと夢があってステキ。
ウィスパー・ヴォイスもデーモン閣下を骨抜きにしたころと比べても、格段にセクシーになっています。
あのころ、ちゃんと私も誘惑してもらっておけばよかった・・・。


驚くべきことに、このアルバムを今回見直してみたところ、『KOIZUMI TRIVIA』なるkyon2に関する質問集がありました。その説明には「コイズミのカルトクイズ」とある・・・。この頃既に“トリビア”という言葉を使っていたコイズミの進取の姿勢に敬服すると同時に、カルトという言葉はすでに一般に流布していたと思しき事実に驚きましたねぇ。

50問のクイズにも驚きました・・・。2・3例を挙げると・・・

Q.29:コイズミが自宅の冷蔵庫の中に欠かさない食品は?
Q.30:コイズミはよく根も葉もない恋愛の噂をマスコミに書かれてプンスカ怒っていますが、たった一人だけ
     大ウソをかかれたのに大喜びした男性がいます。それは誰でしょう?
Q.31:コイズミが「今晩飲みに行こう!」という時によく使うフレーズはなんでしょう?
     ちょっと○○○ちゃおって感じ。

いかがですか?できそうですか・・・?

ちなみに小泉今日子さんは、デビュー25周年記念のベストアルバムを発表したばかりでしたね。
3年ぶりにステージに上がり「41歳です!」と高らかに宣言して(?)、『あなたに会えてよかった』などを歌ったとか。
この記事を思い立ったのは、そのニュースを聞いたからでありますが・・・。

女優としても歌手としても、まだまだ我々同世代を引っぱっていってもらいたい存在であります。


小泉今日子さんは私にとってこれまで、そしてこれからもずっと“日本女性のコケティッシュさの象徴”であり続けることでしょう。

この3名の関連は?

2007年03月30日 00時12分35秒 | J-POP
【40】日本「生稲」紀行
                  (演奏:生稲 晃子)
1.Jealousy In The Night
2.北斗七星の一夜
3.忘れたいのに
4.オ・メ・デ・ト・ウ!
5.モノローグ・・・春
6.あした元気になぁれ
7.Japanese Girl
8.さよならの岸辺から
                  (1989年)

日本人女性のディスクを3枚ご紹介します。
この3名にはある共通点があるのですが、それは何かをお考えください。(^^)v

このディスクを何で所有しているか?
答は簡単、おたずねした関連のメンバーのうちで、生稲さんがもっとも私好みの癒し系ルックスであるからであります。

収められてい楽曲はともかく、歌唱は丁寧で好感が持てるし、私は生稲さんの声が好きなので曲はなんでもいい・・・。
(^^)/ 
ちょっと言いすぎですネ。
アップテンポでダンサブル(?)な曲集もありますが、この歳になるともし聴くならこっちですな。ジャケットの写りもこっちの方がいいし・・・。

なによりこのジャケットの中に、プチ写真集みたいにいっぱい彼女の写真があるのがいい・・・。この写真の女性がこれらの歌を歌っているんだと思うだけで、満足です。

こんな可愛い女性から『あした元気になぁれ』と言われたら、元気にならないわけにいかないじゃないですか!

【38】unlimited
                    (演奏:工藤 静香)

1.禁断のテレパシー 
2.Again
3.抱いてくれたらいいのに
4.FU・JI・TSU
5.MU・GO・ん・・・色っぽい
6.恋一夜
7.嵐の素顔
8.黄砂に吹かれて
9.くちびるから媚薬
10.千流の雫
11.私について
12.恋模様
                  (1990年)

ここに並んでいる曲は、工藤静香さんのベストであると共に後藤次利さん作曲の楽曲ベストに他ならないですねぇ。
後藤次利作曲といえば、ここに“シブガキ隊”の『スシ食いねぇ!』が入ったらマジで・・・

     ・・・・・・・・・浮きますねぇ。 いくらなんでも判ってますよっと・・・。(^^)v

ただ、ここにある楽曲だけでも『無敵』ですな。

さらにこのシングル曲のベスト盤ではデビュー後からリリースした順に曲が並んでいますけれど、冒頭(ということはデビュー後すぐ)の何曲かのヴォーカルを新たに入れなおしているところが、更に無敵さ加減をいや増しているように思います。
というのは、ソロ・デビュー後すぐの工藤静香さんは、その後顕著に現われる彼女にしかない“凄み”が感じられませんでした。
いわば「なんちゃって静香ちゃん」だったのが、本来の彼女の持ち味が現われ“なんちゃって”が取れたひと皮もふた皮もむけた歌唱になっているのであります。
こうなるとそれぞれの曲をシングル盤でもっていたとしても、このベストを手にする価値というのはあるわけでありますな。

個々の曲についてのコメントはするまでもないのでしませんが、我々の世代でこれらの歌を耳にしたことがない人はそのころ海外亡命でもしていたのではないかというぐらい、流行りましたモンねぇ。今と違って、テレビでもラジオでもこういった歌謡曲が溢れていた時代・・・の最後のころ。
やはり、彼女達のグループの中で歌手として最も成功したのは工藤静香さんなんでしょうかねえ?

ちなみに私はギターの弾き語りで、彼女の歌をよく歌っていました。いまでもやればできるんでしょうけど・・・。自分で言うのもなんですが、ちょっとキモいかも・・・。

そうそう、私が最初に買ったパソコンは“富士通”製でしたが、フリーズしたりデータが消えちゃったりすると、このなかのある歌を知らず知らず口ずさんでしまってたりして・・・。
 ♪~ それはないんじゃない~  ・・・なんてね。

さて、前の生稲さんとの絡みで、冒頭質問の鍵を握る重要な公式をひとつご紹介しましょう。

《基本的な公式》
    【38】+【40】+【42】 = “うしろ髪ひかれ隊”

        (参考  【42】 =  斉藤満喜子さん)


【36】EVERGREEN
                  (演奏:渡辺 満里奈)

1.虹のマジック
2.バスルームでDIARY
3.夏休みだけのサイドシート
4.バラードを聞きながら
5.マリーナの夏
6.EVERGREEN
7.鏡の国のI LOVE YOU
8.次のページを開いて
9.秋服のボートに乗れば
10.恋の日付変更線
11.トロピカル・ジュース
                  (1987年)

とにかく“マリーナの夏”が彼女の名前と引っ掛けた、今で言うオヤジギャグに相当するノリで収められた曲あるのかどうかが私の最大の関心事ではありましたが、バックの演奏など丁寧に作ってあるディスクではあります。ただし、楽曲がそうかどうかは知りません。

そうなんです。満里奈さんも関連した人であり、手がかりの3人のうちのひとりであります。
もちろん上記の公式には満里奈さんが入っていないので、“うしろ髪ひかれ隊”が答ではありません。

満里奈さんも、ウチの子供なんかに言わせると“どうぶつ奇想天外”の解答者のお姉さん(チョッとヤバイか?)でありますが、父親の目には違って映っているのでありました。

だれもこのCDをかけても、家族の誰もがみのさんとやり合っているあのオンナの子(これもちとムリがあるか?)であるとわからないだろうなぁ~~。

でも、ひょっとして、もしかしたら・・・侮れないヒトが一人だけいるんで・・・。
河合その子さん(【12】)が後藤次利さんと結婚していることを知っていたからなぁ・・・。


さぁ、みなさんお判りになりましたか?
私の世代の男性であればこの3人から連想する衣料品として“セーラー服”が挙げられるはずであります。
厳密に言うと、“セーラー服”のときはお三方ともまだ関係なかったかもしれませんが、関係してから一度も“セーラー服”に関係なかったこということはないと思いますのでそのへん鷹揚にお願いします。

なお、先の“うしろ髪ひかれ隊”の前に、高井麻巳子さん【16】と岩井由紀子さん(ゆうゆ)【19】による“うしろゆびさされ組”があり、そこから連想される衣料品は“すきゃんてぃ”ですよね・・・。

何はともあれ、もうお判りになったでしょう!

いえいえ、『モーニング娘。』ではないですよ・・・。



《閑話休題》
いつもおちゃらけていますが、たまには本音トークをしたいと思います。タバコの話を少し・・・。

まず最初に私が決して子供にさせまいと心に誓っていることが、煙草とピアス(もちろんタトゥーなど論外)であるという考え方をもった人種であることをお断りしておきます。

儒教の考え方の中で親からもらった体の何一つ損なうことなく、天寿を全うするのを良しとされていることに影響を受けているのかもしれません。

私自身生まれてから金輪際、煙草の一本も吸ったこともなければ吸おうと思ったこともないという好奇心のかけらも見当たらない人間であるからかもしれませんし。

営業担当時代、相手との商談が煮詰まった時などに煙草を吸う人は、うまく間が取れるような気がしていいなとは思ったのですが、それ以外に煙草を吸ってメリットがあるという話を耳にしたことがないのに、ましてや体に悪いと散々言われていながらどうしてみんな吸うのだろうと、不可思議な想いをしておりましたので・・・というか、未だに不思議に思っているので。

そのほかにも、本当は茶髪にするなど髪を染めるのも許せない人種なのですが、これはすでに妻にすら徹底できてないと言うか寄り切られているので、不問に付しましょう。
自分自身もも白髪が増えてきておりこれを脱色してると言われたりとか、かといってそれを白髪染めで染めた場合につじつまが合わなくなるので、このことには触れないよことにします。
これで他人に迷惑をかけることはないし、親からもらった体に傷をつけることもないですしね。


さてさて、本題ですが『モー娘』といえば元メンバーの未成年女子が喫煙した咎で事務所を解雇されたというニュースが小さくとりあげられていましたね。
私の周りで、世代が下るほどに「煙草ぐらいで」という声があるのに非常な違和感を感じています。

煙草を吸う人のことを否定しているわけではないのですが、嫌煙権・受動喫煙の問題も取り沙汰されているのに、人前で、とくに禁煙席のない食事の場所で自分が食べ終わったところでいわゆる「食後の一服」を吸う人のデリカシーのなさには恐れ入ります。
基本的に禁煙席のないところには行かないので、最近はあまりそういうことで頭に来るケースは少ないんですけどね。

また路上喫煙の禁止をしている自治体も多いようですが、どうもこれも徹底されていないのが気になります。ルールは徹底されていなければ、これを守る風土は生まれないわけですから、取り締まるなら取り締まる、不問に付すならルールを作っちゃいけないと思います。モラルが下がるだけです。

私自身、東京にきてから、新宿の歩道を歩いていて手の甲にタバコがあたり根性焼きされたことがあります。相手さんには、すごく大袈裟に謝ってもらえちゃったので却って恐縮しちゃいましたけど・・・。
でも、子供の顔やら目に当たったらと思うと・・・いかが思われますか?

所定の場所以外禁煙という決まりになっている私の勤める会社の会議でも、上司が吸う人だとチョッと前まで治外法権といわんばかりに平然と吸ってた事実があったようですが、さすがに最近徹底されてきましたねぇ。
ちょっと前に、私の少しだけ上司がちょっとシンドイ状況を報告しなければならない会議に臨むに当たって、ヘビースモーカーの部長に「タバコ吸っていいですか?」と聞いたとき「いいよ!でも吐出しちゃダメだよ」と言われたのはケッサクでした。
もちろん会議中に内容共にやり込められたのは言うまでもありません。会議前に、自分の仕事ぶりがヤバイと宣言しちゃったようなものでしたからねぇ・・・。お気の毒様でした。

要するに言いたいことは、タバコを吸う時のマナーを考えて欲しいということです。
まず、未成年はちゃんと吸っちゃいけないという法律があり、その法律は何の疑念もなく正しいものと信じられる法律であるのだから、ちょっと背伸びしたいという気持ちはわかるけど吸ってはいけない。
大人も、近くで吸われることに不快感を覚える人が周りにいることをよく考えて欲しいのです。受動喫煙が体に悪いと言うだけでなく・・・。

笑うに笑えなかったのはさっきの話じゃないけど、以前職場の3人で食事に行って課長がいちばん早く食べ終わり「食後の一服」をしながら、「かみさんがいやがるから、家の中で吸えないんだよ」とか話さないようにして欲しいものです。
話かけられてる吸わない部下Aも、その反対隣の吸わない部下Bも、課長が奥さんにはできているその配慮を自分達にもしてほしいと思っているのが判らないのでしょうか?

なおちょうどタイミングよく3月29日号の『東洋経済』にガンの特集があって、我が国のタバコ事情と肺ガンの実体などに警鐘が鳴らされていました。

みなさんにもお考えいただきたい一節として要約引用したいと思います。

曰く、我が国でのタバコ問題は未成年者だと『非行』、成人者では『受動喫煙』『マナー』の問題だとされているが、欧米をはじめとする諸外国では例外なく『健康問題』として議論されている、ということです。

喫煙と肺ガンの因果関係がハッキリしないとされていることについて、同誌では数字を基に考察を加えた記事を出しています。
私は、少なくとも一面的には真実であると思っています。

いずれにせよ私はタバコを吸うつもりはないので、受動喫煙をしないように気をつければ『健康問題』としての弊害は避けることができるのですが・・・。


『モー娘』の元メンバーには酷に思われるかもしれませんが、今回の件は当然の措置だったと思いますし、中日に入った中村選手のように合法的な金銭闘争の態度でバッシングを受けたわけでなく法律違反で解雇されたわけですから、業界も「ほとぼりが冷めたら・・・」などという考えは捨てて、違う道を静かに歩ませてあげることを応援するようにしてあげてほしいですね。

そういえば今日の記事で「考えていただく」ことにした共通点の答えである出身グループでも、事実上活躍したメンバーの会員番号で最も若いのは新田恵利さんの【4】であるという理由は・・・やはり、喫煙問題でしたっけ。

残念ながら、また繰り返してしまったわけですね。


違った意味での繰り返しになりますが、「わかっちゃいるけどやめられない」と仰る気持ちもよくわかりますので、タバコを吸われる人についてどうこう思ってるわけじゃないですよ。
マナーを守っていただけないかたの行為について、断固改めて欲しいと思っているだけなんです。

いつも以上にとりとめのない記事になってしまいましたが、最後に植木等さんのご冥福をお祈りして終わりにしたいと思います。
私もよく笑わせてもらいました。

コメント欄のヒロイン

2007年03月14日 21時36分17秒 | J-POP
たゆまぬ真実の追究をやめない私は、今回の長岡留守宅へ帰った折も1%の自己研鑽と99%の娯楽を求めて巷に足を運び、心のアンテナを可能な限り高く掲げてさまざまな有益な情報の収集に余念がなかったのであります。
そんな私の日ごろの努力がまたもこのような形で結実したことをみなさんにご報告できることは、いつもながら私の誇りであり、大きな喜びとするところであります。

というのも、俄かにこのブログのコメント欄のヒロインに躍り出たこの方の情報が、ジャストタイミングでヒットしたのです。これが私の意識の高さを証明するものでなくてなんでありましょう!?(^^)v

コメント欄のヒロイン、その人の名は“三石 琴乃さん”。声優さんです。
一般には“美少女戦士 セーラー・ムーン”の主役“月野うさぎ”の声を担当しているヒトといえば通りがいいのではないでしょうか?
ウチにもビデオがあったり、長女が最初に乗っていた自転車には“うさぎちゃん”の人形が付いていたりで、セーラー・ムーンといえば泣く子も黙る的な存在感を感じる私なのですが、正にその声が三石琴乃さんなのであります。
決めゼリフはもちろん、「月に向かって、おしおきよ!」です。ご存知ですよね!!

個人的にはNHKでやっていた“むしまるQ”の“うららちゃん”というイメージが強いのですが、カンタンにいってしまえば全く同じ声のキャラクターです。特にテンションが高い“うさぎちゃん”なんて、“うららちゃん”と何も変わりません・・・。(^^)/


今回私は、冒頭写真のとおり三石琴乃さんの主宰する学校である三石学園の生徒手帳を手に入れてしまったのであります。

そして、かねて話題になっている三石学園校歌の歌詞も把握し、三石学園校訓もこのように入手しました。
          

この三石学園校歌は、さる筋では名曲と称されているようであります。
なにぶん私は聴いたこともないし、歌詞が分かっても楽譜がないので歌えないのが悲しいのでありますが・・・。

また校訓の3カ条の前2つはどうでもいいとして、3つめの“ちゃんとしないとお仕置きよ!”というのがいかにも三石学園していてステキじゃありませんか!?

学生証・・・。


定期券&三石学園校則、琴乃さんってやっぱり学園長だったのね・・・。


何とまあ、この生徒手帳、至れり尽くせりではありませんか? (^^)v

私もこれで三石学園の出身みたいなモンですな! あとは校歌の楽譜か音源を捜せば万全なんですが・・・。

★バースディ オブ ザ サン ~三石琴乃 ベストセレクション~
                  (演奏:三石 琴乃)

1.太陽の誕生日
2.おしゃべりGirl Friend
3.おやすみ、ゴジラ
4.流星でカーニバル
5.A・Ha・Haの勇気
6.さよならバレンタイン
7.My Dolphin Boy
8.崖っぷちの先で車止めてよ
9.覚えていて
10.追憶(おもいで)
11.誰より輝いて
12.最後のセレモニー
                  (1995年)

要するに、長岡でこのCDを見つけて購入したらこれこれが付いていたという話なのですが、このCDがまたすごい。

ここにはまだ、“うさぎちゃん”も“うららちゃん”もいません。(^○^)/

フォーク系清純歌手がちょっと背伸びしてニューミュージックにも手を伸ばしてみました・・・というノリでいろんな曲が進んでいきます。
それも気にかかったのは実は歌ではなく、伴奏でした。冒頭の曲なんか、ディスコとかを思わせるブーミーなベースの音の処理が施され、8曲目などチョッパー・ベースがメッチャ気持ちよく決まっているし、随所にディストーションバリバリで、メッチャ明るいツヤツヤな泣きのギター・ソロ・・・。
思わず「そんな明るくてど~やって泣けっちゅうんじゃ!」と言いたくなりました。

注目すべきはまだまだあります。
このベスト・アルバムは1995年に発表されているようなのですが、まず3曲目に“おやすみ、ゴジラ”という曲が収められているところをみると、三石さんは並々ならぬ野球好きなのかもしれません。
三石さんのパワーを得たゴジラは翌年、セ・リーグのMVPに輝いています。三石効果のご利益は絶大だったのではないでしょうか?

さらに6曲目は“さよならバレンタイン”という曲ですよね。
この年のオフ、チームを2位に大躍進させたにもかかわらずロッテのバレンタイン監督が解雇されてしまいました。
なんとまあ、あまりにリアルすぎて笑うしかありませんでしたねぇ。
おやすみも、さよならも似たような言葉なのに明暗を完全に分けていて興味深い思いがいたしました。

ロッテが三顧の礼を以ってバレンタイン監督を再度招聘した今だからこそ、何気に曲名を見られますが発表当時はダイタンな試みだったのではないでしょうか?
よく名誉毀損とかで訴えられなかったなぁ~・・・などと思っちゃいましたが、みなさん、そうは思われませんか?

それとも、こんなことに気づいてあれやこれや勘ぐったりするのは私ぐらいのものなのでしょうか?

あ、もちろん単にバレンタイン・デーに関する歌ですけどね・・・バレンタイン監督のXデーではないんだと思うんですけど、どうだかね・・・。
まあ三石さんは巨人ファンで、ロッテがあまりお好きじゃないかもということで・・・。

タイトルといえば8曲目、“崖っぷちの先で車止めてよ”っていうフレーズも冷静に見るとけっこうキテますよね・・・。
この曲の歌詞に“肌に張り付くレザーのビキニ”というところもあったりして、いろいろビジュアルに想像してみたりするのも一興かもしれません。


そうそう、2曲目の歌詞もスゴイんです。

   ♪~ 死ぬまでGirl Friend たぶんね
        白髪をピンクに染めて ねぇ お茶しましょ

この歌詞を歌える清純派女性歌手って、世の中広しといえどそうはいませんよ!


それでは肝心の歌はといえば、さすが声優さんだけあって(この頃はレッキとした歌手という肩書きだったのかしら?)、「何色にも染まります」という無垢さが感じられますな。

裏を返せば見事なまでに個性がない・・・
思うに“うさぎちゃん”とかキャラの個性が明確に出ていたならばそれを最適に表せるだけの表現力を持っていらっしゃるのでしょうが、これらの楽曲においては広く聴衆に受け入れられたいと思ったのか普遍的な声にしてみたところ、何とも空虚な存在感になってしまった・・・って、案外計算ずくなのかもしれませんが・・・。

しかしながら、件の名曲、“三石学園校歌”のA面だったと伝えられる“誰より輝いて(ニュー・ヴァージョン)”に至って、ほんの少しだけですが声優三石琴乃の片鱗が見える声が現われ始めます。
ラストの“最後のセレモニー”という曲では、他のどこでも聴くことができないうさぎちゃんを思わせる“爪弾くような声”で歌われています。この声がクセ者でなんとも言えない魅力があり、思わず手を差し伸べ「なんとかしてあげなきゃ」などと男心をくすぐられる思いがいたしました。

もちろんその後のむしまるQシリーズにおける細川俊之さんとのデュエット“すてきなきみ”、“カブト虫は840円”、“カラオケ・オケラのカラオケラ”などの名唱を考えあわせれば、やはり三石琴乃さんも一日にしてならずということなのでしょう。
あそこまでふっきれるまでは、やはり清純な乙女の時代の試行錯誤を経ているのだな・・・と。
かくて三石琴乃さんは、余人を以って代えがたい、ある意味凄みを帯びた魅力を湛えた歌手に進化されたのでありました。

実は“三石学園生徒手帳”にはこのCD発売当時のものと思われるスナップがふんだんに織り込まれておりますが、これもやっぱりステキなのであります。

へっ・へっ・へっ。ナイショですよ~だ!


《追伸》
三石琴乃さんの所属事務所の公式アーティスト・プロフィールの特技・趣味欄に“二度寝”とありました。
やはりこの方、タダモノではない!!

Reflections

2007年01月26日 00時25分56秒 | J-POP
★Re-Cool Reflections
                  (演奏:寺尾 聰)
1.Re-Cool HABANA EXPRESS
2.Re-Cool 渚のカンパリソーダ
3.Re-Cool 喜望峰
4.Re-Cool 二季物語
5.Re-Cool ルビーの指輪
6.Re-Cool SHADOW CITY
7.Re-Cool 予期せぬ出来事
8.Re-Cool ダイヤルM
9.Re-Cool 北ウィング
10.Re-Cool 出航 SASURAI
11.ルビーの指輪 1981
                  (2006年録音)

♪~ くぅ~もぉ~りぃ~ がぁらーすをぉぅ ツメで“きぃーーーーっ”!!!

おっと、これは昨日の嘉門さんのネタでした・・・。

先般タワレコ新宿に行った際に専用の試聴機を従えて、こじんまりと大々的に販売展開していたこの作品。
表現に自己矛盾があることはおいておいて、私は一聴してある閃きを感じて購入してしまいました。

それは、我が家のSACDプレーヤーが、CDプレーヤーであるエソテリックのX-50wのパフォーマンスををもしかしたら凌駕するかもしれないという期待でした。
結果は・・・。
スピーカーが高速な音の立ち上がりについていけずに、わかりません!! (^^)/
100年以内には多分スピーカーも買い替えることになると思うので、そのときにわかるでしょう・・・。とほほ。

この作品については、“とくダネ”の小倉アナが語っていたのをきいていたので知っていました。
またお正月にNHKのスタジオライブの特集番組を見たので、それとはなく興味も持っていました。
番組そのものではどっちかというとkyon×2のほうにより興味がありました、というのは余談です。
でも買っちゃうとは思ってなかったねぇ~。

しかしこれがけっこう楽しい出来なのです!
前の“リフレクションズ”も図書館で借りて(!)聴いたことがある私は、寺尾さんが前のリフレクションズよりずっと若くなったし、ずっと音楽を楽しんでいると思われてなりません。
アレンジも、エンジニアリングもよりエンタメ志向で、とても還暦を迎えようという人のそれではありません。

ザ・ベストテンを欠かさずチェックしていた私は、当然レコード大賞受賞作品“ルビーの指輪”のみならず“SHADOW CITY”や“出航”といったヒット曲も知っていますが、ここまでアグレッシブに伸びやかではなかったですねぇ。

寺尾聰さんといえば、当時は宇野重吉の息子だとか、ザ・サベージのベーシストだったとか、何より石原軍団で西部警察とかに刑事役で出ていた人というイメージが強かったですねぇ。
それが、アイバニーズのキルト・メイプル・トップのARの12弦ギターをかかえて歌っていたわけです。けっこう“ウノジュウキチノムスコ”派のかたからは、驚きの目を持って迎えられていました。

今、寺尾さんといって宇野重吉の息子というイメージが浮かぶ人っているのかしら・・・。
私は先般八王子の人権集会で“博士の愛した数式”を見ていなかったら25年ぐらい前のイメージのままでいたかもしれません。
知らなかったんですが、日本の映画の主演男優賞を2回取ったらしいですね。レコード大賞を取って主演男優賞を取ったひとは他にいないとか・・・。
そりゃそうでしょう・・・ふつうなら。。。
先の映画の演技からも、とても素晴らしい俳優さんであることは私にもわかりました。

さて“Re-Cool Reflections”と題された新作ですが、小倉アナの話では同世代の団塊世代の人への応援歌の意味合いが強いらしいですね。
まさに目論見が見事に昇華した形になった会心作であります。あらゆる意味で痛快でした。

最後に昔のアレンジによる“ルビーの指輪”をスタジオライブで再録しているなど、嬉しいですねぇ。特に以前のヴァージョンを知っている世代にとっては、なんともいえない感慨がありますね。
ビジネス上のマーケティングとしても比類ない確かさだと思わされます。

ノンポリの私は“ルビーの指輪”の大ヒット後、感謝のつもりで興行したコンサートで「マスコミ席を設けたために、コンサート会場に入れなかったお客さんがいる」という話を聞いて寺尾さんが激怒し、石原プロを飛び出してしまったという話に、“男気がある”というより“青臭い”ものを感じて苦笑しておりました。

しかし、このようにパーティーみたいな作品を、昵懇の仲間内でさらりと作り上げてしまうような、年齢の重ね方を目の当たりにすると、もっと真剣に生きていかないといけないと反省されられましたねぇ。

この作品は決して“話題づくり”や“売らんかな”ではなくて、寺尾聰という音楽好きが自身が作ったおなじみの音楽を、彼を慕う仲間とともに楽しみの中で作り上げたことが判るたいへん幸せな一枚です。
今の彼の“等身大の音楽”という本当にストレスのないパフォーマンスですから、音質なんかを云々するより、カーステレオででも“シャーン”と鳴らすとゴキゲンになれるんじゃないかなぁ~。
随分と年配が若いはずの私も爽快なパワーをいただきました。

“Reflections”がタイトルなのではなくて“Re-Cool"がメインタイトルなんじゃないか・・・。
そんな風に思う私なのでした。

★セロニアス・モンクに捧ぐ
                  (オムニバス盤)

1.セロニアス
2.リトル・ルーティー・トゥーティ
3.リフレクションズ
4.ブルー・モンク
5.アスク・ミー・ナウ
6.ブリリアント・コーナーズ
7.モンクス・ムード
8.パノニカ
9.バ・ルー・ボリバー・バ・ルーズ・アー
10.フォー・イン・ワン
11.ラウンド・ミッドナイト
12.エヴィデンス
13.ワーク
14.ファンクショナル
15.ミステリオーソ
16.ベムシャ・スイング

セロニアス・モンクをご存知ですか?
ジャズのピアニストであり作曲家だった人というくらいに思っていただければよいのですが、とにかく作る曲もその演奏も一筋縄ではいかない個性的なかたでありました。
もっとも有名な曲は、車のCMなどでも使われたことのある“ラウンド・ミッドナイト”でしょうか?
「しらねーよ!」と仰る方も聞いたら、「あ、しってる!」となると思います。

このアルバムはそんなモンクの代表作が概ね出揃ったアルバムです。
ハル・ウィルナーという有名なプロデューサーによりモンクへオマージュを捧げるアルバムが企画され、気鋭のミュージシャンによって個性的な曲に、それぞれこれまた個性的な演奏が寄せられていてニヤリとしてしまいます。

入社してほどなく手に入れたアルバムですから、最初に聴いたのは1990年ぐらいでしょうか・・・。以来、折りに触れて何度となく聴いてるんですよね。

さてさて、モンクの楽曲のうちで最も好きな曲はと聞かれたら、私は即座に“Reflections"と答えます。
この記事のキモはこのディスクの紹介なんですよね~、実は!!

ここではスティーリー・ダンの片割れ、ドナルド・フェイゲン(synth)と名ギタリストのスティーヴ・カーンの二人により演奏されているのですが、文句なしの出色の名演です。

この曲の原曲は、当初モンク自身のピアノ・ソロで発表されました。
とても優しい旋律なのですが、どことなく懐かしさをも感じさせるメロディー・・・。
しかしモンクの演奏はとんでもなく素っ気なくぶっきらぼうに聴こえます。他の人がこう弾いてしまったらぶちこわしなのでしょうが、モンクが弾くとえもいわれぬ味わいというか、偏屈な人が実は心の底ではとんでもなく人恋しく思っているというように思えるからフシギ。
不器用さが愛おしいって感じなのです。
実はホントに不器用なだけなのかもしれませんが・・・。

フェイゲンとカーンによる演奏は、とても繊細なカーンのギターに始まり、モンクがピアノで弾くとぶっきらぼうになる下降フレーズを、雰囲気を壊さないでいながらとっても流麗に弾いちゃっていて、まずはお見事!
後半のフェイゲンのハーモニカを模したようにも思える音色のシンセのサウンドは、機械が発している音なのにどうしようもなく泣かされます。
これは形容不能。聴いてもらうしかありません。

私にとっては、自分の結婚式のBGMに(結局クラシックの曲ばかりになって使えなかったけれど)ノミネートしたくらいの演奏なので思い入れも深いのです。
機会があったらぜひとも聴いていただきたい演奏のひとつといえましょう。

★リトル・ムーンライト
                  (演奏:ダイアン・リーヴス)

1.ローズ・オブ・ラブ
2.アイ・コンセントレイト・オン・ユー
3.リフレクションズ
4.スカイラーク
5.ホワット・ア・リトル・ムーンライト・キャン・ドゥ
6.ダーン・ザット・ドリーム
7.アイム・オール・スマイルズ
8.ブロードウエイの子守唄
9.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
10.ウィル・ビー・トゥゲザー・アゲイン
11.君の愛を信じて
                  (2003年)

モンクの歌唱といったらカーメン・マクレエが有名ですが、リフレクションズの歌であれば迷うことなくこのダイアン・リーヴスのパフォーマンスを挙げます。
ジョン・ヘンドリックスが歌詞をつけたこの“リフレクションズ”をダイアンはストレートに心をこめて歌いつくしています。

このアルバム全体が最高のジャズヴォーカル作品であり、ダイアンの作品の中では最も聴きやすいものではないでしょうか?
全編親しみやすい落ち着いた楽曲であり、それに相応しい歌唱なのですが、とりわけ素晴らしいのはニコラス・ペイトンのトランペットのオブリガートを伴った“ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド”でしょうか。
今の季節、温かいミルクでも片手にこのディスクを聴きながら過ごす夜は、とてもリッチな気分になれると思います。

ブラヴォ~!!!

小市民

2007年01月25日 00時00分01秒 | J-POP
★嘉門 達夫 ザ ベリー ベスト オブ 替え唄メドレー
                  (演奏:嘉門 達夫)
 ◇替え唄メドレー いっぱい
     ・・・ホント いっぱい

♪~ ちゃらりぃ~~~・ハナから牛乳!!  (^^)v

私はブログ開設時から“小市民”を自認しておりますが、我が国を代表する“小市民”といえばこのかた、嘉門達夫先生ですね。
なぁんと言われても、紅白歌合戦に出場されたほどの大歌手であります。
まさに小市民の出世頭!!

大学のとき“つれ”(名古屋で友達のこと)とスキーに行ったときに、嘉門さんの“このなかにひとり”シリーズのカセットを持ってきたやつがいて、カーステレオで大爆笑して以来、ひそかに愛聴しておりました。

しかし“よーやるわ”ですねぇ。
こうして聞いてみるとけっこう私、今までの人生のキャリアの中で使わせてもらいました。
たいていその後冷たい視線を浴びるんですよね。
それが快感の確信犯だったりして・・・。

ちなみに妻はわたしのそんなところが、ダイキライのようですが・・・。
かみさんの女友達は、嘉門さん好きなのにね。

でも“エリマキトカゲの悲哀の歌”などには同情を禁じえませんね。
これがわかる人は相当だと思いますが・・・。

元歌もさることながら歌詞中の“住専”とか“霊感商法”とか“タイ米処分”とか話題も懐かしや、ナツカシヤ。。。
今のハヤリの歌ではこんな替え歌つくれないよねぇ。そんなことないか!?

著作権の問題があるかもしれないので書きませんが、歌詞の中に小市民がいっぱいいます。
と、言わなくてもいい言い訳してサボる私も正真正銘の小市民・・・。

★J.S.BACH:ヴァイオリン・ソナタ全集
               (演奏:アンドルー・マンゼ (vn)、リチャード・エガー (cemb))

◇鍵盤楽器伴奏付きのヴァイオリン・ソナタ全集
 +トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 (マンゼ編)
                  (1999年録音)

嘉門達夫さんの後に、なぜこのディスクなのかは曲目をご覧いただければ一目瞭然かと存じます。(^^)/
万が一わからないと仰る方は、+αの曲を嘉門さんがパクったから・・・といえば判っていただけるでしょう。
それでもわからない人は、わかる人に聞いてください!

マンゼさんにおかれては、わざわざヴァイオリン一丁(“ソロ”っていうよね、ふつう)のためにこの曲をアレンジしています。
“マンゼらしい”じゃあーりませんか?

聴いての感想はといえば、冒頭のメロディーはやはりどうしようもなくかぼそい・・・。
中間部はさすがマンゼという流麗にして込み入った演奏を展開しておりますが、やはりオルガンの元の迫力にはどうしても追いつきません。
マンゼにしては珍しく、ハッとさせるというのではなく、軽いがスピード抜群のストレート勝負という微熱をもった演奏ではありますが・・・。

でも私とはまったく違うものをこの曲の演奏に求める方、とにかく達者なヴァイオリンをというかたには、超絶技巧しているときの揺らぎなどたまらないのではないでしょうか。

バッハのソナタ演奏になると様相は一変して、ビーバーやヘンデルのソナタのときの才気煥発さは影を潜め、ここでは典雅なチェンバロに乗ってノーブルに抑えて演奏されているのがわかります。確かルベルのときもそうでした・・・。

でもこの人の場合どの盤でもどうしても出ちゃうんですね、才気煥発さって・・・。
いや、天衣無縫さと言ったほうが正しいかもしれません。

私は、マンゼのそんなヴァイオリニストとしての本能の閃きが大好きなんです。

ですから彼が指揮をしたときには、ちょっと構えて考えすぎてしまうようになるのが惜しいと思うのです。

★ニコラーエワ:珠玉のバッハ名曲集
                  (演奏:タチアナ・ニコラーエワ)

1.トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 (ニコラーエワ編)
2.「主よ人の望みの喜びよ」カンタータ BWV147 (ヘス編)
3.「目覚めよと呼ぶ声す」BWV645 (ブゾーニ編)
4.小フーガ ト短調 BWV578 (高橋 悠治編)
5.「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV659 (ブゾーニ編)
6.シャコンヌ BWV1004 (ブゾーニ編)
7.「我は主の名を呼ぶ」 BWV639 (ブゾーニ編)
8.シチリアーノ ト短調 BWV1031 (ケンプ編)
                  (1982年録音)

断言します。
私にとってピアニストのバッハ弾きといえばペライアでもグールドでも、グールドが唯一影響されたといったテューレック女史でもありません。
タチアナ・ニコラーエワ女史の厳しくも包容力のある温かい演奏こそ、私の座右に置かれるべきバッハ演奏なのです。
そのうち特集させていただき、コメントしたいと思います。

さて、初めて触れたバッハのピアノ演奏はこのディスクでした。コラールの編曲の素晴らしさを最初に聴いたのもこのディスクからです。
最初はシチリアーノが好きだったんですがねぇ。
やはり今では「目覚めよと呼ぶ声す」「いざ来ませ、異邦人の救い主」というところでしょうか・・・。
これらにはあらゆる人の、あらゆる名演がありますから、これもまたこのブログでいつか触れたいと思います。

こうして聴いてみて思うのは、嘉門達夫さんのあとに聴くものではないということ。
これら小品の味わいをくっきりと、でも残り香のように心になにかを置いて行ってくれる演奏です。
アップし終えたら、お風呂へ入って聴き直そうっと!!

しかし嘉門達夫でJ-POPにカテゴライズして“トッカータとフーガ”の紹介(それもこんな内容)をしていては、グリーグに続いて大バッハまでをも敵に回してしまったかもしれませんねぇ。

しかもタイトルは“小市民”だし・・・。
でも最初に“鼻から牛乳”とパロッたのは嘉門さんですから、私が大バッハに恨まれても困ります。
不本意に思ったかたは嘉門さんにいちゃもんでもガンでもつけてやってくださいな。

私のように、権威に最初に歯向かった人に責任をなすりつけて火の粉を払うというのが真の“正しい小市民”としてのありかたである・・・。
そうお思いになりませんか? (^^)/


最後お別れの曲は嘉門さんのフレーズをパクってみましょう。

何の曲でしょう!?
 ♪~ くぅだぁ~りの、ひぃかぁぁあり。はぁかぁたぁ、ゆぅう~きぃ~・・・

♪~ ちょうど時間となりましたぁ~。それではみなさん、ごきげんよぉ~!!

“案山子”への想い

2007年01月12日 00時04分13秒 | J-POP
★私花集(アンソロジー)
                  (演奏:さだまさし)
1.最後の頁
2.SUNDAY PARK
3.檸檬
4.魔法使いの弟子
5.フェリー埠頭
6.天文学者になればよかった
7.案山子
8.秋桜(コスモス)
9.加速度
10.主人公
                  (1978年)

さだまさしさんが紅白歌合戦でここに収められている“案山子”を歌いました。
実は私が紅白を見たのはここだけなのですが・・・。
またレコード大賞では長崎の稲佐山で20年間ずっと続けられてきた夏のコンサートに対して“特別賞”が授与されていましたね。その際にテレビで歌われたのは“秋桜”でした。
心からお祝いを申し上げたいと思います。

実は“SJester”たる私が今あるのも、さだまさしさんのお導きというか、お陰というか“せい”なのです。

中学校から大学を卒業するまで、もちろん他にもいろいろな音楽(主にロックですが)を耳にしましたが、もっとも身近な音楽はさだまさしさんでした。
そのロックはといっても聴いていたのは(何回か採り上げた)ビートルズ、(今後きっと採り上げる)ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)という方々で、他ならぬさだまさしさんその人のフェイバリット・アーティストであります。

そのほか服装(後述“夢供養”ジャケットのベージュのコーデュロイの上下ほか)をマネしたり、筆跡を真似たり(“学”→“學”と必ず書いていた)、ギターを手にしたのも“天までとどけ”を弾くためでした。

YAMAHAのアコギ、特注“さだまさしモデル”のヘッドインレイと指板のインレイに憧れていたにもかかわらず、肝心の“音が似ている”ということでルックスは似ても似つかないギルドのアコギを、貯めてたお金を全部はたいて買ったりもしました。高校のときです。
今所有しているギターも、ラリビー&ギブソンの2台はメーカーこそ違え、さだまさしを弾く際の音色や、YAMAHAの“まさしモデル”やらマーチンD-45のド派手なルックスを意識しているのです。もちろんそればかりではないですけど。
ついでにいえばオベーションは、ポール・サイモンのものと同様のスペックです。
要するに、私のクラシック以外の音楽の根は「さだまさしに行き着く」というわけです。

今思えば、文字通りさだまさしのフォロアーたることが、学生時代の私の70%ぐらいだったでしょうか?
ちょうど年齢としてはひとまわり上でいらっしゃって、常に12年後の自分をイメージしていました。
改めて思えば著名かどうかということではなく、生き方として恐ろしく遅れをとっているように思われますが。

そうそう、もちろん及ぶところではありませんが、文章の書き方もさだまさしさんのそれにもの凄く影響を受けています。
その後の社会人生活で、その色は随分後退しますが・・・。

さて、そんなさだまさしさんのアルバムの中で、結果的に最も人口に膾炙した曲が収められているのがこの“私花集”ではないでしょうか?

なんといっても“秋桜”が大きいですよね。
山口百恵さんは私がファンだった数少ないアイドル(?)歌手のひとりというか筆頭ですし・・・。歌い手も曲も知らない人はいない。たとえ“関白宣言”を知らない人がいたとしてもです。
そういえばシングル盤(知ってる?)のB面で百恵さんは“最後の頁”も歌っています。

さて“雨やどり”を皮切りに、この時期の大半のさだまさし作品をギターで弾き語りしていた(言うほどうまくありませんが)私ですが、ことに“案山子”には忘れられない思い出があります。

会社へ入社して転勤族の根無し草生活を続けている私ですが、振り出しはふるさと人事で、研修後2年半ほど自宅通勤できる店舗に配属されておりました。
平成元年にいよいよ長野県に転勤になり一人暮らしとなることが決まり、とてもかわいがってくれていた母方の祖父・祖母が自宅へ壮行に来てくれたのですが、そのときに弾き語りしたのが“案山子”でした。
私はシゴトでいずれはこうなることが判っていたので、比較的あっけらかんとしておりましたが、祖母はハンカチで目どころか顔全体を覆い「(歌詞の内容と)立場が逆じゃないか・・・。」と泣いていました。
もちろんそのときの私なりに、感じるところがありましたが・・・。

その後暫くして、祖母はガンのため入院しました。
一度だけ見舞いに行ったときに、痩せ細った姿を見て愕然としながらも、帰り際病室の外まで点滴をぶら下げるポールを杖代わりにして見送ってくれた祖母がそんなに早くに逝ってしまうとは思いませんでした。

祖母は危篤になる間際まで、私に知らせると「高速で4時間近くかかる道を無理して突っ走ってくるだろうから教えるな」と家族に言ってくれていました。
それでも家族は、何度も悲鳴にも似た声で留守番電話で急を知らせるメッセージを残してくれていましたが、あいにくそのとき私は社用で外におり、帰ってそれを聞いた時には既に亡くなったとの連絡が入った後でした。
当時は携帯もありませんでしたので仕方ないこととはいえ、悔やみきれない思いを強く持っておりましたが、最後まで私を気遣ってくれていた祖母の想いは身に沁みました。
本当にありがたかったです。

以来“案山子”を演奏する(とても“プレイする”などとは言えない)と、どうしようもなく感慨がこみ上げてきて、うまくいくかコケるかどっちかです。
弾こうと思うだけでこんな気持ちになる曲はありません。

この頃のさだまさしさんの曲自体が、ご親族の日常のことがらから普遍的な感情を思い起こさせるような作りになっていたものですから、さださんご本人にとっても(フィクションの部分もあれ)親密なものであったに違いありません。

ですから“案山子”の他にも当時から現在に至るまで、私の周りでこんなにも奏でる機会が多いのです。以下に一部を紹介すると・・・いずれもギターで弾き語りをしたものですが。

・叔母の結婚式余興(祖母在世時):“天までとどけ”→“雨やどり”→“関白宣言”
  アンコールって3曲弾いて義叔父の身内から“おひねり”をせしめてしまった。

・かみさんの弟の結婚式と大学時代のクラブの友人の結婚式:“秋桜”

このほか、同僚の結婚式など多数。
同僚の場合、余興要員としてあまり親しくないヤツにも呼ばれてタイヘンでした。
もちろん喜んで行きましたが。

さてこのアルバム中というより、私がカラオケで1曲といわれたら必ずこの曲と決めているのがラストの“主人公”です。
「自分に恥ずかしくない自分でありたい」という想いを、実践できたらいいなと思っています。

★風見鶏
                  (演奏:さだまさし)

1.最終案内
2.つゆのあとさき
3.飛梅
4.きみのふるさと
5.思い出はゆりかご
6.セロ弾きのゴーシュ
7.もうひとつの雨やどり
8.吸殻の風景
9.桃花源
10.晩鐘
                  (1977年)

これは“私花集”の前にリリースされたアルバムです。
このころの作品は、後になってさだまさしさん自身がカヴァー・アルバムを制作したぐらい、ご本人にとっても重要な作品集なんだと思います。

FMラジオでこれらの曲のスタジオライブをエアチェックして、必死にコピーしましたねぇ。
ひょっとしたら、人生でアレだけ一生懸命やったことって他にないかもしれません。
あれだけ練習してもこの程度という想いもあって、プロってのはやはり先天的な才能なんだろうという諦めも学んだといえるでしょうか?

しかし学んだといえば、ホントにさだまさしさんからは多くを学びました。

例えばタイトル・・・。
<風見鶏から>
・つゆのあとさき:永井荷風
・セロ弾きのゴーシュ:宮沢賢治
・桃花源(桃源郷):陶淵明
・晩鐘:ミレー

<私花集から>
・檸檬:梶井基次郎
・魔法使いの弟子:デュカス(音楽では・・・)

本は読み、絵は見ました。視野が本当に広まったかはわかりませんが・・・。

転勤で長崎に行った折に、稲佐山などの景勝地やさだまさしさん所縁の地を見て歩いたりもしました。活水の絵はがき坂、三景台の凧揚げ(はたあげ)、思案橋の近くにあったさだまさしの喫茶店などなど・・・。

精霊流しやおくんちは当然しっかり目に焼き付けました。
精霊流しって、アルバム・ヴァージョンで聴くと背景に確かにチンドン入ってますが、しんみりした夜なんてモンじゃありません。それこそ爆竹をぶつけられて精霊になりかねないおっかないお祭りでしたね。
このためだけに馬鹿でかい木造の船をこしらえて、そして海に流してしまう・・・。
正気の沙汰ではないかもしれないけれども、人の情ってのはそうでもして想いを吐出したいんだろうと、今ならそう思えます。
長崎在住当時は?????でしたけど・・・。

“飛梅”を見るために太宰府天満宮にも行きました。
かみさんが帰省して愛知で出産した長女が、九州入りして後の初参りがそうでした。
これが心字池か、お石の茶屋かなどと首の座らない赤ん坊を抱えてうろつきましたたねぇ。
歌は別れの曲ですが、結婚しちゃって子供まで作った(制作は結婚後です。念のため)後だから大丈夫だと・・・。

そうそう大学のクラブの卒業旅行は私が仕切って、鎌倉に行きました。東慶寺(縁切寺)にも行きました。ここもさだまさし所縁といえばそうですね。
余談ですが、“まつがおか日記”って東慶寺のブログがあって折々の境内の植物が紹介されてますが、とっても綺麗というか興味深いですよ。わたしもちょくちょくお邪魔してますが・・・。

最初にさだまさしを知り素晴らしいと思った曲は“つゆのあとさき”でした。
そして今SJ-200で弾くことが多いのは、“きみのふるさと”と”吸殻の風景”でしょうか?
ここ3年ぐらいいろいろあって、ファルセットの最高音が2音ぐらい下がってしまって正しく歌えなくなってしまったのですが、音程ムシで気分よく騒いでいます。

この2枚、サイモンとガーファンクルの“明日に架ける橋”のストリングスをアレンジしたジミー・ハスケルが半数ぐらいアレンジしています。
今や大物アレンジャーになった渡辺俊幸さんのアレンジも、甲乙付けがたく素晴らしいものですが・・・。結果的にはこれでベストだったんでしょう。
このしばらく後に、渡辺さんは音楽の勉強に海外へ渡航されたんですよね。そしてビッグになって帰ってこられました。

★夢供養
                  (演奏:さだまさし)

1.唐八景~序
2.風の篝火
3.歳時記
4.パンプキンパイとシナモンティー
5.まほろば
6.療養所
7.春告鳥
8.立ち止まった素描画
9.空蝉
10.木根川橋
11.ひき潮
                  (1979年)

さだまさしの最高傑作はこれなんでしょうか?
独自レーベルのフリーフライトレコードが発足して最初のアルバム。“私花集”の次にリリースされたものであります。
そのタイミングは、私がさだまさしを知った直後・・・。そしてこれは初めて予約して買ったLPでもあります。
シングルでは“天までとどけ”の後、“関白宣言”のまえではなかったかしら・・・。

このタイトルは“ゆめくよう”と読むのですが、LPのライナーに「決して“むきょうよう”と呼ばないでください。」と書いてあったのがひどく印象的でした。さすがさださんは、落研で“飛行亭墜落”師匠を名乗っただけのことはあると。

このころは、ここでのさださんのように物事を茶化すのが自分の中で楽しくなっていった時分でもありますね。
今、オヤジギャグがすぐに頭に浮かぶのももしかしたらこの辺の影響が大なのかもしれません。

しかしこれが私の人生においては、いろいろな事柄について肝心なところで茶化してしまって直視することを避け、ずっと問題を先送りにしてきたために結果としてつまずき時間を大きく浪費することになった元凶でもあります。
もちろん、さだまさしさんのせいではありません・・・。

おっと、この話はこれぐらいにして収録されている曲についていえば、“風の篝火”などでスリーフィンガーを必死で練習しましたねぇ。
“パンプキンパイとシナモンティー”の歌詞にあるコーヒーベーカリー(喫茶店?)の名前から今般再結成するらしい“あみん”というグループ名ができたのは有名な話ですよね。

そしてもっともさだまさしらしい曲で、弾き語りすることが大好きなものが“まほろば”。
東大寺の落慶法要コンサートでも歌われて、私は画面に食い入っておりました。

私も私なりに日本という国を思い、“まほろば”とはということを考え続けておりますです。
斑鳩やら京都やらの歴史、大和古寺巡礼を読み、その後梅原猛さんの著作などで聖徳太子、柿本人麻呂などに触れるきっかけとなったのは紛れもなくこの曲なんでしょうね。

ところで時の宰相は“美しい国”を標榜しておりますが、いまいち具体性にかけるというか、まだそこまで突っ込んだアウトラインが出ていないようにも思われます。
私の思い描く“まほろば”とかけ離れたものでないことを祈りたいと思います。

そして“ひき潮”。
これはピアノで弾き語りをしたことがありますが、この歌詞の意味を理解したのは3年ぐらい前のことでした。作者と比べて自分の成長が恐ろしく遅れていると決定的に気づいたのはこの曲によるものです。

どうしようもない“挫折”という経験は、いつかどこかでしないとわかりません。
茶化すことに慣れた私にも遂にそれらしきことがあったのかな、ということです。

今では「挫折できた」ということは、少なくともチャレンジしていた何かがあるという証だと思えるようになりました。
心身ともに鋭気を養って、またなにか本気で新しいことにチャレンジしたいと思います。このブログもその一環になるのかな? 今のところは何ともいえませんが。(^^)v

さてこのアルバムジャケットのロケーションは軽井沢駅です。
行きましたねぇ、先ほどの祖母の話で触れた転勤で佐久市に住んでいたときに。それもさださんと同じ服を着て!

裏ジャケでは軽井沢近辺の山中と思える森の小径をさださんが歩いてくる写真が掲載されていますが、深まった秋にストンと冷えて紅葉が美しく映えた軽井沢・小諸・上田なんていう国道18号線沿いは形容しようがないくらい見事です。

上田の山なんて一山それこそ“まっかっか”とか、演歌なんかで「山が燃える」という表現があったりしますが、まさにそのとおりなのです。

一転して軽井沢では肌色というかベージュというか、尾根伝いの高い樹木全体がススキの穂のような色を帯びて澄んでいます。それが逆光に映えた景色を目にして御覧なさい。この世のものとも思われないほど美しいですよ。決して忘れられるものではありません。

きっとそんな景色の中撮影は行われたのでしょうけれど、ここにもひとつの理想の日本を象徴する風景があるように思われます。

こうやって振り返ると、長野や長崎などさだまさしの軌跡を追いかけてここまで来てるかのようですね。

そうそう“チャンス”という歌には「さぁ、みんなで世界をつくりなおそう」という歌詞があります。
一人が出来ることには限りがあるけれども、一人ひとりとしてはその人にできることを精一杯するしかない・・・。

「天は自らを助くる者を助く」のでしょうが、なにかを精一杯する中で共感してくれる人がいて、自分も周りもよりよい方向に変わっていくという、そんな素敵な日をずっと積み重ねていけたらいいなと思わずにはいられません。
さださんは、きっとそうしてきたんだろうな、と。

なかなか“生きるのがヘタな”私にはうまくいきませんが・・・。

私がオジさんになったからには・・・

2006年12月07日 01時28分41秒 | J-POP
森高千里さんは、私にとって忘れられない“アイドル”の一人です。

ただ“森高ランド”や“非実力派宣言”といった一連の流れの中の彼女はプロデュースのされかたに問題があったと思っており、彼女のせいではありませんが、あまり好感をもつことはできなかったですねぇ。
あんなにもイキイキした人間らしい彼女を、着せ替え人形か、子供向けの超合金ロボのようなまったく生活臭のないオモチャ扱いして。。。個人的には残念でたまりませんでした。

では、いつ、彼女のどこに惹かれたかというと、もう20年近く前になるのでしょうか。。。タモリさんがやっていた「今夜は最高」という番組のCMに出ていたときです。
それはPIONEERの宣伝でしたが、少なくとも彼女がブレイクするより前でした。
ドラムセットに座っている彼女が、おもむろにスネアかシンバルかを叩いて画面は躍動的になるような内容だったと思います。
その一瞬で「誰だっ!?」と閃き、画面右下隅に出ていた「森高千里」の名前をインプットした瞬間のトキメキは今でも容易に思い出せます。
漢字もカンタンだし。。。すぐ覚わりました。
まだ少女だった彼女の、繰り出したスネア一発の切れ味にマイッた状態になった私。
こんなこと言ってるくらいだから、まだマイッているのでしょう。
ホントに“なつかCM”とかでもう一度見られないかなぁ~。。。

冒頭の“ステップ・バイ・ステップ”というアルバムのジャケ裏でドラムセットを前にした彼女の写真を拝むことが出来ます。

ずいぶんと大物になってしまわれた後なので、CMで感じたであろう初々しさなどは後退していると思いますが、そうはいってもやはり素敵であります。
それ以前のアルバムジャケットで麗しいオミアシを露出していたころも、全然そういったことには関心が向かわず、なぜか彼女に関してはその新鮮さというか瑞々しさというか生身の人間の姿を求めておりました。
このアルバムのころになって、ようやく“商品”から“人間”になってくれたのかなぁと思えて嬉しかったのを覚えています。

ビールの宣伝で“♪ のもぉ~・・・”と歌われるサビが一日中テレビから出まくっていた“気分爽快”という曲で始まり、なかなかバンドサウンドとしてもオモシロい曲が収められていますよ。
わけても私が最も共感できるのはザ・ビートルズの“エヴリィバディズ・ガット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー”のカヴァーであります。
もちろん本家のジョンのように“ノリのよさで勝負!”とは行かないですが、学生時代にバンドでドラムスを叩いていたという経歴を知ってみると、本当に憧れの曲をかっこよくやってみたいという純粋な気持ちが感じられてとてもほのぼのさせられます。
「よかったね(^^)/」みたいな。
バンドのメンバーも腕達者がそろっているし、彼女も楽しかったのではないでしょうか。。。

彼女にはご承知のとおり自らが作詞した“私がオバさんになっても”という代表曲がありますが、私がオジさんになったからには彼女とても小娘ではいられますまい。
幸いご夫君といっしょにカレーの宣伝かなんかに出ておられるのを見て、私は勝手に引き続きほのぼのした気分になっていますし、彼女もお幸せそうに見えるのでなによりであります。

今でも彼女はドラムを叩いたりするんでしょうか?
彼女のプロパガンダな曲も、フリーキーなロックもこんなシステムで聴いたらおもしろいかなと思ったりします。

これで案外と素直な音がするんですよね。ルックスはかなりぶっ飛んでますけど。。。
「森高には合うぞ!」と感じます。

部屋とYシャツと私

2006年11月22日 21時54分23秒 | J-POP
部 屋 ・・・・・・・西日がスゴイんです。。。





Yシャツ・・・・・・・単身赴任に際して買ったもの。。。





わたし ・・・・・・・野球帽を後ろ向きにかぶってます。。。



お願いがあるのよぁ~ で始まるこの歌。
いまだかつてこんなに切なくまっすぐな声で、これほど恐ろしくおぞましい歌詞が歌われる曲を知りません。

この曲を聞いて、嫁さんに長生きして欲しいと思うオトコは私だけではないでしょう。

歌い手は私と誕生日が3週間しか違わない。。。彼女のほうが上だけど(^^)/
ちなみにうちのかみさんよりは2ヶ月若い。。。
まさに同学年、同世代。

平松愛理さん。。。こわすぎ!



SAS

2006年10月30日 23時31分51秒 | J-POP
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:通称SAS)の話です。

でも、サザンオールスターズ大好きです。
デビュー曲「勝手にシンドバッド」のシングル盤(45回転のドーナツ盤なんて知ってる?)が中学生の私が初めて買った歌謡曲(!)レコードのうちの1枚。
(他は「時間よとまれ(矢沢栄吉)」「君の瞳は10000ボルト(堀内孝雄)」「青葉城恋唄(さとう宗幸)」「愛のメモリー(松崎しげる)」でした。)
以来ずっと、チェックしてるのです。

大学時代には、「YaYa」を私がギターを弾いてみんなで大合唱。ゼミの女の子がセンパイと、卒業と同時に結婚するというので、みんなで大騒ぎをしました。
クラブでもことあるたびにギター抱えて「いとしのエリー」やらを酒を飲んで歌ってましたねぇ。あのころ楽しんでたのが、今までで一番音楽的な演奏だったかもしれないですね。

冒頭のCDは結婚間際、遠距離恋愛(私の勤務地が遠かっただけで実家はすぐそば)でシンデレラ・エクスプレスの途上、中央道をホンダのビガー(わざわざハイソカーを買った)で冒頭のCDかけながらぶっとばしてたときに、眠気覚ましに車の中で「ふりふぅりぃ~」とか「おーれぃ!!」とかわめいてた覚えがある。カラオケでも大人気のイイ曲がいっぱいあって、私には最も印象深いものです。
☆Southern All Stars   (演奏:サザンオールスターズ  写真は冒頭に掲載)

この他「真夏の果実」とかも車の中で絶唱だったなぁ。

そして結婚。
次のCDに入っていた「涙のキッス」はかみさんが好きな曲。新婚だったんで、ギター弾きながらセミだかキリギリスのように歌いましたよ。横にいたかみさんが聞いてたかは知りませんが。

サザンがまだまだ健在なのはとてもうれしいことです。「KILLER STREET」もかっこよかったし。
でも、少し前の「TSUNAMI」は月並みですけど、やっぱり泣けますねぇ。

何処の夫婦も “♪「めぐり会えたときから死ぬまで好き」といって・・・”しまって今に至っている。ウチもそうでした。。。

そして、いまだに “♪見つめあうと素直におしゃべりできない”・・・・・いいあいになるから。。。
大地震のあとのTSUNAMIになってしまう。

とはいえ、いまだにめぐり会えたときからの魔法が解けずにいるのはありがたいことです。感謝ですね。


おっと、ところで私はSASです。
別にハラ坊やター坊の後釜を狙ってるわけでもなんでもないですが、病気といっていいのかなぁ、冒頭の「睡眠時無呼吸症候群」の患者なのです。
先日記事の件もあり、ナースのみなさんには私を大事にしていただきたいものです。ナースにメーワクかける病気じゃないと思うし。

カラダも家族も省みない仕事の仕方を続けて生活習慣病の標本みたいになった私。悔い改めて(食い改めてではない)減量にもいそしみ清貧な生活を送るのを余儀なくされている私が、いまさら病気についてあれこれ語るつもりはありませんが、このSASについてだけは聞いていただきたいと思うことがあります。

まず、「睡眠時無呼吸症候群」とは睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)が5回以上繰り返される病気だとされています。身近にもいらっしゃるかもしれませんが、「いびき」とか「寝てるときに息が止まってる」という状態を持っている人です。理由はさまざまですが要は息をしてないわけですから一定期間すると脳が「このままじゃヤバイ。息をしろ!」って命令する。そうするとおもむろに「ぐわぐわぐわっ」と息をする。そして、また止まる・・・ということを繰り返して血中の酸素濃度が薄くなる結果、脳は徹夜で命令してないといけないためにちゃんと眠れない。
私の検査時、一晩で一番長く息が止まってたのは1分50秒だそうです。起きてたらゼッタイできませんよね。
血中の酸素濃度が、起きているときを100とすると一瞬72まで落ちたらしくて検査技師さんの間で評判だったらしい。。。
海女さんが潜ったときでも90弱までしか落ちないのにとかいわれて・・・奇人変人じゃないんだぞぉ!
もすこし違うことで評判をとりたかった。ナースからの人気ナンバーワンとか。。。

で、結論からいうと、これで死んじゃうことはないが生活習慣病などの他の病気とケッタクするとがぜん危険度が増すとか動脈硬化になるとかいうことで体に悪いのです。私も、SASでなければ病気のデパートとか標本のようにはならなかっただろうという実感があります。でも別にこれだけのことであれば「聞いてほしい」などとは言いません。

山陽新幹線の事故を覚えておいででしょうか?
この病気のホントに恐いところは病気の悪影響を受けるのが「自分だけではすまない」ことになりかねないところにあります。
脳が「寝ていない」わけですから、昼間眠くなる。自分が何らかの事故の加害者になる恐れが非常に高いわけです。


運転中に信号待ちで眠くなっちゃったことありませんか?
役員も部長もいる大事な会議で気合はいってたのにどうしても眠くてしょうがない課長さん!(おっと固有名詞はでてないな!)あなたにはそんなことはありませんか?
会議の帰り道、運転中に意識が飛んでしまったときに、そこにヒトがいたら・・・

私は、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査というのを一晩入院して受診しました。
そして先ほどの結果を聞いたわけです。
直ちにCPAP(下の写真:私のです)を着用して眠るという対症療法を始めました。

仕組みは眠っているとき手前に写っているマスクをして(“新造人間キャシャーン”気分♪)、奥の小型掃除機みたいなのから押し出された空気を「鼻から」送り込み強制的に無呼吸を起こさせないというモノ。(カンタンでしょ)
正直言って、慣れないうちは寝苦しいし、今でもときたま気になります。
でも、寝起きは驚くほどよくなるし、昼間の眠気は常用しはじめるとほどなく消えてスッキリ感が取り戻せます。
近視のヒトは眼鏡をかけますよね。昼間の眠気が抜けないヒトはCPAPを寝てるときだけすればよいのです。だれも近視の人で眼鏡をかけずに運転するヒトはいない。いつ眠くなるかわからないヒト、突然意識がおっこっちゃうヒトは、その原因が夜脳みそが休んでいないためなので、休ませるための補助器具をつけてやればいいのです。
それだけで、何をするにしても俄然快活にできるようになりますよね。少なくとも何かの睡眠学習よりはご利益あるんじゃないかと・・・

この点、心当たりの方がいらっしゃれば(相当いるはず)、ぜひともお医者様に相談されることをお勧めします。自分の体が蝕まれ、とりかえしのつかないことを起こしてしまう前に・・・


死亡事故でも起こした人がカラオケに行って、

 “♪逢いたくなったときに、きみはここにいない・・・二度と帰らない”
          (逢いたくなったときにきみはここにいない : Southern All Stars 所収)

 “♪ I remember YOU, and wonder where you’ve gone ~ 君よ何処へ”
          (YOU : Southern All Stars 所収)

なんて、シャレにならないでしょ。

サザンはサイコーの気分で聴き、歌いたいですよね。
軽快な曲も、ホロッとする曲も! (^^)/

そして、
☆「さくら」     (演奏:サザンオールスターズ)

の最後に収められているわたしの一番大好きな曲・・・「素敵な夢を叶えましょう」